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リハビリコラム

2022-11-01 14:00:00

脳卒中患者さんが外を自由に歩くための目安

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の
代表
市川です!

 

 

本コラムでは脳卒中患者さんの
外を自由に歩くための目安

解説したいと思います。

 

 

そこでBijleveld-Uitmanらの
論文を
紹介したいと思います!

※FIT-stroke試験のデータが
 使用されています。

 

 

この研究には脳卒中の患者さんが
参加され、移動できる範囲に応じて
4つのグループに分けられ
ました。

①屋外での歩行が困難

②車や自宅前の郵便ポストまで歩行可能

③自宅周辺(道を下るなど)は歩行可能

④近くのお店・友人の家まで歩行可能


最終的には・・・
①~③を外を自由に歩けないグループ
④を外を自由に歩けるグループ
この2つのグループに分けられ
調査されました。

 

 

その結果・・・
外を自由に歩くための目安として
「歩行速度」と「歩行距離」が
活用できることがわかりました。

 

 

【この論文でわたしが気になるポイント】

1つ目
自宅近隣を歩ける患者さんも、
外を自由に歩けないグループに
含んでいるところです。


2つ目
歩行速度や歩行距離の具体的な基準値は
算出されていませんので、他の似たような
研究が参考になるのかなと思いました。

歩行速度はこちらの記事をご覧ください!!
>>脳卒中患者さんの屋外歩行~歩行速度の目安~



3つ目
屋外を歩ける方の割合が79.3%と
私の経験からは多いなと感じました。
他の研究ではどのような割合が
報告されているのか気になります。

 

 

外を自由に歩くためには歩行能力だけでなく
バランス能力や注意など様々な機能が
必要になりますので、他の検査との
組み合わせが大事だなと感じています。

 

 

本コラムでは、脳卒中患者さんが外を
自由に歩くための目安を解説しました。


本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年11月1日)
(更新日:2022年12月30日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Bijleveld-Uitman M, van de Port I, Kwakkel G.
Is gait speed or walking distance a better predictor
for community walking after stroke?
J Rehabil Med. 2013 Jun;45(6):535-40.
doi: 10.2340/16501977-1147. PMID: 23584080.

 

 

 

 

2022-10-31 10:36:00

脳卒中患者さんに対するモビライゼーションの効果

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは脳卒中患者さんに対する
モビライゼーションの効果を
解説したいと思います。

 

 

そこでAlamerらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

モビライゼーションとは、
関節の動きを出したり、痛みを
緩和するための手技です。


その手技の多くは、患者さんが
座った状態や寝た状態で受ける
ものです。


数あるモビライゼーションの中で
マリガンコンセプトというものが
あります。


このマリガンコンセプトの中には
運動併用モビライゼーション(MVM)が
あります。


患者さんに関節を動かしてもらいながら
モビライゼーションを行うものです。

 

 

Alamerらの論文では・・・
慢性期脳卒中患者さんの足関節
MVMに関する論文が集められました。

 

 

集められた論文のその多くは、

①足関節のMVMを行うグループ

②通常のリハビリ

この2つのグループに分けられていました。


通常のリハビリではストレッチ、
偽MVM、関節可動域運動、
体重負荷運動が行われました。

 

 

その結果・・・
①足関節背屈の関節可動域拡大
※足関節背屈とは?
 つま先を上に挙げる動きです。

②バランス能力の改善

③歩行の時空間パラメータの改善
※時空間パラメータとは?
 歩行速度・歩幅などです。

以上の3つの項目に改善があったと
報告しています。

 

 

【もし私が現場で用いるなら~注意点~】

①MVMを受けたグループは
 通常のリハビリも実施している
 場合がある。

②MVMはストレッチや関節可動域運動と
 どのぐらい効果に違いがあるのか
 気になります!

 

 

モビライゼーションという手技の特性上、
施術するスタッフの技量が関わってきます。

手技の選択にどのようなプロセスを
経て判断されているのかも大切で、

モビライゼーション以外のリハビリに
おいても同じことが言えるかと思います!

