歩行専門の自費リハビリ施設「アルコネクト 」

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リハビリコラム

2022-10-08 14:41:00

パーキンソン病患者さんに対する理学療法の効果

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムではパーキンソン病患者さんの
理学療法の効果を解説したいと思います。


理学療法はリハビリの中の1つです。
他には作業療法、言語聴覚療法が
あります。

 

 

今回はRadderらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この研究では・・・
パーキンソン病患者さんに対する
理学療法に関する論文が集められました。



①従来の理学療法
②トレッドミルトレーニング、
③ダンス
④ノルディック ウォーキング、
⑤全身振動
⑥マッサージ
⑦筋力トレーニング、
⑧有酸素運動
⑨バランス練習
⑩歩行練習
など実施した内容で分類され、
それぞれの効果が
調査されました。

 

 

その結果・・・

①従来の理学療法

運動症状、歩行速度、
歩行率(1分あたりの歩数)、
転倒恐怖感、すくみ足などに
改善がみられました。


②筋力トレーニング

6分間歩行(歩行可能な距離)、
生活の満足度などに改善が
みられました。


③有酸素運動

運動症状、バランス能力、
6分間歩行などに改善が
みられました。


④バランス練習と歩行練習

運動症状、バランス能力、歩行速度、
ストライド長(2歩分の歩幅)などに
改善がみられました。


つまり、行う運動によって
期待できる効果が違うということです!


言い換えると目標によって運動の方法を
変えなくてはならないということです!

 

 

本コラムでは、
パーキンソン病患者さんに対する
理学療法の効果を解説しました。



本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年10月8日)
(更新日:2022年12月23日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)DLM, Lígia Silva de Lima A,
Domingos J, Keus SHJ, van Nimwegen M,
Bloem BR, de Vries NM.
Physiotherapy in Parkinson's Disease:
A Meta-Analysis of Present Treatment Modalities.
Neurorehabil Neural Repair.
2020 Oct;34(10):871-880.
doi: 10.1177/1545968320952799.
Epub 2020 Sep 11.
PMID: 32917125; PMCID:
PMC7564288.

 

 

 

 

2022-10-07 20:02:00

神経性跛行のある患者さんに対するリハビリの効果

 

こんばんは!
東京都北区にある歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT(アルコネクト)代表 市川です!

 

 

本コラムでは神経性跛行のある患者さんに
対するリハビリの効果を
解説したいと
思います。

 

 

 1.神経性跛行(はこう)とは?

 

跛行とは聞き慣れない用語ですが、
”歩く姿が崩れてしまうこと”を言います。

 

神経性跛行がみられる代表的な病気として
脊柱管狭窄症があります。


脊柱管狭窄症の患者さんは
立ったり、
歩いたりすると神経が圧迫され、
痛みやシビレが悪化し、長い距離を
歩けなくなることがあります。


しかし座って休んだり、前かがみになると
症状が緩和され、歩くことができるように
なります。


このように歩行によって症状が悪化し、
休憩することで改善するのを
間欠性跛行とよびます。


その間欠性跛行には血管性と神経性の
2つの原因が存在します。


神経性跛行は神経が原因で生じる
間欠性跛行ということです。

 

 

2.神経性跛行に対するリハビリ

 

Williamsonらは神経性跛行に対する
リハビリの効果を検証しています。


検証するため、参加した患者さんは
2つのグループに分けられました。


①BOOSTプログラムグループ
(運動+認知行動療法+自主トレ)


②BPAグループ
(個別のアドバイス+自主トレ)

 

 

その結果、
BOOSTプログラムを行ったグループは
(
BPAグループよりも)
歩行距離、身体機能などの
改善がみられると報告しています。

 

 

3.まとめ

筋力トレーニング、歩行練習などの
リハビリだけでなく、プログラムを継続する
サポートも重要なのかも知れません。


本コラムでは、神経性跛行のある
患者さんに対するリハビリの効果を
解説しました。



皆さまの何かのお役に立てましたら
幸いです。



最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年10月7日)
(更新日:2023年3月14日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Williamson E, Boniface G, Marian IR at al;
The Clinical Effectivenessof a Physiotherapy
Delivered Physical and
Psychological Group
Intervention for Older Adults 
With
Neurogenic Claudication:

The BOOST Randomized Controlled Trial.
J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2022 Aug
12;77(8):1654-1664. doi: 10.1093/gerona/glac063.
PMID: 35279025; PMCID: PMC9373932.

