歩行専門の自費リハビリ施設「アルコネクト 」

東京都北区東田端にある歩行専門の自費リハビリ施設「アルコネクト」

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リハビリコラム

2022-08-02 10:36:00

脳卒中患者さんの固有感覚障害とバランス障害の関係

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムは脳卒中の患者さんの
足関節の固有感覚障害とバランス障害
との
関係を
解説したいと思います。


今回はChoらの論文を
ご紹介したいと思います!

 

 

この研究では6ヶ月以上前に脳卒中を
患った方で、歩行が
見守りもしくは
自立の患者さんが参加しました。


※バランス能力の検査
・Berg Balance Scale (BBS)
・Timed Up and Go(TUG)
この2つが行われました。


論文ではBBS得点が46点以下、
TUGが13.5秒以上の場合を
バランス障害と定義しています。


※固有感覚とは?
腕や脚がどのぐらい曲がっているのか
(伸びているのか)、筋肉の長さなどの
感覚のことです。

 

 

結果は・・・
バランス障害は足首の固有感覚障害
関係
することがわかりました。


さらにバランス障害があるグループは
(バランス障害がないグループに比べて)
足関節の固有感覚障害を3.49倍もつことも
明らかにされています。

 

 

 

足関節の固有感覚障害があることで
バランスが悪くなってしまうという
結果をみて不安に思われる方も
いらっしゃるかも知れません。


バランス能力は固有感覚のみで
成り立つものではありません。


例えば、
Horakらの報告によると、
①生体力学的制約
②安定限界/垂直性
③予測姿勢調整
④姿勢反応
⑤感覚的方向性
⑥歩行の安定性

この6つを基盤としてバランスが
成り立つと説明しています。



バランス能力を分析し、課題にあった
リハビリを行うことが大切です!!

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
足関節の固有感覚障害とバランス障害との
関係を解説しました。


本コラムが皆さまの何かの
お役に
立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年8月2日)
(更新日:2023年1月16日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Cho JE, Kim H.
Ankle Proprioception DeficitIs the Strongest
Factor Predicting Balance Impairment in
Patients With Chronic Stroke.
Arch Rehabil Res Clin Transl. 2021 Nov 2;3(4):
100165. doi: 10.1016/j.arrct.2021.100165.
PMID: 34977547; PMCID: PMC8683870.

2)Horak FB, Wrisley DM, Frank J.
The Balance Evaluation Systems Test (BESTest) to
differentiate balance deficits.
Phys Ther. 2009 May;89(5):484-98.
doi: 10.2522/ptj.20080071.
Epub 2009 Mar 27.
PMID: 19329772; PMCID: PMC2676433.

 

 

 

 

 

 

2022-07-30 15:19:00

脳卒中患者さんの歩行とバランス能力との関係性とは?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

バランス能力の検査は数多くありますが
その中でもBESTest
(Balance EvaluationSystems Test:
ベステスト
というものがあります。

ベステストは・・・
①生体力学的制約
(筋力など)

②安定性限界
(どこまで手を伸ばせるかなど)

③予測的姿勢制御
(起立などの動作)

④反応的姿勢制御
(バランスを崩した時に回復できるかなど)

⑤感覚機能
(目を閉じて立てるかなど)

⑥歩行安定性
(平地での歩行など)

この6つに分けてバランス能力を
詳しく検査するものです。

 

 

そのバランス能力と歩行はどのような関係が
あるのでしょうか。



Miyataらによれば・・・
BESTestの得点が高いほど
(バランスが良いほど)歩行可能な
範囲が広いことがわかっています。


そして基準値は・・・
BESTestの6つの項目それぞれで
算出されています。


自宅のみ歩行可能な方と
自宅周辺のみ歩行可能な方を分ける
BESTestの基準値は36.1 ~ 78.6%の
範囲にあることがわかりました。


安定性限界と感覚機能この2つの項目
以外は(満点の)半分以下の値でした。



※ちなみに自宅周辺のみ歩行可能な
方と制限なく外出(歩行)可能な
方との基準点も算出されています。

 

 

この研究結果は、お体の状態によっても
違いますが、屋外を歩くための1つの目安に
なるのではないでしょうか?


今回出てきたBESTestはバランス能力の
全体をみる良い検査なのですが、
とても時間がかかるのが欠点です。


そのため
Mini-BESTestやBrief-BESTestと
呼ばれる縮小版も開発されています。


ここで大切なのは一口にバランスと言っても
構成している要素にしたがってバランスを
検査・評価することであると考えています。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
歩行とバランス能力との関係性を
解説しました。


本コラムが皆さまの何かの
お役に
立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年7月30日)
(更新日:2023年5月20日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Miyata K, Hasegawa S, Iwamoto H, Otani T,
Kaizu Y, Shinohara T, Usuda S.
Which Balance Evaluation Systems Test sections
best distinguish levels of post-stroke
functionalwalking status? J Rehabil Med. 2021
Sep 24;53(9):jrm00230.
doi: 10.2340/16501977-2870.
PMID: 34486068; PMCID: PMC8638744.

 

 

 

 

2022-07-28 13:35:00

脳卒中患者さんの職場復帰と歩行速度の関係性

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
職場復帰と歩行速度の関係を
解説したいと思います。


今回は職場復帰と歩行速度の関係性を
研究したJarvis
 らの論文をご紹介したいと
思います!

