歩行専門の自費リハビリ施設「アルコネクト 」

”歩行専門”の自費リハビリ施設 「アルコネクト」

~維持ではなく改善を目指すリハビリを追求~

営業時間:10:00~18:00

定休日:水曜日 ・ 日曜日
 03-6693-0966
お問い合わせ

リハビリコラム

2024-04-12 17:39:00

やり方で効果が違う!? スクワットの正しい方法とは?

 

 

アルコネクト代表
市川です!

 

 

足を鍛える運動として知られている
スクワットですが、
調べてみると
いろいろな方法があって何が
正しいのかわからないですよね

 

 

実は今月はじめ、Rachelらの論文
"スクワットの生体力学的レビュー"が
公表されました。


論文には、スクワットの知見から
現場の応用まで
書かれており、
とても参考になりました。



論文を読み、私が特に大切だと
思った3つのポイントを
お話したいと思います。


①腰の伸び具合
②体幹と脛骨(すねの骨)の傾斜
③両足の広さ

順を追って説明したいと思います!

 

 

① 腰の伸び具合


体を曲げたままで行うと、腰への負担が
増えると言われています。
腰の痛めないためにも、伸ばすように
意識するのがポイントです。

(伸ばしすぎにも注意です。)

 

 

 

② 体幹と脛骨(すねの骨)の傾斜

 
体幹と脛骨(すねの骨)の傾斜を
一致させると股関節伸展筋(おしり)と
膝関節伸展筋(太ももの前側)を
バランスよく鍛えることができます。


ちなみに傾斜が
体幹>脛骨であれば股関節伸展筋(おしり)
脛骨>体幹であれば膝関節伸展筋
(太ももの前側)が働きやすいと言われています。


鍛える筋肉を絞りたい場合や、傷害の
二次予防を考える場合は、分けて
行った方が良いときもあります。

 

③ 両足の広さ


 

両足の幅は、肩幅よりも少し
広めがおすすめです!
広めにすることで大殿筋(おしり)や
内転筋群(内もも)が働きやすくなると
言われているからです。

 

 

※もう一つ挙げるとすれば「速度」です。
 実は脳卒中患者さんの場合、速度にも
 注意しましょうという論文があります。

 

 

膝が痛いのか?
膝の靭帯を
損傷しているのか?
症状や
疾患に合わせて、スクワットの
方法を
変えることで、実施時のリスクを
抑えることができます。

 

 

 

当施設で行っているリハビリ場面です。



股関節の運動を意識するために、
サポートを行いながら実施している場面です。


スクワットは筋力をつけるイメージがありますが、
脳卒中の患者さんの歩行でみられる
膝の過伸展に対しても、効果が期待できると
Geerarsらによって報告されています

 

 

本コラムが少しでも皆さまの
お役に
立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

参考文献】 

1)Straub, Rachel K, and Christopher M Powers.
“A Biomechanical Review of the Squat Exercise:
Implications for Clinical Practice.” International
journal of sports physical therapy
vol. 19,4 490-501. 1 Apr. 2024,
doi:10.26603/001c.94600


2)Geerars, Marieke et al.
“Treatment of knee hyperextension
in post-stroke gait. A systematic review.
” Gait & posture vol. 91 (2022): 137-148.
doi:10.1016/j.gaitpost.2021.08.016

 

 

 

 

2022-03-19 17:57:00

転倒の恐怖感に対する運動の効果

 

歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

「転ぶのが怖い」
「転びたくないから外に出たくない」
実際に患者さんから伺ったことです。


一度転ぶ経験をしてしまうと
余計に恐怖を感じてしまうものでは
ないでしょうか。

 

 

本コラムでは転倒の恐怖感に対する
運動の効果を
解説したいと思います。

 

 

今回はKendrickらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

今回の研究では65歳以上で、
過去に脳卒中の発症、骨折を
経験したことのない方が参加しました。


実施された運動には筋力トレーニングや
有酸素運動、バランス練習など
様々な方法が行われていました。

 

 

その結果・・・
運動を行うと運動直後から転倒恐怖感を
減らせることが明らかになりました。


しかし・・・
運動実施後、日にちが経過すると
運動の効果も徐々に少なくなると
いうこともわかっています。

 

 

2025年には、団塊の世代が
75歳以上になります。
>>厚生労働省 我が国の人口について


厚生労働省の国民生活基礎調査に
よると、骨折・転倒は介護が必要になった
原因の上位を占めています(2位または3位)。
>>厚生労働省 2019年国民生活基礎調査
(Ⅳ介護状況のファイルを開くと
ご覧になれます)