 

 

 

 

2022-10-01 14:55:00

軽度・中等度のパーキンソン病の患者さんが行うトレーニング~どんな効果がある?~

 

こんばんは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは軽度・中等度の
パーキンソン病患者さんの
トレーニングの効果についてを
解説したいと思います。

 

 

今回はSchenkmanらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この研究では・・・
Hoehn&Yahrステージ1~3の
パーキンソン病患者さん121名が
参加しました。


Hoehn&Yahrステージというのは
1~5までの5段階あり、症状の
重症度を評価するものです。
”ホー(エ)ン・ヤール”と読みます。


Hoehn&Yahrステージ1~3というと
軽度・中等度の症状の方が該当します。


参加された方には、

①FBFグループ
→柔軟体操・バランストレーニング

②AEグループ
→トレッドミル・自転車での有酸素運動

③自宅でのトレーニンググループ
→National Parkinson Foundation Fitness
  Countsプログラムを実施。

この3つのグループに振り分けられました。

 

 

トレーニングの効果を調査するために、

①Continuous Scale-Physical

   Functional Performance [CS-PFP]
   :全体的な身体機能

②Functional Reach Test[FRT]
   :バランス能力

③酸素摂取量:歩行の効率

④Unified Parkinson's Disease
   Rating Scale [UPDRS] の
 日常生活動作(ADL)・運動症状

⑤PDQ-39:生活の満足度

①~⑤の検査がトレーニング前後で
行われました。

 

 

その結果・・・
①FBFグループ
 ・CS-PFP(身体機能)が向上
 ・UPDRS-ADL(日常生活動作)が改善

②AEグループ➔最大酸素摂取量が向上


つまり・・・
身体機能を改善には、
柔軟体操・バランストレーニング

歩行効率を改善には、
有酸素トレーニングが有効である
可能性が高いということが言えます。


目標やお悩みに合わせたトレーニングが
必要ということですね!

 

 

今回は紹介していないのですが、
理学療法の効果を検証した論文もあります。
どのようなトレーニングを行うと
どのような効果が期待できるのかが
より詳細にまとめられています!
(今度、紹介させていただきますね!)

 

 

本コラムでは、
軽度・中等度のパーキンソン病患者さんの
トレーニングの効果を解説しました。



本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年10月1日)
(更新日:2023年12月4日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Schenkman M, Hall DA, Barón AE,
Schwartz RS,Mettler P, Kohrt WM.
Exercise for people in early- or
mid-stage Parkinson disease:
a 16-month randomized controlled trial.
Phys Ther. 2012 Nov;92(11):1395-410.
doi: 10.2522/ptj.20110472. Epub 2012 Jul 19.
PMID: 22822237; PMCID: PMC3488266.

 

 

 

 

2022-09-30 16:15:00

パーキンソン病の重症度と移動能力との関係性

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムではパーキンソン病患者さんの
重症度と移動能力との関係性を
解説したいと思います。

 

 

今回はMollàらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この研究では・・・
パーキンソン病患者さんを対象として、
重症度(Hoehn&Yahrステージ)、
移動能力が検査され、スマートフォン
搭載のセンサーが腰に装着されました。


※Hoehn&Yahrステージとは?
1~5までの5段階あり、症状の
重症度を評価するものです。
改良された修正版も開発されています。
ちなみに”ホー(エ)ン・ヤール”と
読みます。
この研究にはステージ1~3の患者さんが
(軽度〜中等度)参加しています。


