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リハビリコラム

2022-07-12 16:59:00

慢性腰痛に対するリハビリの1つ!体幹トレーニングは効果的?

 

歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

今回は慢性腰痛に体幹トレーニングは
効果的なのかを解説していきたいと
思います!

 

 

突然ですが・・・
「体幹が弱いですね」
「体幹をきたえましょう!」と
言われたことはありませんか?

 

 

腰痛診療ガイドライン2019にも
「運動はおすすめ
できる」と書かれています。


※ガイドラインとは・・・
「この治療(または運動)をおすすめします」とか
「この治療
(または運動)はおすすめできません」
などがおすすめの程度が書かれています。

 

 

では運動の中でも体幹トレーニングは
効果的なのでしょうか?


その疑問に答えたSutantoらの
論文を紹介したいと思います。

 

 

研究に参加したのは慢性腰痛の
ある患者さんです。


この研究の慢性腰痛は
少なくとも12週間以上持続している
腰痛と定義されています。


そして体幹トレーニングは
①等尺性トレーニング
②等張性トレーニング
③モーターコントロールエクササイズ
この3つに分類されました。

①等尺性トレーニング・・・
持続的に体幹の筋肉を働かせる
方法です。


例えば、四つ這いで手や足を
挙げたまま保持する
運動があります。


②等張性トレーニング・・・
体を曲げたり、伸ばしたりして
体幹の筋肉を働かせる方法です。


例えば、トレーニング場面でよく見かける
腹筋や背筋などの運動があります。


③モーターコントロールエクササイズ・・・
お腹や背中の深い筋肉を働かせる運動です。

例えば、お腹をへこませる運動
(ドローイン)が
あります。


トレーニング方法で3つのグループに
分けて効果を検証しています。

 

 

その結果は・・・
等尺性トレーニングとモーターコントロール
エクササイズは
痛みを和らげ、機能障害も
減らすこと
がわかりました。

さらにモーターコントロール
エクササイズは等尺性トレーニングより
機能障害に対して効果的であることも
わかりました。

※機能障害とは・・・
腰痛が日常生活に与える
影響のことです

 

 

腰痛の原因は様々です。
リハビリが適応となる腰痛の場合は
その原因に合わせて運動を
行わなくてはなりません。


リハビリを行う前に大事なこと。
それは・・・
腰痛の原因を探るためや
運動を行っても良いのか、
行わない方は良いのかを
判断するためにも問診やリハビリの
検査を丁寧に行うことだと
思っています。


もちろん、リハビリ専門職だけでなく
医師による診断や治療方針も大切です。


病院やクリニックなどに通われている方
でしたら担当のスタッフに
ご相談いただくのも良いかもしれません。

 

本コラムでは慢性腰痛に対する
体幹トレーニングを解説しました。

 

 

皆さまの何かのお役に立てましたら
とても嬉しいです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年7月12日)
(更新日:2023年6月18日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)日本整形外科学会,日本腰痛学会(監):
腰痛診療ガイドライン2019改訂第2版,
南江堂,東京,2020,pp53-54.

2)Sutanto D, Ho RST, Poon ETC et al.
Effects of Different Trunk TrainingMethods for
Chronic Low Back Pain: A Meta-Analysis.
Int J Environ Res Public Health. 2022
Mar 1;19(5):2863. doi: 10.3390/ijerph
19052863. PMID: 35270557;
PMCID: PMC8910008.

 

 

 

 

2022-07-09 15:36:00

知っておきたい!脳卒中の患者さんの運動負荷量を増やすメリット

 

こんにちは!
脳卒中・整形外科疾患の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
運動負荷量を増やすメリットを
解説したいと思います。

※運動負荷量とは?
本コラムでは、
「運動負荷の強さ」
「運動を行う時間」と
定義したいと思います!

 

 

脳卒中の患者さんの
運動負荷量が増えるとどのような
メリットがあるのでしょうか?


詳しくお話するために、
今回はKlassenらの
論文を
紹介したいと思います!

 

 

この論文では・・・
入院されている18歳以上の脳卒中の
患者さんが対象となりました。


通常のリハビリを1時間

通常のリハビリよりも負荷が2倍で
 時間は1時間

通常のリハビリよりも負荷が4倍で
 時間は2時間


この3つのグループを比較し
運動負荷量が
増えることで
どのような効果が
あるのか
調査しています。

 

 

その結果・・・
通常のリハビリを行ったグループに比べ
運動量の多いグループは、
歩行距離が延び、歩行速度も向上し、
患者さんが感じる健康感などが
改善できる
ことがわかりました。



つまり・・・
運動負荷量を増やすことで歩行能力が
向上し、健康感も改善できることが
明らかになりました。

 

 

運動の負荷(強さ)や運動を行う時間が
大切であることがいえます。


私も回復期リハビリテーション病棟の
専任であったときは、運動量を確保するため
患者さんの歩行練習を看護師さんや
介護士さんに協力いただいたことも
あります。


リハビリ以外でも運動量を
確保することも大切ですね!

