歩行専門の自費リハビリ施設「アルコネクト 」

歩行専門”の自費リハビリ施設 『アルコネクト』

▸科学的な裏付けに基づくリハビリ

▸認定理学療法士の資格保有者が対応

▸完全予約制の個別対応
 03-6693-0966
お問い合わせ

リハビリコラム

2023-11-24 14:40:00

慢性的な腰痛に対するコルセットの効果

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは、腰痛に対する
コルセットの効果を解説したいと
思います。


コルセットは腰痛の保存的な治療として
使われることがあります。


脊椎の手術や骨折の場合は、
その場所を保護するためにコルセットが
処方されることがあります。

処方された場合は、医師の指示に
基づいて外す・外さないの判断が
なされます。


今回はSatoらの論文を紹介します!

 

 

Satoらの研究では・・・

慢性的な(3ヶ月以上)続く患者さんの
コルセットの効果を検証しています。


もっと詳しく・・・
感染症、⾻粗鬆症、悪性腫瘍の⾻転移などに
よる腰痛や神経障害が認められた方の場合は
研究に参加しておりません。


①コルセットを着用するグループ
②コルセットを着用しないグループ


この2つのグループに分けられて
効果が検討されました。


その結果・・・
①コルセットを着用したグループには
 着用1ヶ月後に腰痛の重症度の
 改善がみられた。


②脊柱起立筋などの筋疲労に関しては、
 コルセット着用してもしない場合でも
 差があるとは言えなかったとしています。

 

 

腰痛は様々な要因で生じますが、
場合によってはコルセットが効果的とも
言えそうです。


私が新人の頃は、コルセットを着用すると
筋肉が衰えてしまうと言われていました。


しかし・・・
Satoらの研究では、筋持久力が大きく
変わらなかった点が興味深いなと
感じました。


腰痛だからコルセットではなく、
リハビリ専門職は、腰痛の症状・
症状に基づいてリハビリの内容を
変える必要があるなと考えます。
(診断はできませんが・・・)


※また冒頭でもお話しましたが、
手術後や骨折後はコルセットが
必要な場合があります。

 

 

本コラムでは、慢性的な腰痛に対する
コルセットの効果を解説しました。



本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2023年11月24日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Sato N, Sekiguchi M, Kikuchi S, Shishido H,
Sato K,Konno S.
Effects of long-term corset wearing on
chronic low back pain. Fukushima J Med Sci.
2012;58(1):60-5. doi: 10.5387/fms.58.60.
PMID: 22790893.

 

 

 

 

2023-11-21 14:36:00

非特異的腰痛に対するストレッチの効果

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは、慢性的な非特異的腰痛に
対するストレッチの効果についてを
解説したいと思います。


非特異的腰痛とは?

腰痛は様々な原因で起きます。
非特異的腰痛とは、炎症、腫瘍、感染など
原因が明らかなもの以外の腰痛のことです。


今回はTurciらの論文を紹介します!

 

 

Turciらの研究では・・・

①セルフストレッチ

②モーターコントロールエクササイズ

この2つのグループに分けられました。


セルフストレッチとは?
呼吸トレーニングを含む脚の
ストレッチが行われました。


モーターコントロールエクササイズとは?

腹横筋、脊柱起立筋、多裂筋などの
体幹トレーニングが行われました。

 

その結果・・・
セルフストレッチとモータコントロールエクササイズの
両方とも「痛み」「日常生活に影響する機能障害」
「(腰痛の恐怖回避思考)」が改善できることが
わかりました。


過去の論文によって効果が
実証されているモーターコントロール
エクササイズと脚のストレッチの効果には
差がないということです。


腰痛を改善するために、自主トレーニングとして
ストレッチが有効な可能性があります。
運動を行うリスクを踏まえつつ、
実施することで効果が期待できそうです。


具体的な運動方法については、
情報を吟味する必要があり、
原因によってリハビリの内容も変える
必要があるなと感じています。

 

 

本コラムでは、慢性的な非特異的な腰痛に
対するストレッチの
効果についてを解説しました。


本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2023年11月21日)
(更新日:2023年12月4日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Turci AM, Nogueira CG,
Nogueira Carrer HC, Chaves TC.
Self-administered stretching exercises are as effective
as motor control exercises for people with chronic
non-specific low back pain: a randomised trial.
J Physiother. 2023 Apr;69(2):93-99.
doi: 10.1016/j.jphys.2023.02.016.
Epub 2023 Mar 21. PMID: 36958977.