この2つのことを踏まえると、
今後骨折・転倒によって介護が
必要になる方がますます増えてくることが
予想できるのではないでしょうか。

 

 

「転倒を減らすこと」
単純なことではないのかもしれませんが、
重要な社会的な課題と認識しています。

 

 

私の考えですが・・・
①筋力やバランス能力など身体機能が変化
②転倒恐怖感が高まる
③活動量が減少
④転倒しやすい状態になる
⑤転倒する

以上の流れで、転倒が発生していると
考えています。


転倒を経験すると、さらに転倒恐怖感が
高まり、活動量も少なくなって転倒しやすい
状態となる負の連鎖が生じると思われます。
その負の連鎖をどこかで断ち切らないと
いけません。

 

 

以前、コラムに書いておりますが、
運動には転倒予防の効果もあります!

>>転倒は運動で予防できる!?

 

 

Kendrickらの論文では、
転倒の恐怖感に対する運動の効果が
あると思われますが、課題になるのが
効果の持続性です。


そのため、身体機能に合わせて、
運動を「継続的に」行うことが
必要なのかも
しれません。
効果がすぐに表れない場合もあるため、
「継続性」も課題の1つかなと
認識しています。


運動も大切ですが、活動量を
確保する視点も大切だなと現場で
実感しています。

 

 

本コラムでは転倒の恐怖感に対する
運動の効果を
解説しました。


皆さまの何かのお役に立てましたら
とても嬉しいです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年6月14日)
(更新日:2023年3月3日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Kendrick D, Kumar A, Carpenter H,et al.
Exercise for reducing fear of falling inolder
people living in the community. 
Cochrane Database Syst Rev.
Nov 28 2014;(11)
:CD009848.
doi:10.1002/14651858.CD009848.pub2

2)厚生労働省 国民生活基礎調査(令和元年)
(2022年3月20日閲覧
)

3)
厚生労働省 我が国の人口について
(2022年3月20日閲覧
)

 

 

 

 

2022-03-12 13:52:00

素朴な疑問!転倒を運動で予防できるのか?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT(アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本日は転倒を運動で予防できるのかを
解説したいと思います!

 

 

私が病院に勤めていた頃・・・
「転ぶの怖くて動くのがおっくう」
「また転ばないか心配」などの
不安を患者さんから伺うことが
ありました。


不安や心配が少なくなり、
転倒を事前に防げたら良いのにな
と日頃から思っていました。

 

 

転倒予防のために運動を勧められることが
ありますが、本当に効果があるのでしょうか?


その疑問に答えたSherringtonらの
論文を紹介したいと思います!

 

 

この論文では・・・
60歳以上の方を対象として、
筋力トレーニング、有酸素運動、
バランス練習などの運動によって
転倒を予防できるのかを調査されました。

 

 

その結果・・・
運動を行うことで
(運動を行わない場合に比べ)
転倒率や転倒者の
人数を減らせる
ことがわかりました。


しかし・・
75歳以上の方では、

運動を行う場合と運動を行わない場合を
比較したときに転倒率が変わらないという
結果でした。


※転倒率とは?
〇〇さんが一年間で転倒した数です。


※転倒者の人数とは?
〇〇さん、△△さん、▢▢さん・・・・
のように転んだ方を合計した人数です。

 

 

運動の方法としては・・・
歩行練習、バランス練習、太極拳が
効果的であったと報告しています。


太極拳がばっちりできる方は
そもそも転倒しにくい気も
しますが・・・。

 

 

転倒の要因は様々です。
要因によっては運動のみでは
解決が難しいこともあるかも
知れません。


住み慣れた環境を変えるのはとても
勇気がいることですが、手すりの設置や
段差解消など生活環境の変更も
必要な場合もあります。

 

 

今回の論文では、脳卒中や
骨折した患者さんは参加していません。

疾患によって転倒の要因も違い、
対処法も変える必要もあるかも知れません。

 

 

本日は転倒を運動で
予防できるのかを解説しました。


本コラムが皆さまの何かのお役に
立てましたら嬉しいです。


最後までお読み下さり、
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年5月31日)
(更新日:2023年2月17日)
(執筆者:市川 貴章)

 

 

参考文献

1)Sherrington C, Fairhall NJ,Wallbank GK, et al.
Exercise for preventing falls in olderpeople
living in the community.
Cochrane Database Syst Rev. Jan 31
2019;1:CD012424.doi:10.1002/14651858.
CD012424.pub2

 

 

 

 

2022-02-25 18:26:00

患者さんにも専門職の方にも知ってほしい!ガイドラインとエビデンスの違い

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本日は本日はリハビリ業界でもとても
大切なガイドラインとエビデンスの違いを
解説したいと思います!!