 

 

ただ患者さんの状態によっては、
運動負荷量を増やすことでかえって
お体の状態が
悪くなることもあります。
転倒する危険もあるかも知れません。


現在、リハビリを受けている方でしたら
担当者に適切な運動量をご相談いただいても
良いかも知れません。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
運動負荷量を増やすメリットについてを
解説しました。



本コラムが皆さまの何かの
お役に
立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年7月9日)
(更新日:2022年12月29日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Klassen TD, Dukelow SP, Bayley MT,
Benavente O, Hill MD, Krassioukov A,
Liu-Ambrose T, Pooyania S, Poulin MJ,
Schneeberg A, Yao J, Eng JJ.
Higher Doses Improve Walking Recovery During
Stroke Inpatient Rehabilitation. Stroke. 2020
Sep;51(9):2639-2648. doi: 10.1161/
STROKEAHA.
120.029245. Epub 2020 Aug 19.
PMID: 32811378.

 

 

 

 

2022-07-08 17:35:00

脳卒中の患者さんの歩行!推進力を上げるために必要なこと

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは脳卒中患者さんの
歩行時の推進力についてを
解説したいと思います。

※推進力・・・
本コラムでは前に進む力のことです。

 

 

前回のコラムで脳卒中の患者さんが
長い距離を歩けるためには、
マヒ側の推進力と股関節伸展角度が

大切という話をしました。


>>脳卒中の患者さんが長い距離を
  歩くために必要な要素とは?

 

 

では推進力を上げるためには
どうすればよいのでしょうか?


じつは・・・
「股関節伸展角度」と
「足関節底屈筋力」
この2つが大切と言われています。


長い距離を歩くために必要な
要素と重なる部分がありますね!

 

  

Hsiaoらによれば推進力には、
マヒ側の股関節伸展角度が74%、
マヒ側の足関節底屈筋力は17%
影響することが報告されています。


つまり・・・
推進力向上を考えたときに
股関節伸展角度が大きく影響すると
言えそうです。


※ちなみにマヒされていない側も
 同じような影響度でした。

  

 

推進力を上げることを考えた場合に、
歩行中の股関節伸展角度が
ポイントになります。



もし股関節伸展がうまく行えないと
すれば、要素に分解して考えることも
必要です。


例えば・・・
・足首や股関節の可動域?
・右(左)脚が前、左(右)脚が後ろという
  位置でバランスがとれるのか?


このように検査を行い、明らかになった
課題に合わせてリハビリを行うことが
必要です。

 

 

しかし脳卒中患者さんの症状は
マヒの強さ、痙縮(けいしゅく)、
運動失調、感覚障害など
多岐に渡ります。


バランスを崩さずにゆっくりと
安全に歩けるようになることが
必要になることもあるかも知れません。


突然、歩き方を変えると
バランスを崩すこともあります。
現在、病院やデイケアでリハビリを
行っている方でしたら、まずは担当者に
ご相談いただくのを
お勧めいたします。

 

 

※痙縮とは?
腕や脚が突っ張ってしまったり
こわばってしまう症状です。


※運動失調とは?
手や足が滑らかに動かすことが
難しくなったり、起立や歩いている時に
バランスがとりにくくなる症状です。


※感覚障害とは?
触っている感覚などが
わかりにくくなる症状です。

 

 

今回は脳卒中の患者さんの
歩行時の推進力を上げるために必要な
ことを解説しました。

本コラムが皆さまの何かの
お役に
立てましたら
幸いです。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(更新日:2022年7月8日)
(更新日:2023年3月30日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Hsiao H, Knarr BA, Higginson JS,
Binder-Macleod SA. The relative contribution
of ankle moment and trailing limb angle to
propulsive force during gait. Hum Mov Sci.
2015 Feb;39:212-21. doi: 10.1016/j.
humov.2014.11.008. Epub 2014 Dec 12.
PMID: 25498289; PMCID: PMC4272868.

2)Hsiao H, Knarr BA, Higginson JS,
Binder-Macleod SA.
Mechanisms to increase propulsive force for
individuals poststroke. J Neuroeng Rehabil.
2015 Apr 18;12:40. doi: 10.1186/s12984-
015-0030-8. PMID: 25898145;
PMCID: PMC4406180.

 

 

 

 

2022-07-07 17:20:00

脳卒中患者さんの長距離歩行に必要なこと

 

こんにちは!
脳卒中・整形外科疾患の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
長距離歩行に必要なことを
解説したいと思います。

 

 

長い距離を歩けるようになるためには
どのような点に注意しながらリハビリを
行えば良いのでしょうか?