 

 

 

 

2023-11-19 12:11:00

スクリーンタイムと腰痛の関係

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは、スクリーンタイムと腰痛との
関係性を解説したいと思います。


スクリーンタイムとは?

パソコン、携帯電話、テレビを
みる時間のことです。


そのスクリーンタイムと腰痛は
関係するのでしょうか。
今回はYueらの論文を紹介します!

 

 

Yueらの研究では・・・

20歳以下の若者が対象となりました。


その結果・・・
腰痛を生じている方はパソコン、携帯電話、
テレビをみる時間が長い傾向があることが
わかりました。


さらにパソコンの使用時間が1時間延びるごとに
腰痛の発症リスクが8.2%増加すると
報告しています。

 

 

腰痛は様々な要因で生じますが、
生活習慣も影響がありそうです。


ただYueらの研究では、オッズ比によって
スクリーンタイムと腰痛の関連性を
検討しています。


「1」を跨いではいませんが、95%信頼区間が1に
限りなく近いものや1に到達しているものが
あるので、その点は慎重に解釈が必要かなと
感じるところです。

 

 

本コラムでは、スクリーンタイム
腰痛の関係を解説しました。



本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2023年11月19日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Yue C, Wenyao G, Xudong Y, Shuang S,
Zhuying S, Yizheng Z, Linlin Z, Jinxin C,
Xingqi W, Yujia L.
Dose-response relationship between daily
screen time and the risk of low back pain
among children and adolescents: a meta-analysis of
57831 participants. Environ Health Prev Med.
2023;28:64. doi: 10.1265/ehpm.23-00177.
PMID: 37899211; PMCID: PMC10613558.

 

 

 

 

2023-11-18 11:07:00

(非特異的)腰痛の予防法とは?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは、非特異的腰痛の
予防法を解説したいと思います。


非特異的腰痛とは?

腰痛は様々な原因で起きます。
非特異的腰痛とは、炎症、腫瘍、感染など
原因が明らかなもの以外の腰痛のことです。


果たして非特異的腰痛を予防する方法は
あるのでしょうか。
今回はSteffens らの論文を紹介します!

 

 

Steffens らの研究では・・・

①運動
②運動+教育(腰痛に関わる情報提供)
③教育(腰痛に関わる情報提供)
④ベルト
⑤インソール
⑥その他(サプリメント)


それぞれの腰痛の予防効果を
検証しています。

 

 

その結果・・・
「運動」「運動+教育」が短期的に
腰痛発症を予防する効果があることが
明らかになりました。


さらに運動を行うことで、腰痛による
休暇(病気療養)のリスクを減らすことが
わかりました。

 

 

やはり腰痛予防にとっても運動は
大切なようですね。


今回のSteffensらの論文では、
非特異的腰痛として一括りにして
効果検証を行っています。


具体的にどのような運動が効果があるのか
どうかについては、情報を吟味する必要が
あるなと感じています。


また腰痛の原因となるものは様々ですので、
しっかりと判別した上で運動を行いたいですね。

 

 

本コラムでは、非特異的腰痛
予防方法を解説しました。



本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2023年11月18日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Steffens D, Maher CG, Pereira LS, Stevens ML,
Oliveira VC, Chapple M, Teixeira-Salmela LF,
Hancock MJ.
Prevention of Low Back Pain:
A Systematic Review and Meta-analysis.
JAMA Intern Med. 2016 Feb;176(2):199-208.
doi: 10.1001/jamainternmed.2015.7431.
PMID: 26752509.

