リハビリコラム
脳卒中患者さんの歩行自立度と歩数の関係
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!
本コラムでは脳卒中の患者さんの
歩行自立度と歩数の関係性を
解説していきたいと思います。
今回はKuboらの論文を
紹介したいと思います!
この研究では・・・
亜急性期の脳卒中患者さんが
参加しました。
※亜急性期とは?
発症後2週間~6ヶ月の時期の
ことを指します。
参加した患者さんは、
・1日の歩数
・6分間歩行(6分間の歩行距離)
・脚の運動障害(マヒの程度)
などが検査され、歩行自立度 との関係が
調査されました。
※ 歩行自立度とは?
歩行時の介助量を表すものです。
自立度が高いということは、一人で
歩けることを意味します。
その結果・・・
歩行自立度には1日の歩数と
関係があることがわかりました。
そして、
一人で歩行可能な患者さんは、
歩くことが難しい患者さんと比較し
1日の歩数が多い傾向がありました。
さらには、歩行自立を予測するための
1日の歩数は4286歩であることも
わかりました。
【私が気になるところ】
①病期について
今回の研究では、病期(発症からの期間)が
亜急性期に限定されています。
発症6ヶ月以降の慢性期(生活期)では
どのような結果になるのかが
気になります。
②1日の歩数について
歩数を確保できていない背景に
どのような理由があるのか
気になるところです。
③歩数の基準値
歩行自立に必要な歩数である4286歩を
越えている患者さんの中にも、
歩行自立度の低い方が含まれている点です。
歩数だけに注目するのではなく、
感覚障害やバランス障害、
高次脳機能障害などの歩行への影響を
考え、歩行困難な原因を探ることも
大切だと感じています。
リハビリ場面だけで歩数を確保することは
うまくいかないこともあります。
そんな時は看護師さんや介護士さんなど
他の職種との連携が大切だなと思います。
本コラムでは脳卒中患者さんの
歩行自立度と歩数の関係を解説しました。
本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2022年9月2日)
(更新日:2023年1月4日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Kubo H, Kanai M, Nozoe M, Inamoto A,
Taguchi A, Mase K, Shimada S.
Daily steps are associated with walking ability
in hospitalized patients with sub-acute stroke.
Sci Rep. 2022 Jul 17;12(1):12217.
doi: 10.1038/s41598-022-16416-8.
Erratum in: Sci Rep. 2022 Aug 23;12(1):
14380. PMID: 35843983; PMCID: PMC9288997.