※移動能力の検査とは?
①腕は体の横につけ、30 秒間静止
②音が鳴ったらで 3 m 離れた椅子に向かい
 できるだけ速く真っ直ぐ歩く
向きを変えてイスに座る
④イスから立ち上がる
⑤できるだけ速くスタート地点まで戻る

この①~⑤の手順を行い測定されています。

移動能力の検査時に
・姿勢制御(バランスのとり方)
・座ったとき・立ち上がるときの力
・時間(所要時間・反応時間)が
センサーで測定されました。

 

 

その結果・・・
重症度によって、バランスのとり方、
座ったとき・立ち上がる時の力、
所要時間・反応時間に違いが見られる
ことがわかりました。

 

 

Hoehn&Yahrステージは
重症度をみるものですが、
パーキンソン病の症状は
多岐にわたります。


重症度を分類するだけでは、
現在どのような状態なのか詳しいことは
分かりません。
しかし重症度に応じた移動能力の関係性が
わかることでリハビリの戦略も
立てやすいなと感じました。

 

本コラムでは
パーキンソン病患者さんの重症度と
移動能力との関係性を解説しました。



本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年9月30日)
(更新日:2023年6月18日)

(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Mollà-Casanova S, Pedrero-Sánchez J,
Inglés M, López-Pascual J, Muñoz-Gómez E,
Aguilar-Rodríguez M,
Sempere-Rubio N, Serra-Añó P. Impact of
Parkinson's Disease on Functional Mobility
at Different Stages.
Front Aging Neurosci. 2022 Jun
15;14:935841. doi:

 

 

 

 

2022-09-29 16:51:00

パーキンソン病患者さんのサルコペニアと転倒との関係

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムではパーキンソン病患者さんの
サルコペニアと転倒との関係性を
解説したいと思います。

 

 

今回はLimaらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この研究では・・・
パーキンソン病患者さん218名が
参加しました。


※サルコペニアとは?
加齢や栄養不足などによって
筋肉量が減少することです。


サルコペニアを評価する方法の1つに
「SARC-F」があります。


そのSARC-Rを研究参加者の半数以上の
121名がサルコペニア(疑い)陽性と
判定されました。


さらに、
転倒はSARC-F・パーキンソン病の
発症からの期間が関係することが
わかりました。

 

 

今回、オッズ比(OR)を用いて
影響の大きさをみているのですが、

①SARC-F:
OR1.87(1.02–3.41)

②発症からの期間:OR1.10(
1.05–1.15)


※( )の中の数字は95%信頼区間であり、
オッズ比の場合、1をまたぐか否かが
大切な判断基準になります。
(またぐ場合は影響があると言えない)


SARC-Fはサルコペニアのスクリーニングの
(ふるい分け)検査です。
診断を確定するためには握力・歩行速度など
検査の追加が必要です。

 

 

今回の論文ではサルコペニアを
改善することで転倒を減らせるか
どうかまではわかりません。
また転倒の原因はサルコペニア以外にも
あります。


それでもパーキンソン病患者さんの
転倒予防を考える上で参考になるのでは
ないかと思っています。

 

 

本コラムでは
パーキンソン病患者さんのサルコペニアと
転倒との関係を解説しました。



本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年9月29日)
(更新日:2022年12月31日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Lima DP, de Almeida SB, Bonfadini JC,
de Luna JRG, de Alencar MS, Pinheiro-Neto EB,
Viana-Júnior AB, Veras SRO, Sobreira-Neto MA,
Roriz-Filho JS, Braga-Neto P.
Clinical correlates of sarcopenia and falls
in Parkinson's disease.
PLoS One. 2020 Mar 19;15(3):e0227238. doi:
10.1371/journal.pone.0227238.
PMID: 32191713; PMCID: PMC7082018.

 

 

 

 

2024.05.06 Monday