 

 

 

 

 

 

2023-11-17 16:49:00

腰椎 椎間板ヘルニア手術後のリハビリ~その必要性とタイミング~

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは、腰椎椎間板ヘルニア(LDH)の
手術後のリハビリを解説したいと思います。



椎間板ヘルニアとは?

椎間板は『線維輪』と『髄核』があります。
椎間板の中心部分には髄核があり、
その周りを線維輪が包んでいます。


アンパンに例えると、
パンが線維輪、あんこが髄核です。


クッションの役割をもつ椎間板ですが、
ストレスが繰り返し加わることによって
変性してしまいます。


やがて線維輪に亀裂
が生じて、
髄核が飛び出し、神経を圧迫します。


すると「痛み」「痺れ」などの症状が
出現します。これがヘルニアの正体です。


ヘルニアの治療での2本柱は、
「保存療法」と「手術療法」です。

 

 

保存療法は、手術をしない治療です。
手術療法は、外科的に原因を取り除きます。
手術後のリハビリに関して、世界中で
様々な報告があります。

 

 

 

1.手術後リハビリの効果

 

1) Changらによると・・・

<内容>
体幹トレーニング実施


(実施しないグループと比べて)
体幹トレーニングを実施することで、
腰痛による日常生活への影響の改善
(Oswestry Disability Index:ODI)
腰椎の可動域が向上したと報告しています。

※術後3ヶ月以内に実施した効果です。

 

 

2)Wangらによると・・・

<内容>
通常の理学療法+牽引療法


通常の理学療法のみ行うよりも、
牽引療法を追加して行うことで、
痛みや腰痛による日常生活への
影響
(ODI)が改善されたと報告しています。

 

 

徒手療法による効果も検討もされています。

3)Danazumiらによると・・・

<内容>
・神経モビライゼーション
・マリガンのマニュアルセラピー
 または脊椎マニピュレーション

<頻度・時間・期間>
週2回・10分・6週間


マリガンのマニュアルセラピーは、
脊椎マニピュレーションと比べて、
痛み・症状の煩わしさ(SBI)頻度(SFI)の改善、
歩行能力の向上が
みられたとしています。


ちなみに・・・
マリガンに比較して、効果が少ないものの、
脊椎マニピュレーションにも効果があったと
しています。


いずれの徒手療法も熟練した技術が
必要ですので、施術者によって効果が
異なる可能性があります。


対して、Wangらにあった牽引療法は、
設定さえ守ることができれば、
施術者による差が出にくいのが特徴です。

 

 

牽引療法・徒手療法と続きましたが、
運動療法自体の効果も検証されています。

4)Manniらによると・・・

<内容>
①専門職とリハビリを実施
②アドバイスのみ
③治療なし


専門職とのリハビリでは、
アドバイス・治療なしと比べて、
痛みや腰痛による日常生活への影響 (ODI) が
改善したと報告しています。


※この論文は、椎間板ヘルニアだけでなく、
脊柱管狭窄症やすべり症の術後の患者さんも
含まれており、解釈に注意が必要です。

 

 

リハビリの方法によって違いはあるものの、
全体としては、ポジティブな効果が
得られそうであることがわかりました。


それでは、リハビリを行うタイミングで
効果に違いがあるのでしょうか??

 

2.リハビリを行う必要性とタイミング 

 

1) Uysalらによると・・・

運動なし
②術後2週間目から歩行練習
③術後1ヶ月目から歩行練習
④術後2週間目から体幹トレーニング
⑤術後1か月目から体幹トレーニング



以上の5つのグループに分け、
それぞれの方法で痛みや機能障害に
どのような効果があるかを検証しています。


【痛み】

術後1ヵ月時点

術後2週後から歩行練習または
体幹トレーニングを行ったグループに
痛みの改善を認めた。

術後3ヵ月時点
術後1ヵ月目後から歩行練習を開始した
グループは、術後2週目から開始した
グループと比べて、痛みが有意に高かった
(強かった)。

術後12ヵ月時点
運動を行わなかったグループは、
その他のグループ(②~⑤)との比べて
痛みの強さが有意に高かった(強かった)。


【機能障害】

術後1ヵ月時点

術後2週目から歩行練習または
体幹トレーニングを行ったグループは
他のグループに比べて機能障害が
改善した。

術後12ヵ月時点
運動を行わなかったグループは
他グループ(②~⑤)に比べて、機能障害が
強かった。

 

