リハビリコラム
パーキンソン病患者さんのサルコペニアと転倒との関係
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!
本コラムではパーキンソン病患者さんの
サルコペニアと転倒との関係性を
解説したいと思います。
今回はLimaらの論文を
紹介したいと思います!
この研究では・・・
パーキンソン病患者さん218名が
参加しました。
※サルコペニアとは?
加齢や栄養不足などによって
筋肉量が減少することです。
サルコペニアを評価する方法の1つに
「SARC-F」があります。
そのSARC-Rを研究参加者の半数以上の
121名がサルコペニア(疑い)陽性と
判定されました。
さらに、
転倒はSARC-F・パーキンソン病の
発症からの期間が関係することが
わかりました。
今回、オッズ比(OR)を用いて
影響の大きさをみているのですが、
①SARC-F:OR1.87(1.02–3.41)
②発症からの期間:OR1.10(1.05–1.15)
※( )の中の数字は95%信頼区間であり、
オッズ比の場合、1をまたぐか否かが
大切な判断基準になります。
(またぐ場合は影響があると言えない)
SARC-Fはサルコペニアのスクリーニングの
(ふるい分け)検査です。
診断を確定するためには握力・歩行速度など
検査の追加が必要です。
今回の論文ではサルコペニアを
改善することで転倒を減らせるか
どうかまではわかりません。
また転倒の原因はサルコペニア以外にも
あります。
それでもパーキンソン病患者さんの
転倒予防を考える上で参考になるのでは
ないかと思っています。
本コラムでは
パーキンソン病患者さんのサルコペニアと
転倒との関係を解説しました。
本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2022年9月29日)
(更新日:2022年12月31日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Lima DP, de Almeida SB, Bonfadini JC,
de Luna JRG, de Alencar MS, Pinheiro-Neto EB,
Viana-Júnior AB, Veras SRO, Sobreira-Neto MA,
Roriz-Filho JS, Braga-Neto P.
Clinical correlates of sarcopenia and falls
in Parkinson's disease.
PLoS One. 2020 Mar 19;15(3):e0227238. doi:
10.1371/journal.pone.0227238.
PMID: 32191713; PMCID: PMC7082018.