歩行専門の自費リハビリ施設「アルコネクト 」

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リハビリコラム

2022-03-18 10:44:00

変形性膝関節症に対するテーピングの効果

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

今回のコラムでは変形性膝関節症に対する
テーピングの効果を解説したいと思います。

 

 

テーピングをしたことのない方でも
スポーツ選手が関節のまわりにテープを
グルグルと巻いているのを見たことが
ある方はいるのではないでしょうか?

テーピング用のテープはドラッグストア
などにも売っています。

 

 

スポーツ現場で使われるテーピング。
変形性膝関節症の症状にも効果が
あるのでしょうか?


MAOらに報告によれば、
テーピングだけ、もしくは理学療法や薬物療法を
組み合わせることで変形性膝関節症の

患者さんの痛みや筋力(等速性収縮)を
改善する効果が
あることがわかっています。


Wuらによれば、
運動とテーピングを組み合わせることで、
痛みの軽減が図れると
しています。

 

 

テーピングの種類には、
主にY字型、X字型、I型などが
あります。


テーピングを弱くなった筋肉の収縮を
助けるためか、過剰に働いている筋肉を
抑えるために行うのかによって、
実施する場所も変えなくてはなりません。


またテーピングに組み合わせて行われる
理学療法や運動も
MAOらやWuらの
報告でも様々です。


例えば、TENS(電気刺激療法)、
運動であれば、ストレッチや
筋力トレーニングが行われています。

 

 

つまり、テーピングを行うときは、
得られる効果を明確にしつつ、
どのような方法をとるのか、どのぐらいの
期間実施するのかなど、念密に
プランニングする必要があるということですね。


もし患者さんで興味をもたれた方が
いましたら、担当スタッフに
ご相談いただくのも良いかも知れません。

 

 

今回は変形性膝関節症に対する
テーピングの効果を解説しました。

 

 

今回のコラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら嬉しいです。


最後までお読みくださり
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年6月16日)
(更新日:2023年9月7日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1) Mao HY, Hu MT, Yen YY, Lan SJ, Lee SD.
Kinesio Taping Relieves Pain and Improves
IsokineticNot Isometric Muscle Strength in Patients
with Knee OsteoarthritisA Systematic Review
and Meta-Analysis.Int J Environ Res Public Health.
10 04 2021;18(19)doi:10.3390/ijerph181910440

2)
Wu H, Yao R, Wu J, Wen G, Wang Y.
Does kinesio taping plus exercise improve
pain and function in patients with knee osteoarthritis?:
A systematic review and meta-analysis of randomized
controlled trials. Front Physiol. 2022 Sep 9;13:961264.
doi: 10.3389/fphys.2022.961264. PMID: 36160871;
PMCID: PMC9500481.

 

 

 

 

2022-03-18 10:00:00

パーキンソン病の患者さんに対するリハビリの効果

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)代表の
市川です。

 

 

本コラムではパーキンソン病の
患者さんに対するリハビリの効果を
解説したいと思います。

 

 

パーキンソン病の患者さんには
手の震え、筋肉のこわばり、
バランスを崩しやすくなるなどの
運動
面の症状だけではなく、睡眠障害や
自律神経障害がみられることがあります。

 

 

リハビリは理学療法、作業療法、
言語聴覚療法の3つがあります。


その中でもパーキンソン病の
患者さんの
理学療法の効果を調査したOkadaらの
論文をご紹介したいと思います。

 

 

この論文では・・・
軽度・中等度の症状がある
パーキンソン病の
患者さんを
対象としました。


6か月以上の理学療法を行うと、
運動症状、日常生活動作、
抗パーキンソン病薬の服薬量への
影響を検証しています。

 

 

その結果・・・
6ヶ月以上の長期にわたる理学療法を
行うとオフ状態での運動症状を改善でき、
さらに抗パーキンソン病薬の内服量を
少なくできることがわかりました。


※オフ状態(現象)とは?

パーキンソン病の症状が内服薬によって
抑えられていない
時です。


ちなみに症状を内服薬で
抑えられている時をオン状態(現象)と
いいます。

 

 

リハビリを行うときに大切なことは
身体の状態を詳しく検査することです。

例えば・・・
関節の動き、筋力、
バランス能力などの
検査を行ったりします。

パーキンソン病の患者さんの場合、

「MDS-Unified Parkinson's
 Disease 
Rating Scale(MDS-UPDRS)」
というパーキンソン病の症状を詳しく
調べることができる検査を行うことが
あります。

 

 

目標・リハビリの検査結果を踏まえて
最適なリハビリメニューを
行うことが大切だと考えます。

お薬が効いている時間を確認し
それに合わせてリハビリを
行うことも必要になります。

 

 

今回はパーキンソン病の患者さんに対する
理学療法の効果を解説しました。

 

 

新しい知見が増えるのに合わせて
リハビリに必要な知識もどんどん
増えています。


私は新しい知見にアンテナを張り、
情報を吟味した上で、患者さんや
利用者さんに還元できたらと
常々感じています。

 

 

本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てればとても嬉しく思います。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年6月14日)
(更新日:2023年1月4日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Okada Y, Ohtsuka H, Kamata N, et al.
Effectiveness of Long-Term Physiotherapy
in Parkinson's Disease: A Systematic Review
and Meta-Analysis. J Parkinsons Dis.
2021;11(4):1619-1630. doi:10.3233/
JPD-212782

 

 

 

 

2022-03-17 15:07:00

脳卒中患者さんの転倒予防に有効なリハビリとは?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の
市川です。

 

 

本コラムは脳卒中患者さんの
転倒予防に有効なリハビリについて
解説していきたいと思います。

 

 

私が病院勤めだった頃、
患者さんに
一人で歩いても良いと
許可を出したときには転んでないか
ドキドキしたものです。

 

 

以前、高齢者の転倒は運動で
予防できるのかを解説しました。
まだお読みになられていない方は
こちらをご覧ください!