 

まとめると・・・
椎間板ヘルニア手術後、リハビリを
行うことによって、
痛みや機能障害の
改善すると言えます。



この結果をみると、早く始める方が、
一見良さそうに思えます。


しかし長い経過をみると・・・
手術後1ヶ月から
開始した場合も、
2週間後に開始した場合と大きな差が
みられなくなります!


『すぐにリハビリしなくて大丈夫?』と
不安になるかと思いますが、手術後の
経過をみながら、安全にリハビリを
行うことが大事かなと思います。


リハビリ専門職は、医師の指示に従うこと、
看護師さん、介護士さん、栄養士さんなど
様々な職種から、院内生活の状況を
聴取することが大切です。

 

 

3.手術後の経過

 

手術後はすぐに退院になることもあり、
『退院して大丈夫かな』不安になられる方も
多くいらっしゃいます。


1)Dorawらによると・・・

①手術後
②術後3ヶ月
③術後9ヶ月
④術後15ヶ月
⑤術後5年


経過を追うにしたがって痛みは、
軽減されたと報告しています。


痛みの強さは、手術後と術後3ヶ月では、

差がみられず、3ヶ月以降に差がみられた
(改善がみられた)としています。


そのため、手術後の注意点を守り、
運動を行いつつ、時間経過も
必要な要素なのかなと思います。

 

 

手術後の痛みの強さには、
『今後の雇用に対する考え方(患者さん自身)

『うつ病」が影響すると言われています。


そのため、必要に応じて心理面のサポート・
内服薬の調節が必要なのかも知れません。

 

 

以上のことを考えると、
リハビリ専門職だけでなく、他職種が
連携し、患者さんの治療に携わることが
大事かなと思います。

 

 

本コラムでは、腰椎椎間板ヘルニア(LDH)の
手術後のリハビリについてを解説しました。


本コラムが少しでも皆さまの
お役に
立てましたら幸いです。



最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2023年11月17日)
(更新日:2024年6月3日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1
)Chang, Min Cheol et al.
“Effect of exercise on stabilizing and strengthening
core musclesfor patients with herniated lumbar disc:
A systematic review andmeta-analysis.
” Asian journal of surgery vol. 47,1 (2024): 731-733.
doi:10.1016/j.asjsur.2023.10.007


2)Wang, Wenxian et al. “Clinical Efficacy of
Mechanical Traction asPhysical Therapy for
Lumbar Disc Herniation: A Meta-Analysis.” 
Computational and mathematical methods in medicine 
vol. 2022 5670303. 21 Jun. 2022, doi:10.1155/2022/5670303

3)Danazumi, Musa Sani et al. “Effects of spinal manipulation
or mobilization as an adjunct to neurodynamic mobilization for
lumbar disc herniation with radiculopathy:
a randomized clinical trial.
” The Journal of manual & manipulative therapy 
vol. 31,6 (2023):408-420. doi:10.1080/10669817.2023.2192975

4)Manni, Tiziana et al. “Rehabilitation after lumbar spine
surgeryin adults: a systematic review with meta-analysis.
” Archives ofphysiotherapy vol. 13,1 21. 16 Oct. 2023,
doi:10.1186/s40945-023-00175-4

5)Uysal, E et al. “The necessity and timing of exercise after
lumbar disc herniation surgery.” European review for
medical andpharmacological sciences
 vol. 27,20 (2023): 9521-9529.doi:10.26355/eurrev_
202310_34125

6)Dorow, Marie et al.
“The Course of Pain Intensity in Patients
Undergoing Herniated Disc Surgery: A 5-Year Longitudinal
Observational Study.” PloS one vol. 11,5 e0156647. 31 May.
2016, doi:10.1371/journal.pone.0156647

 

 

 

 

1 2 3
2024.11.21 Thursday