リハビリコラム
軽度・中等度のパーキンソン病の患者さんが行うトレーニング~どんな効果がある?~
こんばんは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!
本コラムでは軽度・中等度の
パーキンソン病患者さんの
トレーニングの効果についてを
解説したいと思います。
今回はSchenkmanらの論文を
紹介したいと思います!
この研究では・・・
Hoehn&Yahrステージ1~3の
パーキンソン病患者さん121名が
参加しました。
Hoehn&Yahrステージというのは
1~5までの5段階あり、症状の
重症度を評価するものです。
”ホー(エ)ン・ヤール”と読みます。
Hoehn&Yahrステージ1~3というと
軽度・中等度の症状の方が該当します。
参加された方には、
①FBFグループ
→柔軟体操・バランストレーニング
②AEグループ
→トレッドミル・自転車での有酸素運動
③自宅でのトレーニンググループ
→National Parkinson Foundation Fitness
Countsプログラムを実施。
この3つのグループに振り分けられました。
トレーニングの効果を調査するために、
①Continuous Scale-Physical
Functional Performance [CS-PFP]
:全体的な身体機能
②Functional Reach Test[FRT]
:バランス能力
③酸素摂取量:歩行の効率
④Unified Parkinson's Disease
Rating Scale [UPDRS] の
日常生活動作(ADL)・運動症状
⑤PDQ-39:生活の満足度
①~⑤の検査がトレーニング前後で
行われました。
その結果・・・
①FBFグループ
・CS-PFP(身体機能)が向上
・UPDRS-ADL(日常生活動作)が改善
②AEグループ➔最大酸素摂取量が向上
つまり・・・
身体機能を改善には、
柔軟体操・バランストレーニング
歩行効率を改善には、
有酸素トレーニングが有効である
可能性が高いということが言えます。
目標やお悩みに合わせたトレーニングが
必要ということですね!
今回は紹介していないのですが、
理学療法の効果を検証した論文もあります。
どのようなトレーニングを行うと
どのような効果が期待できるのかが
より詳細にまとめられています!
(今度、紹介させていただきますね!)
本コラムでは、
軽度・中等度のパーキンソン病患者さんの
トレーニングの効果を解説しました。
本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2022年10月1日)
(更新日:2023年12月4日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Schenkman M, Hall DA, Barón AE,
Schwartz RS,Mettler P, Kohrt WM.
Exercise for people in early- or
mid-stage Parkinson disease:
a 16-month randomized controlled trial.
Phys Ther. 2012 Nov;92(11):1395-410.
doi: 10.2522/ptj.20110472. Epub 2012 Jul 19.
PMID: 22822237; PMCID: PMC3488266.