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リハビリコラム

2024-06-13 10:55:00

知っておきたい! 転倒の原因とその対策

 

こんにちは!
アルコネクト代表の市川です!

 

 

今回のテーマは『転倒』です。


厚生労働省の調査によれば、骨折・転倒は、介護が必要となった原因の上位を占めます。


転倒の主な原因は・・・

①転倒した経験がある (転倒歴)
②転倒恐怖感
③認知機能低下
バランス低下
フレイル などが影響すると言われます。

※フレイルとは・・・
年齢を重ね、心身機能が低下した状態


さらに高齢の方では・・・

①経済的状況
②聴覚障害
③視覚障害
④社会活動の減少
⑤身体活動量の低下
⑥うつ病 なども影響があると言われます。

転倒には、様々な背景があることが
わかります。

 

 

今回は『転倒恐怖感』に焦点を当て、
話を進めたいと思います。


転倒恐怖感とは、その言葉の通り
『転びそうで怖い
』ことです。


厄介なのは転倒の要因になるだけでなく、
生活の質(QOL)にまで影響があることです。


ではどうしたら転倒恐怖感を減らせるのか?


その1つが『運動』です!


kunarらによると・・・

太極拳・ヨガ、歩行練習・バランス練習、
筋力トレーニングなどを行うことによって、
転倒恐怖感を減らせると報告されています。


Kpらによると・・・

Otago exercise program(OEP)と
体幹トレーニングを行うことで、
バランスや転倒恐怖感を改善できたと
報告しています。


ちなみに・・・
OEPとは、筋トレとバランス練習を行う
運動プログラムのことです。


つまり、運動を行うと身体機能を高め、
転倒恐怖感を減らせる
ことがわかります。

 

 

しかし・・・
運動直後は効果がみられるものの、
時間経過にしたがってその効果は、
薄れてしまうと言われています。


Ambrensらによれば・・・

エクサゲームを行うことで、バランス能力は
改善したものの、転倒恐怖感は少なく
できなかったとしています。


※エクサゲームとは・・・
テレビゲームを用いた運動のことです。


このことを踏まえると・・・
・どんな運動を行うのか?
・運動を続けること
・転倒のリスク要因の評価を行うこと


この3点はポイントかなと思います。

 

 

冒頭でお話しましたとおり、
転倒する原因は1つだけではありません。


低リスク・中リスク・高
リスクと分け、
それぞれで対策を変える必要があるのでは?
と考えています。


健康教室・介護予防教室などの取り組みの
重要性が周知されるとともに、社会全体で、
『転倒予防』に取り組んでいくことが
必要なのではないでしょうか。


転倒予防のコラムはこちら>>

 

 

本コラムが、少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

【参考文献】 

1)Kendrick et al.Exercise for reducing fear of falling inolderpeople living in the community. Cochrane Database Syst Rev.
Nov 28 2014;(11):CD009848.doi:10.1002/14651858.CD009848.pub2

2)厚生労働省 国民生活基礎調査(令和元年)(2022年3月20日閲覧)

3)厚生労働省 我が国の人口について(2022年3月20日閲覧)


4)Mehta, Jignasa et al. “Visual risk factors for falls in older adults: a case-control study.” BMC geriatrics vol. 22,1 134. 17 Feb. 2022, doi:10.1186/s12877-022-02784-3


5)Jaatinen R, Luukkaala T, Hongisto MT, Kujala MA, Nuotio MS. Factors associated with and 1-year outcomes of fear of falling in a geriatric post-hip fracture assessment.
Aging Clin Exp Res. 2022 Sep;34(9):2107-2116. doi: 10.1007/s40520-022-02159-z. Epub 2022 Jun 21. PMID: 35727456; PMCID: PMC9464161.