 

 

本コラムでは、脳卒中患者さんに対する
モビライゼーションの効果を
解説しました。


本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年10月31日)
(更新日:2022年12月30日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Alamer A, Melese H, Getie K, Deme S,
Tsega M,Ayhualem S, Birhanie G, Abich Y,
Yitayeh Gelaw A.
Effect of Ankle Joint Mobilization with
Movement on Range of Motion,Balance
and Gait Functionin Chronic Stroke Survivors:
Systematic Review of Randomized Controlled Trials.
Degener Neurol Neuromuscul Dis.
2021 Sep 1;11:51-60. doi: 10.2147/
DNND.S317865. PMID: 34512072;
PMCID: PMC8420562.

 

 

 

 

2022-10-29 14:59:00

脳卒中患者さんの転倒回数と関係する要因とは?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは脳卒中患者さんの
転倒回数と関係する要因を
解説したいと思います。

 

 

今回はAlenazi らの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この研究では・・・
脳卒中発症後3ヶ月以上経過した
患者さん197名が参加しました。

 

 

研究期間中、

①転倒しなかったグループ

②1回以上転倒があったグループ

この2つのグループに分けられ、
転倒の回数にどのような要因(原因)が
影響しているのかを調査されました。

 

 

その結果・・・
転倒したグループと転倒しなかった
グループを比較したときに、

・6分間歩行:歩行距離
・PHQ-9:うつの程度
・Functional Reach Test:バランス能力

この3つの検査結果に違いが
あることがわかりました。


さらに、
・服薬数が多いこと
・うつ病スコアが高いこと
・FRTの到達距離が短いこと

この3つは転倒回数の増加と
関係があることがわかりました。


それぞれのカットオフ(基準値)は、
・服薬数は8.6個
・PHQ-9は2.5点
・FRTは18.15cm でした。


※カットオフ値の判断には「感度」「特異度」
など検査が正確に判定できるのかの指標に
ついても検討しなくてはなりません。

 

 

転倒の要因は様々です。
今回の研究のような調査は
どのような方が転倒しやすいのかを
知ることにつながり、その対策も
立てやすくなります!

 

 

本コラムでは、
脳卒中患者さんの転倒回数と
関係する要因を解説しました。


本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年10月29日)
(更新日:2023年2月17日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Alenazi AM, Alshehri MM, Alothman S, Rucker J,
Dunning K, D'Silva LJ, Kluding PM.
Functional Reach, Depression Scores,
and Number of Medications Are Associated With
Number of Falls in People With Chronic Stroke.
PM R. 2018 Aug;10(8):806-816. doi: 10.1016/
j.pmrj.2017.12.005. Epub 2017 Dec 26.
PMID: 29288141; PMCID: PMC7200172.

 

 

 

 

2022-10-28 22:37:00

慢性期の脳卒中患者さんの歩行能力改善に必要なこと

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (
アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは慢性期の脳卒中患者さんの
歩行能力改善に必要なことを
解説したいと思います。

 

 

そこで今回はpangらの論文を
紹介したいと思います。

 

 

この研究では・・・
発症から1年以上を経過した50歳以上の
脳卒中患者さん63名が参加しました。


そして・・・
①脚のエクササイズ
②腕のエクササイズ
この2つのグループに分けられました。


脚のエクササイズは・・・
・有酸素運動
・バランストレーニング
・筋力トレーニング


腕のエクササイズは・・・
・肩の筋力トレーニング
・腕へ体重をかけるトレーニング
・手の筋力トレーニングと
 機能的トレーニング
 (ものを掴んで移動させる)
うまく手首が動かせない患者さんには
電気刺激が併用されました。


この2つのグループは・・・
1時間/回、週3回、19週間の
リハビリを行いました。

 

 

