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リハビリコラム

2022-09-12 15:36:00

パーキンソン病患者さんの屋外歩行の判断基準~歩行速度~

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムではパーキンソン病患者さんの
屋外歩行の判断基準についてを
解説していきたいと思います。

 

 

今回はElbersらの論文を
紹介したいと
思います!

  

 

この論文では・・・
パーキンソン病の患者さんで
Hoehn-Yahr stage2~4の方が
(軽度または中等度の症状)が
参加されました。


※Hoehn-Yahr stageとは?
パーキンソン病の重症度分類のことです。
段階が1~5まで
あり、パーキンソン病の
症状の程度で
分類されます。


Nottingham extended activities of
daily living index (NEAI)という
検査で、

①屋外歩行が可能なグループ

②屋外歩行が困難なグループ

①、②のグループに分けられました。

 

 

その結果・・・
屋外歩行を実施できるのかを
歩行速度によって判断(予測)できる
ことがわかりました。

その目安となる歩行速度は
0.88m/secでした。

さらに転倒恐怖感の検査する
Falls Efficacy Scale (FES) の
結果を加えることで精度が
向上することもわかっています。


屋外歩行の判断基準として、
「歩行速度」「転倒恐怖感」
この2つは必要なのかも知れません。

 

 

屋外歩行では、道路の起伏や周辺の物、
人など多くのことに注意を配らなくては
なりません。
そのためバランス、注意などの能力も
大切だなと感じています。

 

 

本コラムではパーキンソン病患者さんの
屋外歩行の判断基準についてを
解説しました。



本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年9月12日)
(更新日:2022年12月29日)

(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Elbers RG, van Wegen EE,
Verhoef J,Kwakkel G.
Is gait speed a valid measure to predict
community ambulation in patients with
Parkinson's disease?
J Rehabil Med. 2013 Apr;45(4):370-5.
doi: 10.2340/16501977-1123.
PMID: 23450464.

 

 

 

 

2022-09-02 15:34:00

脳卒中患者さんの歩行自立度と歩数の関係

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
歩行自立度と歩数の関係性を
解説していきたいと思います。

 

 

今回はKuboらの論文を
紹介したいと思います!

  

 

この研究では・・・
亜急性期の脳卒中患者さんが
参加しました。


※亜急性期とは?
発症後2週間~6ヶ月の時期の
ことを指します。


参加した患者さんは、

・1日の歩数
・6分間歩行(6分間の歩行距離)
・脚の運動障害(マヒの程度)
 などが検査され、歩行自立度 との関係が
 調査されました。


※ 歩行自立度とは?
  歩行時の介助量を表すものです。
  自立度が高いということは、一人で
  歩けることを意味します。

 

 

その結果・・・
歩行自立度には1日の歩数と
関係があることがわかりました。


そして、
一人で歩行可能な患者さんは、
歩くことが難しい患者さんと比較し
1日の歩数が多い傾向がありました。


さらには、歩行自立を予測するための
1日の歩数は
4286歩であることも
わかりました。

 

 

【私が気になるところ】

①病期について

今回の研究では、病期(発症からの期間)が
亜急性期に限定されています。
発症6ヶ月以降の慢性期(生活期)では
どのような結果になるのかが
気になります。


②1日の歩数について

歩数を確保できていない背景に
どのような理由があるのか
気になるところです。


③歩数の基準値

歩行自立に必要な歩数である4286歩を
越えている患者さんの中にも、
歩行自立度の低い方が含まれている点です。


歩数だけに注目するのではなく、
感覚障害やバランス障害、
高次脳機能障害などの歩行への影響を
考え、歩行困難な原因を探ることも
大切だと感じています。


リハビリ場面だけで歩数を確保することは
うまくいかないこともあります。

そんな時は看護師さんや介護士さんなど
他の職種との連携が大切だなと思います。

 

 

本コラムでは脳卒中患者さんの
歩行自立度と
歩数の関係を解説しました。


本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年9月2日)
(更新日:2023年1月4日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Kubo H, Kanai M, Nozoe M, Inamoto A,
Taguchi A, Mase K, Shimada S.
Daily steps are associated with walking ability
in hospitalized patients with sub-acute stroke.
Sci Rep. 2022 Jul 17;12(1):12217.
doi: 10.1038/s41598-022-16416-8.
Erratum in: Sci Rep. 2022 Aug 23;12(1):
14380. PMID: 35843983; PMCID: PMC9288997.

 

 

 

 

2022-08-20 11:20:00

脳卒中患者さんの歩行能力の変化 

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
歩行能力の変化についてを
解説していきたいと思います。

 

 

以前、脳卒中患者さんの歩行能力は
徐々に改善することを解説しました!

>>知りたい!脳卒中の患者さんの
  歩行回復の予後とは?



