リハビリコラム
脳卒中患者さんの屋外歩行~歩行速度の目安~
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!
以前、脳卒中患者さんの屋外を
自由に歩けるかの予測因子を
解説しました。
>>脳卒中患者さんが屋外を
自由に歩けるかの予測因子
Bijleveld-Uitmanらによると、
屋外を歩行可能であるか
歩行速度や歩行距離によって
予測できるとされています。
では歩行速度の目安はいくつに
なるのでしょうか?
van de Portらによると、
屋外での歩行可能かどうかの
カットオフ値(基準値)は0.66m/秒
とされています。
➔0.66m/秒では・・・
陰性的中率が低い(57%)点に
注意が必要です。
屋外を歩くことが難しいと正しく
分類できる確率です。
一方、Fulkらによれば、
そのカットオフ値(基準値)は
0.49m/秒とされています。
さらに屋外を制限なく歩行可能かの
カットオフ値は、0.93m/秒としています。
様々な基準値があるのは・・・
参加された患者さんの発症からの
期間であったり、屋外歩行の基準が
異なるためです。
屋外歩行の基準は、
例えば歩数で分類したり、
範囲(自宅のみ・自宅周辺)で
分類したりと様々です。
そのため基準値がどのように
算出されているのかがとても
大切です!
ご利用者様の年齢、発症からの期間など
様々な視点からみて妥当である数値
(基準値)を目標とするのも
良いのかも知れません。
Miyataらによれば歩行能力とバランス能力は
関係性があるとされています。
このことからも歩行能力は歩行速度以外にも
歩行距離やバランス能力など様々な視点から
評価し、リハビリを行うことが大切だと
感じています。
本コラムでは、脳卒中患者さんの屋外歩行
~歩行速度の目安~を解説しました。
本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(更新日:2022年11月18日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Bijleveld-Uitman M, van de Port I, Kwakkel G.
Is gait speed or walking distance a better predictor
for community walking after stroke?
J Rehabil Med. 2013 Jun;45(6):535-40.
doi: 10.2340/16501977-1147. PMID: 23584080.
2)van de Port IG, Kwakkel G, Lindeman E.
Community ambulation in patients with
chronic stroke: how is it related to gait speed?
J Rehabil Med. 2008 Jan;40(1):23-7.
doi: 10.2340/16501977-0114. PMID: 18176733.
3)Fulk GD, He Y, Boyne P, Dunning K.
Predicting Home and Community Walking
Activity Poststroke. Stroke. 2017
Feb;48(2):406-411. doi: 10.1161/
STROKEAHA.116.015309.
Epub 2017 Jan 5. PMID: 28057807.
4)Miyata K, Hasegawa S, Iwamoto H, Otani T,
Kaizu Y, Shinohara T, Usuda S.
Which Balance Evaluation Systems Test sections
best distinguish levels of post-stroke
functionalwalking status? J Rehabil Med. 2021
Sep 24;53(9):jrm00230.
doi: 10.2340/16501977-2870.
PMID: 34486068; PMCID: PMC8638744.