>>転倒は運動で予防できる!?

 

 

脳卒中の患者さんの転倒予防に
有効なリハビリとは


この疑問に答えた Denissenらの
論文を紹介したいと思います!

 

 

この研究では・・・
運動、退院前の自宅訪問、眼鏡(レンズ)の
変更、歩行器の使用、経頭蓋直流電気刺激
などが転倒予防の効果があるのか
調査されました。

※経頭蓋直流電気刺激とは?
 頭蓋骨の上から微弱な電気を流す方法です。

 

 

その結果は・・・
運動によって転倒率が減少し、
経頭蓋直流電気刺激によって転倒者数を
減らせることがわかりました。


※転倒率とは?
 一年間でAさんが転倒した数
※転倒者数とは?
 Aさん、Bさん、
Cさん・・・
 のように人数の合計を表します。

 

 

【私が気になるところ】

1点目

運動によって転倒率は減少しましたが、
発症から6ヶ月以上経過した慢性期の
患者さんの転倒率が減少しなかったのです。


2点目

運動、
経頭蓋直流電気刺激のどちらも
エビデンス(根拠)としての確実性が
低いことです。
つまり現状では効果があると断言ができない
ということです。

 

 

最近、「経頭蓋直流刺激」を簡易刺激装置が
一般でも販売されるように
なりました。

しかし安全性の面から日本神経生理学会は
ホームページで注意喚起を行っています。

使用にあたっては担当の医師などに
相談いただくのが良いのかなと思います!

>>経頭蓋直流電気刺激について

>>日本神経生理学会の注意喚起

 

 

転倒の原因は様々です。
脳卒中患者さんの転倒予防の方法は
現時点では確立していません。


身体機能だけの一側面ではなく、
環境面の整備など様々な側面からの
アプローチで転倒予防の方法を
考えなければならないのかなと
感じています。

 

 

本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら
幸いです。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年6月14日)
(更新日:2023年1月1日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Denissen S, Staring W, Kunkel D, et al.
Interventions for Preventing Falls in People
After Stroke.Stroke. 03 2020;51(3):e47-e48.
doi:10.1161/STROKEAHA.119.028157

2)理化学研究所ホームページ
https://www.riken.jp/press/2016/20160322_1/
(2022年3月17日閲覧)

3)日本神経生理学会ホームページ
http://jscn.umin.ac.jp/info/2019-03-28.html
(2022年3月17日閲覧)

 

 

 

 

2022-03-14 17:43:00

今日はホワイトデー。オープンして1ヶ月!

 

本日はホワイトデーですね。

 

 

私の施設はバレンタインデーに
オープンしましたので、
ちょうど1ヶ月になりました。

 

ウェブページで公開しているコラムも
37個になりました。
リハビリに役立つコラムを、
皆様に
役立つ内容ということを念頭に、
これからも書いていきたいと思います。

 

これからもよろしくお願い致します!

 

 

 

 

2022-03-12 13:52:00

素朴な疑問!転倒を運動で予防できるのか?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT(アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本日は転倒を運動で予防できるのかを
解説したいと思います!

 

 

私が病院に勤めていた頃・・・
「転ぶの怖くて動くのがおっくう」
「また転ばないか心配」などの
不安を患者さんから伺うことが
ありました。


不安や心配が少なくなり、
転倒を事前に防げたら良いのにな
と日頃から思っていました。

 

 

転倒予防のために運動を勧められることが
ありますが、本当に効果があるのでしょうか?


その疑問に答えたSherringtonらの
論文を紹介したいと思います!

 

 

この論文では・・・
60歳以上の方を対象として、
筋力トレーニング、有酸素運動、
バランス練習などの運動によって
転倒を予防できるのかを調査されました。

 

 

その結果・・・
運動を行うことで
(運動を行わない場合に比べ)
転倒率や転倒者の
人数を減らせる
ことがわかりました。


しかし・・
75歳以上の方では、

運動を行う場合と運動を行わない場合を
比較したときに転倒率が変わらないという
結果でした。


※転倒率とは?
〇〇さんが一年間で転倒した数です。


※転倒者の人数とは?
〇〇さん、△△さん、▢▢さん・・・・
のように転んだ方を合計した人数です。

 

 

運動の方法としては・・・
歩行練習、バランス練習、太極拳が
効果的であったと報告しています。


太極拳がばっちりできる方は
そもそも転倒しにくい気も
しますが・・・。

 

 

転倒の要因は様々です。
要因によっては運動のみでは
解決が難しいこともあるかも
知れません。


住み慣れた環境を変えるのはとても
勇気がいることですが、手すりの設置や
段差解消など生活環境の変更も
必要な場合もあります。

 

 

今回の論文では、脳卒中や
骨折した患者さんは参加していません。

疾患によって転倒の要因も違い、
対処法も変える必要もあるかも知れません。

 

 

本日は転倒を運動で
予防できるのかを解説しました。


本コラムが皆さまの何かのお役に
立てましたら嬉しいです。


最後までお読み下さり、
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年5月31日)
(更新日:2023年2月17日)
(執筆者:市川 貴章)

 

 

参考文献

1)Sherrington C, Fairhall NJ,Wallbank GK, et al.
Exercise for preventing falls in olderpeople
living in the community.
Cochrane Database Syst Rev. Jan 31
2019;1:CD012424.doi:10.1002/14651858.
CD012424.pub2

 

 

 

 

2024.05.19 Sunday