脳卒中によって生じた障害の程度に
よっても歩行回復の傾向が異なることが
Buvarpらが報告しています。

 

 

Buvarpらの研究では・・・
脳卒中患者さんを重症度を
軽度と中等度のグループに分けて
歩行能力の回復経過を調査しています。

 

 

その結果・・・
中等度の症状がある患者さんは
発症後3ヶ月目に歩行能力の
大きな改善がみられたとしています。


加えて75歳以上の患者さんでは、
重症度(軽度・中等度)に関係なく
発症後3ヶ月目で歩行能力の大きな
改善がみられたとしています。


まとめると・・・
歩行能力の回復は重症度によって
異なる経過を辿る可能性がある
ということがわかったということです。

 

 

リハビリ専門病棟である
回復期リハビリテーション病棟。
その平均入院日数は2~3ヶ月ほど
言われます。


その平均入院日数と今回の研究結果を
踏まえると、
退院後のリハビリも
大切だなと感じています。


当施設も医療機関・介護施設と
連携しつつ、微力ながらお力に
なりたいと考えています。

 

 

本コラムでは脳卒中患者さんの
歩行能力の変化を
解説しました。


本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年8月20日)
(更新日:2023年6月18日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Buvarp D, Rafsten L, Sunnerhagen KS.
Predicting Longitudinal Progression in
Functional Mobility After Stroke:
A Prospective Cohort Study.
Stroke. 2020 Jul;51(7):2179-2187.
doi: 10.1161/STROKEAHA.120.029913.
Epub 2020 Jun 17. PMID: 32568652;
PMCID: PMC7306259.

 

 

 

 

2022-08-19 11:30:00

脳卒中患者さんの快適歩行速度と最大歩行速度の関係性とは?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムは脳卒中の患者さんの
快適歩行速度と最大歩行速度の
関係性を解説したいと思います。

 

 

脳卒中患者さんの歩行速度は
職場復帰や
行動範囲と関係があると
過去の研究で報告されています。


歩行能力の一指標である歩行速度には
「快適歩行速度」
「最大歩行速度」
この2つがあります。


快適歩行速度とは・・・
普段と同じように歩いた時の速度です。


最大歩行速度とは・・・
できるだけ速く歩いた時の速度です。


研究を行うときには、測定の誤差を
少なくするために最大歩行速度を
計測することがあります。

 

 

最大歩行速度は快適歩行速度に1.4を
かけることで予測値が算出できると
報告されています。


つまり・・・
最大歩行速度(予測値)=快適歩行速度×1.4
という式が成り立つということです。

 

 

「速く歩けるようにならないといけない」
と不安を感じられるかも知れません。


予測する歩行速度と実際の歩行速度に
差があるということは、歩行速度を
上げられない要因があるということです。


その要因を分析し紐解いていくことが
歩行能力向上のために必要なことです。

 

 

今回は、脳卒中の患者さんの快適歩行速度と
最大歩行速度の関係性を解説しました。


本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(更新日:2022年12月29日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Jarvis HL, Brown SJ, Price M, Butterworth C,
Groenevelt R, Jackson K, Walker L, Rees N,
Clayton A, Reeves ND.
Return to Employment After Stroke in
Young Adults: How Important Is the
Speed and
Energy Cost of Walking?
Stroke. 2019 Nov;50(11):3198-3204.
doi: 10.1161/

STROKEAHA.119.025614. Epub 2019 Sep 26.
PMID: 31554503; PMCID: PMC6824505.

2)Fulk GD, He Y, Boyne P, Dunning K.
Predicting Home and Community Walking
Activity
Poststroke.
Stroke. 2017 Feb;48(2):406-411.

doi: 10.1161/STROKEAHA.116.015309.
Epub 2017 Jan 5. PMID: 28057807.

3)Vive S, Elam C, Bunketorp-Käll L.
Comfortable and Maximum Gait Speed in
Individuals with Chronic Stroke and
Community-Dwelling Controls.
J Stroke Cerebrovasc Dis. 2021 Oct;30(10):
106023. doi: 10.1016/j.
jstrokecerebrovasdis.2021.106023.
Epub 2021 Aug 7.PMID: 34375858.

2022-08-15 16:13:00

脳卒中患者さんのバランス能力と歩行速度の関係とは?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは脳卒中患者さんの
バランス能力と
歩行速度の関係についてを
解説したいと思います!



今回はMiddletonらの論文を
ご紹介いたします。

 

 

この研究では・・・
脳卒中を発症し6ヶ月以上を
経過している患者さんが対象となりました。


①歩行速度を上げられるグループ

②歩行速度を上げられないグループ

この2つのグループに分けられ、
バランス能力や歩行速度などの
比較をしています。


歩行速度を上げられるというのは
「普段通りの速度」「できるだけ速い速度」
この差が0.2m/秒以上ある場合と
定義しています。

 

 

その結果は・・・
歩行速度を上げられるグループは
バランス能力が高い(要因をもっている)
ということがわかりました。


つまり歩行速度を上げるためには、

バランス能力が影響することが
わかりました。

 

 

私が気になるところは・・・
歩行速度を計測する際、杖を使用した
人数が2グループ間で差があったことです。

歩行速度を上げられるグループに
杖の使用者が少なかったのです。


杖の使用人数になぜ差があったのか、
その要因を踏まえるとどのような結果に
なるのか気になります!

 

 

今回の論文でわかったこと、
それはバランス能力と歩行速度は
(少なからず)関係性があることです。


歩行能力の一指標である歩行速度。
速く歩けるだけでなく、バランスを
崩さずに安全に歩けることも
大切なことだと思います。

 

 

今回は、脳卒中の患者さんの
バランス能力と歩行速度の関係性を
解説しました。



本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(更新日:2022年12月29日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Middleton A, Braun CH, Lewek MD, Fritz SL.
Balance impairment limits ability to increase
walking speed in individuals with chronic stroke.
Disabil Rehabil. 2017 Mar;39(5):497-502.
doi: 10.3109/09638288.2016.1152603.
Epub 2016 Mar 13. PMID: 26972087;
PMCID: PMC5021555.

 

 

 

 

2024.05.06 Monday