その結果の一部を紹介したいと思います。


脚のエクササイズを行ったグループは
エクササイズの前後の比較で
歩行距離、脚の筋力(左右とも)
バランス能力の有意な改善がみられました。


腕のエクササイズを行ったグループは
エクササイズの前後の比較で
歩行距離・バランス能力の有意な
改善がみられました。


そして歩行能力に改善には
・マヒしている脚の筋力
・全身持久力
この2つによって説明されるという
ことがわかりました。

 

 

この論文を読み、実際に現場で応用していく
ときに注意が必要だなと感じた点を
紹介したいと思います。


1つ目は・・・
歩行能力改善を100%とした場合に、
「マヒしている脚の筋力」
「全身持久力」
この2つで説明できるのは
22.9
%であることです。


残りの80%近くは
この2つの要因だけでは
説明ができないということです。


つまり、歩行能力改善には
他にも要因があるのではないか
ということが言えるかと思います。


2つ目は・・・
今回は各トレーニングの変化量の
差をみているため、各トレーニングに
よる効果の差は調査されていません。


そして何より、トレーニング方法によって
効果量(効果の大きさ)の違いが
どの程度あるのか気になるところです。

 

 

腕のエクササイズを行ったグループにも
歩行能力やバランス能力が変化した点は
興味深いなと感じました。

 

 

本コラムでは、
慢性期脳卒中患者さんの歩行能力改善に
必要なことを解説しました。


この論文は2008年の報告ですし、
1つの論文のみで判断するのは
危険なので似た論文を探し、
コラムに追記していきたいと思います。


本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(更新日:20221028)
(
執筆者:市川 貴章

 

 

参考文献
1)Pang MY, Eng JJ. Determinants of improvement
in walking capacity among individuals
with chronic stroke following
a multi-dimensional exercise program.
J Rehabil Med. 2008 Apr;40(4):284-90.
doi: 10.2340/16501977-0166.
PMID: 18382824.

 

 

 

 

2022-10-28 22:20:00

脳卒中患者さんのリハビリ!足関節の運動と電気刺激療法の効果

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは慢性期の脳卒中患者さんの
足関節の運動と電気刺激療法を併用した時の
効果についてを解説したいと思います。

 

 

今回はChoらの論文を
紹介したいと思います。

 

 

この研究では・・・
慢性期の脳卒中患者さん35名が参加し、
2つのグループに分けられました。

①足関節の運動と電気刺激療法:
足関節の動き(背屈・回内)に合わせて
電気刺激療法を実施するグループです。

※背屈とは、つま先をあげる動きです。
※回内とは、小指側をあげ、親指側を
      さげる足首をひねる動きです。

②電気刺激療法のみ実施するグループ


①、②のグループともに
90分/日の
標準的なリハビリテーションも
行われました。


足関節の運動は、機器を用いて受動的に
(機器に動かされて)行われました。


電気刺激療法は、
前脛骨筋・長腓骨筋など
足首をあげるときに働く筋肉に対して
実施されました。

 

 

その結果は・・・
足関節の運動と電気刺激を併用した
グループは足関節の筋力や可動域
(回内・回外)の改善が得られました。
(電気刺激療法のみと比べて)

※回内・回外ともに足首を
 ひねるような動きです。


さらにバランス能力や転倒恐怖感、
歩行速度、歩幅なども有意な改善が
得られることがわかりました。


ちなみに・・・
電気刺激のみのグループにも
バランス能力や歩幅の改善が
みられていました。

 

 

この論文では機器を用いていますが、
足関節の運動を「受動的」に行った場合でも
効果があったことは興味深いなと感じました。

 

 

本コラムでは、
慢性期脳卒中患者さんの足関節の運動と
電気刺激療法を併用した時の効果に
ついてを解説しました。


本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(更新日:2022年12月29日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Cho JE, Shin JH, Kim H.
Does electrical stimulation synchronized with
ankle movements better improve
ankle proprioception and gait kinematics
in chronic stroke? A randomized controlled study.
NeuroRehabilitation. 2022;51(2):259-269.
doi: 10.3233/NRE-220018.
PMID: 35527578; PMCID: PMC9535592.

 

 

 

 

2024.05.06 Monday