6)Kumar, Arun et al. “Exercise for reducing fear of falling in older people living in the community: Cochrane systematic review and meta-analysis.
” Age and ageing vol. 45,3 (2016): 345-52. doi:10.1093/ageing/afw036



7)Kp, Nimmi et al. “Comparison of effects of Otago exercise program vs gaze stability exercise on balance and fear of fall in older adults: A randomized trial.
” Medicine vol. 103,23 (2024): e38345. doi:10.1097/MD.0000000000038345



8)Ambrens, Meghan et al. “Effect of eHealth-delivered exercise programmes on balance in people aged 65 years and over living in the community:
a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials.” BMJ open vol. 12,6 e051377. 10 Jun. 2022, doi:10.1136/bmjopen-2021-051377

 

 

 

 

2024-04-22 21:19:00

どうしたら良いの?転倒予防

こんにちは!
アルコネクトの代表市川です!

 

 

国内で1,213 万人が転倒し、
そのおよそ5%に骨折がみられると
日本理学療法士協会の発行する冊子
(理学療法ハンドブック18転倒予防)に
書かれています。

 

 

転倒を起こしやすい原因は、
・転倒歴(転倒したことがある)
・転倒恐怖感
・認知機能低下
・バランス低下
・フレイルなどが考えられています。


※フレイルとは年齢を重ねることによって
 心身機能が低下した状態のことです。


転倒恐怖感の詳細はこちら
知っておきたい! 転倒の原因とその対策>>

 

 

人工関節置換術の受けた患者さんの
13.1%は転倒し、その原因として
転倒歴の影響が大きいとされています。

 

 

さらに身体機能低下している高齢者
(虚弱高齢者)の場合は、転倒恐怖感が高く、
転倒した経験や転倒回数が多いことで、
さらに恐怖感が増すと言われています。
この転倒恐怖感、厄介なのが転倒の
要因だけでなく、生活の質(QOL)まで
影響があることです。

 

 

転倒に対する不安を紐解いていくと、
転倒恐怖感や自己効力感(転ばない自信)、
バランス能力などと関係がある
(弱い相関)とも言われています。

 

 

転倒を減らすための方法として、
・運動
・薬物療法
・環境整備
・心理社会的な介入などがあります。

それらを組み合わせて効果を
検証している論文もあります。

今回は、この中でも運動に
焦点を当てたいと思います。

 

 

運動による転倒予防に関する報告は様々です。


・転倒予防の効果があるものの、その効果は
 介入直後に
限定され、長期的にみると
 効果がみられない。


・身体機能向上が見られるものの、
 転倒予防には至らなかった。


・認知機能低下がある場合は、
 転倒リスク軽減や歩行能力向上が
得られたが、
   転倒数や転倒率は変化が見られなかった。

 

 

集団アプローチでの介入では、
エビデンスが非常に低いと判断され、
効果がいまいちと思われます。

 

 

以上のように運動による転倒予防効果は
まだまだ実証されて
おらず、
効果があったとしても限定的です。

 

 

ただ否定的な意見だけではありません。


ニュージーランドで開発された
オタゴ運動プログラム(通称OEP)を
実施することで、バランス能力や歩行速度、
転倒への自己効力感(転ばない自信)が
向上すると言われています。

 

 

また転倒恐怖感に対する介入として、
TVゲームを用いた運動や身体活動量を
増やすことで(座っている時間を減らす)
改善がみられるとしています。

 

 

一方で、パーキンソン病の患者さんに対して
The Johns Hopkins Fall Risk Assessment Tool
( JHFRAT)スケールのスコアを用いて、転倒に
関して低リスク・中等度リスク・高リスクと
分類し、その状況に合わせた対応(転倒予防)が
提案されています。

 

 

研究間で報告が異なるのは、転倒に関する
リスクの層別化が図られていないことや、
転倒に要因が多岐に渡ることが
影響しているのではと思います。

 

転倒率が高いと判断された場合には、
(転倒率が低いと判断された場合に比較して)
運動の効果が得られることからも、
層別化した上で、予防策も合せなくては
ならないということかも知れません。

 

ある程度スクリーニングをかけた上で、
個別で対応しなければならないのか、
集団アプローチで対応可能のかを見極めることも
大切なのかなと考えています。

 

 

