リハビリコラム
パーキンソン病の重症度と移動能力との関係性
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!
本コラムではパーキンソン病患者さんの
重症度と移動能力との関係性を
解説したいと思います。
今回はMollàらの論文を
紹介したいと思います!
この研究では・・・
パーキンソン病患者さんを対象として、
重症度(Hoehn&Yahrステージ)、
移動能力が検査され、スマートフォン
搭載のセンサーが腰に装着されました。
※Hoehn&Yahrステージとは?
1~5までの5段階あり、症状の
重症度を評価するものです。
改良された修正版も開発されています。
ちなみに”ホー(エ)ン・ヤール”と
読みます。
この研究にはステージ1~3の患者さんが
(軽度〜中等度)参加しています。
※移動能力の検査とは?
①腕は体の横につけ、30 秒間静止
②音が鳴ったらで 3 m 離れた椅子に向かい
できるだけ速く真っ直ぐ歩く
③向きを変えてイスに座る
④イスから立ち上がる
⑤できるだけ速くスタート地点まで戻る
この①~⑤の手順を行い測定されています。
移動能力の検査時に
・姿勢制御(バランスのとり方)
・座ったとき・立ち上がるときの力
・時間(所要時間・反応時間)が
センサーで測定されました。
その結果・・・
重症度によって、バランスのとり方、
座ったとき・立ち上がる時の力、
所要時間・反応時間に違いが見られる
ことがわかりました。
Hoehn&Yahrステージは
重症度をみるものですが、
パーキンソン病の症状は
多岐にわたります。
重症度を分類するだけでは、
現在どのような状態なのか詳しいことは
分かりません。
しかし重症度に応じた移動能力の関係性が
わかることでリハビリの戦略も
立てやすいなと感じました。
本コラムでは
パーキンソン病患者さんの重症度と
移動能力との関係性を解説しました。
本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2022年9月30日)
(更新日:2023年6月18日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Mollà-Casanova S, Pedrero-Sánchez J,
Inglés M, López-Pascual J, Muñoz-Gómez E,
Aguilar-Rodríguez M,
Sempere-Rubio N, Serra-Añó P. Impact of
Parkinson's Disease on Functional Mobility
at Different Stages.
Front Aging Neurosci. 2022 Jun
15;14:935841. doi: