歩行専門の自費リハビリ施設「アルコネクト 」

東京都北区東田端にある歩行専門の自費リハビリ施設「アルコネクト」

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リハビリコラム

2022-07-19 17:13:00

脳卒中の患者さんの腕や手のリハビリ!ミラーセラピーの効果とは?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
腕や手のリハビリの1つ、
ミラーセラピーを解説したいと思います。

 

 

※ミラーセラピーとは?
鏡にマヒしていない手や腕を映し、
動かすことでマヒしている手や腕が
運動していることを錯覚させる方法です。
ちなみに手や腕だけではなく脚の
ミラーセラピーもあります!

 

 

そのミラーセラピー。
どのような効果が期待できるのでしょうか?
その疑問に答えたZengらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この論文では・・・
脳卒中の患者さんが対象でした。


①ミラーセラピーを行うグループ

②通常のリハビリを行うグループ


この2つのグループに分け、
ミラーセラピーの
マヒしている腕や
手に対する効果を
検証しています。

 

 

その結果・・・
ミラーセラピーを実施したグループは
(通常のリハビリを行うグループに比べ)
腕や手の動きが改善していました。

 

 

ミラーセラピーはマヒされている
腕や手の運動をイメージできることが
大切です。

私が患者さんにミラーセラピーを実施した
いただいたときの経験なのですが、

”動
いている感覚がイメージできない”
ということがありました。

そこで、ミラーセラピー実施しながら、
電気刺激療法と振動刺激を行ったことも
あります。

ミラーセラピーに限りませんが、
患者さんの状態によって、他のリハビリを
組み合わせることも大切かなと思います。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
リハビリの1つ、ミラーセラピーを
解説しました。



本コラムが皆さまの何かの
お役に
立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年7月19日)
(更新日:2022年12月31日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Zeng W, Guo Y, Wu G, Liu X, Fang Q.
Mirror therapy for motor function of
the upper extremity in patients with stroke:
A meta-analysis. J Rehabil Med. 2018
Jan 10;50(1):8-15.
doi: 10.2340/16501977-2287.
PMID: 29077129.

 

 

 

 

2022-07-09 15:36:00

知っておきたい!脳卒中の患者さんの運動負荷量を増やすメリット

 

こんにちは!
脳卒中・整形外科疾患の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
運動負荷量を増やすメリットを
解説したいと思います。

※運動負荷量とは?
本コラムでは、
「運動負荷の強さ」
「運動を行う時間」と
定義したいと思います!

 

 

脳卒中の患者さんの
運動負荷量が増えるとどのような
メリットがあるのでしょうか?


詳しくお話するために、
今回はKlassenらの
論文を
紹介したいと思います!

 

 

この論文では・・・
入院されている18歳以上の脳卒中の
患者さんが対象となりました。


通常のリハビリを1時間

通常のリハビリよりも負荷が2倍で
 時間は1時間

通常のリハビリよりも負荷が4倍で
 時間は2時間


この3つのグループを比較し
運動負荷量が
増えることで
どのような効果が
あるのか
調査しています。

 

 

その結果・・・
通常のリハビリを行ったグループに比べ
運動量の多いグループは、
歩行距離が延び、歩行速度も向上し、
患者さんが感じる健康感などが
改善できる
ことがわかりました。



つまり・・・
運動負荷量を増やすことで歩行能力が
向上し、健康感も改善できることが
明らかになりました。

 

 

運動の負荷(強さ)や運動を行う時間が
大切であることがいえます。


私も回復期リハビリテーション病棟の
専任であったときは、運動量を確保するため
患者さんの歩行練習を看護師さんや
介護士さんに協力いただいたことも
あります。


リハビリ以外でも運動量を
確保することも大切ですね!

 

 

ただ患者さんの状態によっては、
運動負荷量を増やすことでかえって
お体の状態が
悪くなることもあります。
転倒する危険もあるかも知れません。


現在、リハビリを受けている方でしたら
担当者に適切な運動量をご相談いただいても
良いかも知れません。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
運動負荷量を増やすメリットについてを
解説しました。



本コラムが皆さまの何かの
お役に
立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年7月9日)
(更新日:2022年12月29日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Klassen TD, Dukelow SP, Bayley MT,
Benavente O, Hill MD, Krassioukov A,
Liu-Ambrose T, Pooyania S, Poulin MJ,
Schneeberg A, Yao J, Eng JJ.
Higher Doses Improve Walking Recovery During
Stroke Inpatient Rehabilitation. Stroke. 2020
Sep;51(9):2639-2648. doi: 10.1161/
STROKEAHA.
120.029245. Epub 2020 Aug 19.
PMID: 32811378.