本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

参考文献】 

1)Yang, Z-C et al.
“Frailty Is a Risk Factor for Falls inthe Older
Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis.
” The journal of nutrition, health & aging 
vol. 27,6 (2023): 487-595.
doi:10.1007/s12603-023-1935-8

 

2)Li, Ying et al. “Risk factors for falls
among community-dwelling older adults:
A systematic review and meta-analysis.” 
Frontiers in medicine vol. 9 1019094. 6
Jan. 2023, doi:10.3389/fmed.2022.1019094

 

3)Liu, Yang et al. “A systematic review
and meta-analysis of fall incidence and
risk factors in elderly patients after
total joint arthroplasty.” Medicine vol. 99,50
(2020): e23664. doi:10.1097/
MD.0000000000023664

 

4)Schoene, Daniel et al.
“A systematic review on the influence
of fear of falling on quality of life in older people:
is there a role for falls?.” Clinical interventions
in aging vol. 14 701-719. 24 Apr. 2019,
doi:10.2147/CIA.S197857

 

5)Payette, Marie-Christine et al.
“Fall-Related Psychological Concerns and
Anxiety among Community-Dwelling
Older Adults: Systematic Review and
Meta-Analysis.” PloS one vol. 11,4
e0152848. 4 Apr. 2016, doi:10.1371
/journal.pone.0152848

 

6)Kumar, Arun et al.
“Exercise for reducing fear of falling
in older people living in the community:
Cochrane systematic review and meta-analysis.
” Age and ageing vol. 45,3 (2016): 345-52.
doi:10.1093/ageing/afw036

 

7)Hager, Anne-Gabrielle Mittaz et al.
“Partially supervised exercise programmes
for fall prevention improve physical
performance of older people at risk of falling:
a three-armed multi-centre randomised
controlled trial.” BMC geriatrics vol. 24,1 311.
3 Apr. 2024, doi:10.1186/s12877-024-04927-0

 

8)Racey, M et al.
“Fall prevention in community-dwelling
adults with mild to moderate cognitive
impairment: a systematic review and
meta-analysis.” BMC geriatrics 
vol. 21,1 689. 10 Dec. 2021,
doi:10.1186/s12877-021-02641-9

 

9)Lewis, Sharon R et al.
“Population-based interventions
for preventing falls and fall-related
injuries in older people.” 
The Cochrane database of systematic
reviews vol. 1,1 CD013789. 5 Jan. 2024,
doi:10.1002/14651858.CD013789.pub2

 

10)Yang, Yi et al.
“The impact of Otago exercise
programme on the prevention of
falls in older adult: A systematic review.
” Frontiers in public health vol. 10 953593.
20 Oct. 2022, doi:10.3389/fpubh.2022.953593

 

11)Zahedian-Nasab, Noorolla et al.
“Effect of virtual reality exercises on
balance and fall in elderly people
with fall risk: a randomized controlled trial.
” BMC geriatrics vol. 21,1 509. 25 Sep.
2021, doi:10.1186/s12877-021-02462-w

 

12)Liu, Wen-Yi et al.
“Systematic review for the prevention
and management of falls and fear of f
alling in patients with Parkinson's disease.
” Brain and behavior vol. 12,8 (2022):
e2690. doi:10.1002/brb3.2690

 

 

 

 

2024-04-12 17:39:00

やり方で効果が違う!? スクワットの正しい方法とは?

 

 

アルコネクト代表
市川です!

 

 

足を鍛える運動として知られている
スクワットですが、
調べてみると
いろいろな方法があって何が
正しいのかわからないですよね

 

 

実は今月はじめ、Rachelらの論文
"スクワットの生体力学的レビュー"が
公表されました。


論文には、スクワットの知見から
現場の応用まで
書かれており、
とても参考になりました。



論文を読み、私が特に大切だと
思った3つのポイントを
お話したいと思います。


①腰の伸び具合
②体幹と脛骨(すねの骨)の傾斜
③両足の広さ

順を追って説明したいと思います!