 

 

厚生労働省委託事業の一つに「Minds」が
あり、
ガイドラインのデータベースを
管理運用しています。


>>Mindsのホームページはこち


Mindsでも、ガイドラインとエビデンスの
違いを
わかりやすく説明されておりますので
ぜひ
ご覧下さい!

 

 

端的にいうと・・・
ガイドラインは「推奨度(おすすめの程度)」
エビデンスは「研究の結果」です。


ガイドラインには、
「このリハビリをおすすめします」とか
「このリハビリはおすすめできません」
などが書かれています。

 

 

リハビリの現場では、
患者さんとリハビリ担当者が相談をして
今後のリハビリの方針を決めていくときに
使います。

 

 

私はエビデンスに基づいたリハビリを
ご提案・ご提供することを心掛けています。


利用者さんの大切な時間を無駄には
できないと考えるからです。


「患者さんが良くなればどんなリハビリ
 でも良い」なんてことを言う方も
 います。


しかし「どのリハビリを行うのか」
そのプロセスがとても大切だなと
思っています。

 

 

科学的な裏付け(エビデンス)が弱いから
絶対にやらないというわけではありません。


反対に科学的な裏付け(エビデンス)が
強いから絶対にこれをやらなくては
いけないと押しつけることもありません。


例えば・・・
ガイドラインで電気刺激療法が
強く推奨されていたとします。
でも「ガイドラインにあるから電気を流す」
という単純なものでもありません。


ガイドラインの内容を掘り下げることが
必要です。


電気刺激には痛みを和らげるのか、
手や足の動きを良くするためなのか
など様々な目的があります。


その目的に合わせて
電気を流す時間、強さ、場所など
参考となる裏付けが必要になります。

その裏付けとなる情報がエビデンスです。
 

 

 

今回はガイドラインとエビデンスの
違いを解説しました。


皆さまの何かのお役に立てましたら
とても嬉しいです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年5月29日)
(更新日:2023年2月2日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Mindsホームページ (2022年2月25日閲覧)

 

 

 

 

2022-01-22 22:44:00

知っていた方がいい!?リハビリにおけるコミュニケーションの重要性

 

こんにちは!
自費リハビリ施設
ARUKONECT(アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

私がリハビリで大事にしていることの
一つに
コミュニケーションがあります。

 

 

コミュニケーションを辞書で調べると、
・社会生活を営む人間が互いに意思や感情、
 思考を伝達し合うこと
・言語・文字・身振りなどを
媒介として
 行われる とありました。

 

 

私なりに解釈すると、
”考えや気持ちをお互いに
伝え合うこと”
だと思っています。

 

 

私も病院やクリニックを受診したとき、
「今からどんなことをするんだろう」
「これは何のために行っているんだろう」
「これからどうなっていくんだろう」など

不安で頭がいっぱいになり、
落ち着かなくなります。
初めての場所だとなおさらです。

 

 

リハビリの目標を決めるときに
患者さん本人が関わっていないことが
あり、リハビリ担当者が認識している
目標と患者さんが認識している目標が
ほとんど一致しなかったということも
過去の研究で報告されています。

 

 

目標を共有していくためには、
コミュニケーションが大切であることは
今までの私の経験からも感じることです。


リハビリの目標を決める時だけのこと
ではありません。
リハビリの
検査やリハビリメニューを
行う時・行った後、
利用者さんからも
私からも考えや感想を伝えるなど
話し合いながら行う方が
安心して
リハビリが行えると考えています!

 

本コラムではリハビリにおける
コミュニケーションの重要性を
お話しました。


最後までお読みいただき
ありがとうございます。

 

 

(執筆日:2022年5月12日)
(更新日:2023年1月1日)
(執筆者:市川 貴章)

 

 

参考文献

1)デジタル大辞泉 小学館 (2022年1月22日閲覧) 

2)Maitra KK, Erway F. Perception of client-centered
practice in occupational therapists and their clients.
Am J Occup Ther. 2006 May-Jun;60(3):298-310. doi:
10.5014/ajot.60.3.298. PMID: 16776397.

3)Saito Y, Tomori K, Sawada T at al.
Determining whether occupational therapy goals
match between pairs of occupational therapists and
their clients: a cross-sectional study. Disabil Rehabil.
2021 Mar;43(6):828-833. doi: 10.1080/09638288.
2019.1643417. Epub 2019 Jul 28. PMID: 31352840.

 

 

 

 

1
2024.04.20 Saturday