 

 

 

 

2022-07-08 17:35:00

脳卒中の患者さんの歩行!推進力を上げるために必要なこと

 

こんにちは!
脳卒中・整形外科疾患の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
歩行時の推進力についてを
解説したいと思います。

※推進力・・・
本コラムでは前に進む力のことです。

 

 

前回のコラムで脳卒中の患者さんが
長い距離を歩くためには・・・
マヒ側の推進力と脚を後ろに伸ばせる

角度が大切という話をしました。

>>脳卒中の患者さんが長い距離を
  歩くために必要な要素とは?

 

 

では推進力を上げるためには
どうすればよいのでしょうか?

実はこの推進力。
「脚を後ろに伸ばせる角度」と
「足首を下げる力」が
大切と言われています。

長く歩くために必要な要素と
重なりますね!

詳しくお話するために今回はHsiaoらの
論文を紹介したいと思います。

 

 

この論文では・・・
脳卒中の患者さんが対象でした。

・いつも通りの速度
・早い速度
この2通りの歩行を比較し
「脚を後ろに伸ばせる角度」と
「足首を下げる力」
この2つの推進力への
影響を検証しています。

 

 

その結果・・・
参加された方の平均をみると・・・
マヒ側の脚を後ろに伸ばせる角度は74%、
マヒ側の足首を下げる力は17%が
推進力に影響を与えることがわかりました。

つまり・・・
推進力には脚を後ろに伸ばす角度が
大きく影響していることがわかりました。

※ちなみにマヒされていない側も
 おおよそ同じような傾向でした。

 

 

ではこの結果を踏まえてどのように
リハビリに活かしていくのか・・・

 

 

推進力を上げるということは
歩行速度を上げることにもつながり
長い距離を歩くためにも必要です。

脚を後ろに伸ばせる角度を増やすことが
1つのヒントになります。

そのためにリハビリの検査が大切です。


例えば・・・
・足首や股関節は柔らかいか
・右(左)脚が前、左(右)脚が後ろという
 位置関係でバランスがとれるか
 などをみていきます。


その検査で明らかになった課題に
合わせてリハビリメニューを
行うことがポイントです。

 

 

しかし脳卒中の方の症状は
マヒの強さ、痙縮(けいしゅく)、
運動失調、感覚障害など
お一人お一人で違います。


そのため・・・
バランスを崩さずにゆっくりと
安全に歩けるようになることが
必要になることもあるかも知れません。

 

突然、歩き方を変えると
バランスを崩すこともあります。
 
病院やデイケアなどでリハビリを
行っている方でしたら、まずは
担当者にご相談いただくのを
お勧めいたします。

 

 

※痙縮・・・
腕や脚が突っ張ってしまったり
こわばってしまう症状です。

※運動失調・・・
手や足が滑らかに動かすことが
難しくなったり、
起立や歩いている時に
バランスがとりにくくなる症状です。

※感覚障害・・・
触っている感覚などが
わかりにくくなる症状です。

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
歩行の推進力を解説しました。

本コラムが皆さまの何かの
お役に
立てましたら幸いです。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(更新日:2022年7月8日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Hsiao H, Knarr BA, Higginson JS,
Binder-Macleod SA. The relative contribution
of ankle moment and trailing limb angle to
propulsive force during gait. Hum Mov Sci.
2015 Feb;39:212-21. doi: 10.1016/j.
humov.2014.11.008. Epub 2014 Dec 12.
PMID: 25498289; PMCID: PMC4272868.

2)Hsiao H, Knarr BA, Higginson JS,
Binder-Macleod SA.
Mechanisms to increase propulsive force for
individuals poststroke. J Neuroeng Rehabil.
2015 Apr 18;12:40. doi: 10.1186/s12984-
015-0030-8. PMID: 25898145;
PMCID: PMC4406180.

 

 

 

 

2022-07-07 17:20:00

脳卒中患者さんの長距離歩行に必要なこと

 

こんにちは!
脳卒中・整形外科疾患の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
長距離歩行に必要なことを
解説したいと思います。

 

 

長い距離を歩けるようになるためには
どのような点に注意しながらリハビリを
行えば良いのでしょうか?

 

 

今回はAwadらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この論文では、
脳卒中を発症から6ヶ月を経過する
患者さんが参加しました。

【実施された検査】
①6分間歩行
②立脚期:マヒ側の推進力・股関節の角度
③遊脚期:マヒ側の足関節とひざの角度
④対称性:歩幅・脚を出すときにかかる時間

※6分間歩行とは?
6分間で歩ける距離を測定します。

※立脚期とは?
歩行中に脚で支えているときのことです。

※遊脚期とは?
歩行中に脚を前に出すときのことです。


※検査の前後で歩行トレーニングを
 実施しています。

 

 

その結果・・・
歩行可能な距離(6分間で)は、
マヒ側の推進力と股関節伸展角度が
関係することがわかりました。


伸展角度とは?
股関節の場合、脚を後ろに伸ばせる
角度のことです。

 

 

つまり・・・
長距離を歩くためには、
マヒ側の推進力と股関節伸展角度
この2つが大事だと言えます。

 

 

長距離を歩くためには、
歩行練習やエルゴメータ(自転車)などの
有酸素運動も選択肢になるかも
知れません。


しかし今回の知見を参考にすると、
①推進力を得るための筋力はあるのか?
②股関節伸展の柔軟性はあるのか?


①と②のような要素に分解して
長く歩くための要素をクリアしているのか
確認する必要があります。

その課題によってはリハビリの内容も
ガラッと変わります。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
長距離歩行に必要なことを
解説しました。

本コラムが皆さまの何かの
お役に
立てましたら幸いです。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年7月7日)
(更新日:2023年1月16日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Awad LN, Binder-Macleod SA, Pohlig RT,
Reisman DS. Paretic Propulsion and Trailing Limb
AngleAre Key Determinants of Long-Distance
Walking Function After Stroke.
Neurorehabil Neural Repair. 2015
Jul;29(6):499-508.
doi: 10.1177/1545968314554625.
Epub 2014 Nov 10.
PMID: 25385764; PMCID: PMC4426250.

 

 

 

 

2022-06-18 11:15:00

知っておきたい!脳卒中患者さんのストレッチの効果

 

こんにちは!
脳卒中・整形外科疾患の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

今回は脳卒中の患者さんの痙縮や
腕や手の関節に対するストレッチの
効果を解説したいと思います!

 

 

痙縮とは・・・
手や足が突っ張ってしまったり、
こわばってしまう症状です。

脳卒中の患者さんの25.3~39.5%の
割合で生じるとされており、
関節が固まってしまったり、
痛みの原因になることもあります。

 

 

リハビリの現場で行われるストレッチ。
果たして痙縮を和らげたり、腕や手の
関節可動域を広げる効果は
あるのでしょうか?


その疑問に答えた
Salazarらの
論文を紹介したいと思います!


※可動域・・・
動く範囲のことです。
可動域が広がるということは、関節を
大きく動かせるということです。

 

 

この論文でのストレッチとは・・・
①手につける装具を使用したストレッチ
②通常行われる筋肉を伸ばすストレッチ
(静的ストレッチと呼ばれる方法で
 ジワーっと伸ばすストレッチです。)

 

 

結果は・・・
装具を使用した手首のストレッチは
手首を曲げる筋肉の痙縮を
軽減できることがわかりました。


反対に・・・
通常行われるストレッチと
リハビリ(理学療法)とを比べた場合、
腕や手の関節可動域には
差がないことがわかりました。

 

 

装具を装着することで長い時間を
かけて筋肉を伸ばすことができます。


そのため、リハビリの時間以外にも
行える点がメリットです。


しかし・・・
腕や手を触っている感覚が
わかりにくい場合には、
装具が接触している部分に
傷ができないように注意が必要です。

 

 

また装具には多くの種類があります。
現在、病院、デイケアなどでリハビリを
されている方であれば、適応も含めて
担当者にご相談するのも良いかも
知れません!

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
ストレッチの効果を解説しました。

皆さまの何かのお役に
立てましたら幸いです。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(更新日:2022年6月18日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Salazar AP, Pinto C, Ruschel Mossi JV, at al.
Effectiveness of static stretching positioning on
post-stroke upper-limb spasticity and mobility:
Systematic review with meta-analysis.
Ann Phys Rehabil Med. 2019 Jul;62(4):274-282.
doi: 10.1016/j.rehab.2018.11.004. Epub 2018
Dec 22. PMID: 30582986.

2)Zeng H, Chen J, Guo Y, Tan S. Prevalence and
Risk Factors for Spasticity After Stroke:
A Systematic Review and Meta-Analysis.
Front Neurol. 2021 Jan 20;11:616097.
doi: 10.3389/fneur.2020.616097. PMID: 33551975;
PMCID: PMC7855612.

 

 

 

 

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2023.03.26 Sunday