 

 

① 腰の伸び具合


体を曲げたままで行うと、腰への負担が
増えると言われています。
腰の痛めないためにも、伸ばすように
意識するのがポイントです。

(伸ばしすぎにも注意です。)

 

 

 

② 体幹と脛骨(すねの骨)の傾斜

 
体幹と脛骨(すねの骨)の傾斜を
一致させると股関節伸展筋(おしり)と
膝関節伸展筋(太ももの前側)を
バランスよく鍛えることができます。


ちなみに傾斜が
体幹>脛骨であれば股関節伸展筋(おしり)
脛骨>体幹であれば膝関節伸展筋
(太ももの前側)が働きやすいと言われています。


鍛える筋肉を絞りたい場合や、傷害の
二次予防を考える場合は、分けて
行った方が良いときもあります。

 

③ 両足の広さ


 

両足の幅は、肩幅よりも少し
広めがおすすめです!
広めにすることで大殿筋(おしり)や
内転筋群(内もも)が働きやすくなると
言われているからです。

 

 

※もう一つ挙げるとすれば「速度」です。
 実は脳卒中患者さんの場合、速度にも
 注意しましょうという論文があります。

 

 

膝が痛いのか?
膝の靭帯を
損傷しているのか?
症状や
疾患に合わせて、スクワットの
方法を
変えることで、実施時のリスクを
抑えることができます。

 

 

 

当施設で行っているリハビリ場面です。



股関節の運動を意識するために、
サポートを行いながら実施している場面です。


スクワットは筋力をつけるイメージが
ありますが、
脳卒中の患者さんの歩行で
みられる
膝の過伸展に対しても、効果が
期待できると
Geerarsらによって
報告されています

 

 

本コラムが少しでも皆さまの
お役に
立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

参考文献】 

1)Straub, Rachel K, and Christopher M Powers.
“A Biomechanical Review of the Squat Exercise:
Implications for Clinical Practice.” International
journal of sports physical therapy
vol. 19,4 490-501. 1 Apr. 2024,
doi:10.26603/001c.94600


2)Geerars, Marieke et al.
“Treatment of knee hyperextension
in post-stroke gait. A systematic review.
” Gait & posture vol. 91 (2022): 137-148.
doi:10.1016/j.gaitpost.2021.08.016

 

 

 

 

2022-03-19 17:57:00

転倒の恐怖感に対する運動の効果

 

歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

「転ぶのが怖い」
「転びたくないから外に出たくない」
実際に患者さんから伺ったことです。


一度転ぶ経験をしてしまうと
余計に恐怖を感じてしまうものでは
ないでしょうか。

 

 

本コラムでは転倒の恐怖感に対する
運動の効果を
解説したいと思います。


転倒恐怖感の最新版はこちら>>

 

 

今回はKendrickらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

今回の研究では65歳以上で、
過去に脳卒中の発症、骨折を
経験したことのない方が参加しました。


実施された運動には筋力トレーニングや
有酸素運動、バランス練習など
様々な方法が行われていました。

 

 

その結果・・・
運動を行うと運動直後から転倒恐怖感を
減らせることが明らかになりました。


しかし・・・
運動実施後、日にちが経過すると
運動の効果も徐々に少なくなると
いうこともわかっています。

 

 

2025年には、団塊の世代が
75歳以上になります。
>>厚生労働省 我が国の人口について


厚生労働省の国民生活基礎調査に
よると、骨折・転倒は介護が必要になった
原因の上位を占めています(2位または3位)。
>>厚生労働省 2019年国民生活基礎調査
(Ⅳ介護状況のファイルを開くと
ご覧になれます)


この2つのことを踏まえると、
今後骨折・転倒によって介護が
必要になる方がますます増えてくることが
予想できるのではないでしょうか。

 

 

「転倒を減らすこと」
単純なことではないのかもしれませんが、
重要な社会的な課題と認識しています。

 

 

私の考えですが・・・
①筋力やバランス能力など身体機能が変化
②転倒恐怖感が高まる
③活動量が減少
④転倒しやすい状態になる
⑤転倒する

以上の流れで、転倒が発生していると
考えています。


転倒を経験すると、さらに転倒恐怖感が
高まり、活動量も少なくなって転倒しやすい
状態となる負の連鎖が生じると思われます。
その負の連鎖をどこかで断ち切らないと
いけません。

 

 

以前、コラムに書いておりますが、
運動には転倒予防の効果もあります!

