リハビリコラム
脳卒中患者さんの長距離歩行に必要なこと
こんにちは!
脳卒中・整形外科疾患の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。
本コラムでは脳卒中の患者さんの
長距離歩行に必要なことを
解説したいと思います。
長い距離を歩けるようになるためには
どのような点に注意しながらリハビリを
行えば良いのでしょうか?
今回はAwadらの論文を
紹介したいと思います!
この論文では、
脳卒中を発症から6ヶ月を経過する
患者さんが参加しました。
【実施された検査】
①6分間歩行
②立脚期:マヒ側の推進力・股関節の角度
③遊脚期:マヒ側の足関節とひざの角度
④対称性:歩幅・脚を出すときにかかる時間
※6分間歩行とは?
6分間で歩ける距離を測定します。
※立脚期とは?
歩行中に脚で支えているときのことです。
※遊脚期とは?
歩行中に脚を前に出すときのことです。
※検査の前後で歩行トレーニングを
実施しています。
その結果・・・
歩行可能な距離(6分間で)は、
マヒ側の推進力と股関節伸展角度が
関係することがわかりました。
※伸展角度とは?
股関節の場合、脚を後ろに伸ばせる
角度のことです。
つまり・・・
長距離を歩くためには、
マヒ側の推進力と股関節伸展角度
この2つが大事だと言えます。
長距離を歩くためには、
歩行練習やエルゴメータ(自転車)などの
有酸素運動も選択肢になるかも
知れません。
しかし今回の知見を参考にすると、
①推進力を得るための筋力はあるのか?
②股関節伸展の柔軟性はあるのか?
①と②のような要素に分解して
長く歩くための要素をクリアしているのか
確認する必要があります。
その課題によってはリハビリの内容も
ガラッと変わります。
本コラムでは脳卒中の患者さんの
長距離歩行に必要なことを
解説しました。
本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2022年7月7日)
(更新日:2023年1月16日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Awad LN, Binder-Macleod SA, Pohlig RT,
Reisman DS. Paretic Propulsion and Trailing Limb
AngleAre Key Determinants of Long-Distance
Walking Function After Stroke.
Neurorehabil Neural Repair. 2015
Jul;29(6):499-508.
doi: 10.1177/1545968314554625.
Epub 2014 Nov 10.
PMID: 25385764; PMCID: PMC4426250.