リハビリコラム
脳卒中患者さんに対するモビライゼーションの効果
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!
本コラムでは脳卒中患者さんに対する
モビライゼーションの効果を
解説したいと思います。
そこでAlamerらの論文を
紹介したいと思います!
モビライゼーションとは、
関節の動きを出したり、痛みを
緩和するための手技です。
その手技の多くは、患者さんが
座った状態や寝た状態で受ける
ものです。
数あるモビライゼーションの中で
マリガンコンセプトというものが
あります。
このマリガンコンセプトの中には
運動併用モビライゼーション(MVM)が
あります。
患者さんに関節を動かしてもらいながら
モビライゼーションを行うものです。
Alamerらの論文では・・・
慢性期脳卒中患者さんの足関節の
MVMに関する論文が集められました。
集められた論文のその多くは、
①足関節のMVMを行うグループ
②通常のリハビリ
この2つのグループに分けられていました。
通常のリハビリではストレッチ、
偽MVM、関節可動域運動、
体重負荷運動が行われました。
その結果・・・
①足関節背屈の関節可動域拡大
※足関節背屈とは?
つま先を上に挙げる動きです。
②バランス能力の改善
③歩行の時空間パラメータの改善
※時空間パラメータとは?
歩行速度・歩幅などです。
以上の3つの項目に改善があったと
報告しています。
【もし私が現場で用いるなら~注意点~】
①MVMを受けたグループは
通常のリハビリも実施している
場合がある。
②MVMはストレッチや関節可動域運動と
どのぐらい効果に違いがあるのか
気になります!
モビライゼーションという手技の特性上、
施術するスタッフの技量が関わってきます。
手技の選択にどのようなプロセスを
経て判断されているのかも大切で、
モビライゼーション以外のリハビリに
おいても同じことが言えるかと思います!
本コラムでは、脳卒中患者さんに対する
モビライゼーションの効果を解説しました。
本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2022年10月31日)
(更新日:2022年12月30日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Alamer A, Melese H, Getie K, Deme S,
Tsega M,Ayhualem S, Birhanie G, Abich Y,
Yitayeh Gelaw A.
Effect of Ankle Joint Mobilization with
Movement on Range of Motion,Balance
and Gait Functionin Chronic Stroke Survivors:
Systematic Review of Randomized Controlled Trials.
Degener Neurol Neuromuscul Dis.
2021 Sep 1;11:51-60. doi: 10.2147/
DNND.S317865. PMID: 34512072;
PMCID: PMC8420562.