>>転倒は運動で予防できる!?

 

 

Kendrickらの論文では、
転倒の恐怖感に対する運動の効果が
あると思われますが、課題になるのが
効果の持続性です。


そのため、身体機能に合わせて、
運動を「継続的に」行うことが
必要なのかも
しれません。
効果がすぐに表れない場合もあるため、
「継続性」も課題の1つかなと
認識しています。


運動も大切ですが、活動量を
確保する視点も大切だなと現場で
実感しています。

 

 

本コラムでは転倒の恐怖感に対する
運動の効果を
解説しました。


皆さまの何かのお役に立てましたら
とても嬉しいです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年6月14日)
(更新日:2023年3月3日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Kendrick D, Kumar A, Carpenter H,et al.
Exercise for reducing fear of falling inolder
people living in the community. 
Cochrane Database Syst Rev.
Nov 28 2014;(11)
:CD009848.
doi:10.1002/14651858.CD009848.pub2

2)厚生労働省 国民生活基礎調査(令和元年)
(2022年3月20日閲覧
)

3)
厚生労働省 我が国の人口について
(2022年3月20日閲覧
)

 

 

 

 

2022-03-12 13:52:00

素朴な疑問!転倒を運動で予防できるのか?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT(アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本日は転倒を運動で予防できるのかを
解説したいと思います!

 

 

私が病院に勤めていた頃・・・
「転ぶの怖くて動くのがおっくう」
「また転ばないか心配」などの
不安を患者さんから伺うことが
ありました。


不安や心配が少なくなり、
転倒を事前に防げたら良いのにな
と日頃から思っていました。

 

 

転倒予防のために運動を勧められることが
ありますが、本当に効果があるのでしょうか?


その疑問に答えたSherringtonらの
論文を紹介したいと思います!

 

 

この論文では・・・
60歳以上の方を対象として、
筋力トレーニング、有酸素運動、
バランス練習などの運動によって
転倒を予防できるのかを調査されました。

 

 

その結果・・・
運動を行うことで
(運動を行わない場合に比べ)
転倒率や転倒者の
人数を減らせる
ことがわかりました。


しかし・・
75歳以上の方では、

運動を行う場合と運動を行わない場合を
比較したときに転倒率が変わらないという
結果でした。


※転倒率とは?
〇〇さんが一年間で転倒した数です。


※転倒者の人数とは?
〇〇さん、△△さん、▢▢さん・・・・
のように転んだ方を合計した人数です。

 

 

運動の方法としては・・・
歩行練習、バランス練習、太極拳が
効果的であったと報告しています。


太極拳がばっちりできる方は
そもそも転倒しにくい気も
しますが・・・。

 

 

転倒の要因は様々です。
要因によっては運動のみでは
解決が難しいこともあるかも
知れません。


住み慣れた環境を変えるのはとても
勇気がいることですが、手すりの設置や
段差解消など生活環境の変更も
必要な場合もあります。

 

 

今回の論文では、脳卒中や
骨折した患者さんは参加していません。

疾患によって転倒の要因も違い、
対処法も変える必要もあるかも知れません。

 

 

本日は転倒を運動で
予防できるのかを解説しました。


本コラムが皆さまの何かのお役に
立てましたら嬉しいです。


最後までお読み下さり、
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年5月31日)
(更新日:2023年2月17日)
(執筆者:市川 貴章)

 

 

参考文献

1)Sherrington C, Fairhall NJ,Wallbank GK, et al.
Exercise for preventing falls in olderpeople
living in the community.
Cochrane Database Syst Rev. Jan 31
2019;1:CD012424.doi:10.1002/14651858.
CD012424.pub2

 

 

 

 

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2024.07.27 Saturday