 

 

今回はAwadらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この論文では、
脳卒中を発症から6ヶ月を経過する
患者さんが参加しました。

【実施された検査】
①6分間歩行
②立脚期:マヒ側の推進力・股関節の角度
③遊脚期:マヒ側の足関節とひざの角度
④対称性:歩幅・脚を出すときにかかる時間

※6分間歩行とは?
6分間で歩ける距離を測定します。

※立脚期とは?
歩行中に脚で支えているときのことです。

※遊脚期とは?
歩行中に脚を前に出すときのことです。


※検査の前後で歩行トレーニングを
 実施しています。

 

 

その結果・・・
歩行可能な距離(6分間で)は、
マヒ側の推進力と股関節伸展角度が
関係することがわかりました。


伸展角度とは?
股関節の場合、脚を後ろに伸ばせる
角度のことです。

 

 

つまり・・・
長距離を歩くためには、
マヒ側の推進力と股関節伸展角度
この2つが大事だと言えます。

 

 

長距離を歩くためには、
歩行練習やエルゴメータ(自転車)などの
有酸素運動も選択肢になるかも
知れません。


しかし今回の知見を参考にすると、
①推進力を得るための筋力はあるのか?
②股関節伸展の柔軟性はあるのか?


①と②のような要素に分解して
長く歩くための要素をクリアしているのか
確認する必要があります。

その課題によってはリハビリの内容も
ガラッと変わります。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
長距離歩行に必要なことを
解説しました。

本コラムが皆さまの何かの
お役に
立てましたら幸いです。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年7月7日)
(更新日:2023年1月16日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Awad LN, Binder-Macleod SA, Pohlig RT,
Reisman DS. Paretic Propulsion and Trailing Limb
AngleAre Key Determinants of Long-Distance
Walking Function After Stroke.
Neurorehabil Neural Repair. 2015
Jul;29(6):499-508.
doi: 10.1177/1545968314554625.
Epub 2014 Nov 10.
PMID: 25385764; PMCID: PMC4426250.

 

 

 

 

2022-06-18 11:15:00

知っておきたい!脳卒中患者さんのストレッチの効果

 

こんにちは!
脳卒中・整形外科疾患の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

今回は脳卒中の患者さんの痙縮や
腕や手の関節に対するストレッチの
効果を解説したいと思います!

 

 

痙縮とは・・・
手や足が突っ張ってしまったり、
こわばってしまう症状です。

脳卒中の患者さんの25.3~39.5%の
割合で生じるとされており、
関節が固まってしまったり、
痛みの原因になることもあります。

 

 

リハビリの現場で行われるストレッチ。
果たして痙縮を和らげたり、腕や手の
関節可動域を広げる効果は
あるのでしょうか?


その疑問に答えた
Salazarらの
論文を紹介したいと思います!


※可動域・・・
動く範囲のことです。
可動域が広がるということは、関節を
大きく動かせるということです。

 

 

この論文でのストレッチとは・・・
①手につける装具を使用したストレッチ
②通常行われる筋肉を伸ばすストレッチ
(静的ストレッチと呼ばれる方法で
 ジワーっと伸ばすストレッチです。)

 

 

結果は・・・
装具を使用した手首のストレッチは
手首を曲げる筋肉の痙縮を
軽減できることがわかりました。


反対に・・・
通常行われるストレッチと
リハビリ(理学療法)とを比べた場合、
腕や手の関節可動域には
差がないことがわかりました。

 

 

装具を装着することで長い時間を
かけて筋肉を伸ばすことができます。


そのため、リハビリの時間以外にも
行える点がメリットです。


しかし・・・
腕や手を触っている感覚が
わかりにくい場合には、
装具が接触している部分に
傷ができないように注意が必要です。

 

 

また装具には多くの種類があります。
現在、病院、デイケアなどでリハビリを
されている方であれば、適応も含めて
担当者にご相談するのも良いかも
知れません!

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
ストレッチの効果を解説しました。

皆さまの何かのお役に
立てましたら幸いです。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(更新日:2022年6月18日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Salazar AP, Pinto C, Ruschel Mossi JV, at al.
Effectiveness of static stretching positioning on
post-stroke upper-limb spasticity and mobility:
Systematic review with meta-analysis.
Ann Phys Rehabil Med. 2019 Jul;62(4):274-282.
doi: 10.1016/j.rehab.2018.11.004. Epub 2018
Dec 22. PMID: 30582986.

2)Zeng H, Chen J, Guo Y, Tan S. Prevalence and
Risk Factors for Spasticity After Stroke:
A Systematic Review and Meta-Analysis.
Front Neurol. 2021 Jan 20;11:616097.
doi: 10.3389/fneur.2020.616097. PMID: 33551975;
PMCID: PMC7855612.

 

 

 

 

2024.05.19 Sunday