リハビリコラム
脳卒中患者さんの転倒回数と関係する要因とは?
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!
本コラムでは脳卒中患者さんの
転倒回数と関係する要因を
解説したいと思います。
今回はAlenazi らの論文を
紹介したいと思います!
この研究では・・・
脳卒中発症後3ヶ月以上経過した
患者さん197名が参加しました。
研究期間中、
①転倒しなかったグループ
②1回以上転倒があったグループ
この2つのグループに分けられ、
転倒の回数にどのような要因(原因)が
影響しているのかを調査されました。
その結果・・・
転倒したグループと転倒しなかった
グループを比較したときに、
・6分間歩行:歩行距離
・PHQ-9:うつの程度
・Functional Reach Test:バランス能力
この3つの検査結果に違いが
あることがわかりました。
さらに、
・服薬数が多いこと
・うつ病スコアが高いこと
・FRTの到達距離が短いこと
この3つは転倒回数の増加と
関係があることがわかりました。
それぞれのカットオフ(基準値)は、
・服薬数は8.6個
・PHQ-9は2.5点
・FRTは18.15cm でした。
※カットオフ値の判断には「感度」「特異度」
など検査が正確に判定できるのかの指標に
ついても検討しなくてはなりません。
転倒の要因は様々です。
今回の研究のような調査は
どのような方が転倒しやすいのかを
知ることにつながり、その対策も
立てやすくなります!
本コラムでは、
脳卒中患者さんの転倒回数と
関係する要因を解説しました。
本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2022年10月29日)
(更新日:2023年2月17日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Alenazi AM, Alshehri MM, Alothman S, Rucker J,
Dunning K, D'Silva LJ, Kluding PM.
Functional Reach, Depression Scores,
and Number of Medications Are Associated With
Number of Falls in People With Chronic Stroke.
PM R. 2018 Aug;10(8):806-816. doi: 10.1016/
j.pmrj.2017.12.005. Epub 2017 Dec 26.
PMID: 29288141; PMCID: PMC7200172.