リハビリコラム
脳卒中患者さんのバランス能力と歩行速度の関係とは?
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。
本コラムでは脳卒中患者さんの
バランス能力と歩行速度の関係についてを
解説したいと思います!
今回はMiddletonらの論文を
ご紹介いたします。
この研究では・・・
脳卒中を発症し6ヶ月以上を
経過している患者さんが対象となりました。
①歩行速度を上げられるグループ
②歩行速度を上げられないグループ
この2つのグループに分けられ、
バランス能力や歩行速度などの
比較をしています。
※歩行速度を上げられるというのは
「普段通りの速度」「できるだけ速い速度」
この差が0.2m/秒以上ある場合と
定義しています。
その結果は・・・
歩行速度を上げられるグループは
バランス能力が高い(要因をもっている)
ということがわかりました。
つまり歩行速度を上げるためには、
バランス能力が影響することが
わかりました。
私が気になるところは・・・
歩行速度を計測する際、杖を使用した
人数が2グループ間で差があったことです。
歩行速度を上げられるグループに
杖の使用者が少なかったのです。
杖の使用人数になぜ差があったのか、
その要因を踏まえるとどのような結果に
なるのか気になります!
今回の論文でわかったこと、
それはバランス能力と歩行速度は
(少なからず)関係性があることです。
歩行能力の一指標である歩行速度。
速く歩けるだけでなく、バランスを
崩さずに安全に歩けることも
大切なことだと思います。
今回は、脳卒中の患者さんの
バランス能力と歩行速度の関係性を
解説しました。
本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(更新日:2022年12月29日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Middleton A, Braun CH, Lewek MD, Fritz SL.
Balance impairment limits ability to increase
walking speed in individuals with chronic stroke.
Disabil Rehabil. 2017 Mar;39(5):497-502.
doi: 10.3109/09638288.2016.1152603.
Epub 2016 Mar 13. PMID: 26972087;
PMCID: PMC5021555.