 

 

この論文では18歳~65歳の脳卒中の方を
対象としています。


脳卒中を患ったことのない方と比較し
歩行能力(歩行速度や代謝エネルギー
コストなど)にどのような違いがあるのか、
また職場復帰するための歩行能力を
調査しています。

※代謝エネルギーコストとは?
歩行の効率性をみる指標の1つです。

 

 

ここでは、職場復帰するための
歩行能力の結果をお伝えしたいと
思います!


結果は・・・
職場復帰している場合と
復帰していない場合を比較すると
歩行速度が影響していることが
わかりました。


目安となる歩行速度は0.93m/secであり、
歩行速度がゆっくりになるほど、
代謝エネルギーコストも上がる
ということもわかりました。

 

 

お仕事の内容やお体の状態にもよりますが
職場復帰ということを考えた場合に
0.93m/secというのが1つの指標
なるかも知れません。


※歩行速度だけでは職場復帰の可否を
 決められないことをお含みおき
 下さい!

 

 

しかし!!
目安となる0.93m/secを目標に
速く歩く練習だけをすればいいのかと
というとそうではありません。


「速く」歩くために必要な要素を
考えていく必要があります。
例えば、歩行中の股関節の動きや
筋肉の使い方などです。


その要素を分析し、その結果に応じた
トレーニングを行ったり、場合によっては
杖や装具の使用など考えなくては
ならないこともあります。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
職場復帰と歩行速度の関係性を
解説しました。


本コラムが皆さまの何かの
お役に
立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年7月28日)
(更新日:2022年12月31日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Jarvis HL, Brown SJ, Price M, Butterworth C,
Groenevelt R, Jackson K, Walker L, Rees N,
Clayton A, Reeves ND.
Return to Employment After Stroke in
Young Adults: How Important Is the Speed and
Energy Cost of Walking?
Stroke. 2019 Nov;50(11):3198-3204. doi: 10.1161/
STROKEAHA.119.025614. Epub 2019 Sep 26.
PMID: 31554503; PMCID: PMC6824505.

 

 

 

 

2022-07-26 18:40:00

脳卒中患者さんが行う障害物回避トレーニング

 

こんにちは!
脳卒中・整形外科疾患の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
障害物回避トレーニングを
解説したいと思います。


脳卒中の患者さんが障害物トレーニングを
行うとどのような効果があるのか?
その疑問に答えたのがMuroi らの論文です。

 

 

ここでの障害物回避トレーニングとは、
①トレッドミル上での歩行+
バーチャルリアリティー(VR)を用いた
歩行練習、障害物またぎ等を行うもの
②トレッドミル上での歩行+
実際の障害物またぎを行うもの


この2つの方法が採用され、
歩行速度、歩行距離などの歩行能力、
バランス能力などへの影響(効果)を
検証しています。

 

 

その結果・・・
通常の歩行練習グループと
障害物回避トレーニングを行った
グループを比較すると歩行能力や
バランス能力には差がなかったことが
わかりました。

 

 

ただ・・・
障害物回避トレーニングが
効果がないと
いうことではありません。


なぜなら比較したグループも
歩行練習を行っています!
障害物回避トレーニングと
通常の歩行練習を比べて効果に
差がないかも知れないということです。

 

 

障害物回避トレーニングのみを行っている
研究が少ないため、研究数の増加とともに
結果が変わる可能性があると思います。


個人的には歩行中のバランス能力に
特化した検査にはどんな影響(効果)が
あるのか、また
トレッドミルを使用しない
場合にはどんな影響(効果)があるのか
気になるところです。

 

 

ご自宅内の移動や外出時のために
障害物をまたいだり、避けたりする
練習はとても大切と感じています。


スムーズに障害物をまたいだり、
避けるようになるためだけでなく、
安全に行うために、手すりの設置、

段差の高さの調整などの環境を整備
するためにも大事な練習です。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
障害物回避トレーニングについてを
解説しました。



本コラムが皆さまの何かの
お役に
立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(更新日:2022年7月26日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Muroi D, Ohtera S, Kataoka Y, Banno M,
Tsujimoto Y, Tsujimoto H, Higuchi T.
Obstacle avoidance training for individuals
with stroke: a systematic review and meta-analysis.
BMJ Open. 2019 Dec 16;9(12):e028873.
doi: 10.1136/bmjopen-2018-028873.
PMID: 31848159; PMCID: PMC6937042.

PMID: 32811378.

 

 

 

 

2022-07-19 17:13:00

脳卒中の患者さんの腕や手のリハビリ!ミラーセラピーの効果とは?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
腕や手のリハビリの1つ、
ミラーセラピーを解説したいと思います。

 

 

※ミラーセラピーとは?
鏡にマヒしていない手や腕を映し、
動かすことでマヒしている手や腕が
運動していることを錯覚させる方法です。
ちなみに手や腕だけではなく脚の
ミラーセラピーもあります!

 

 

そのミラーセラピー。
どのような効果が期待できるのでしょうか?
その疑問に答えたZengらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この論文では・・・
脳卒中の患者さんが対象でした。


①ミラーセラピーを行うグループ

②通常のリハビリを行うグループ


この2つのグループに分け、
ミラーセラピーの
マヒしている腕や
手に対する効果を
検証しています。

 

 

その結果・・・
ミラーセラピーを実施したグループは
(通常のリハビリを行うグループに比べ)
腕や手の動きが改善していました。

 

 

ミラーセラピーはマヒされている
腕や手の運動をイメージできることが
大切です。

私が患者さんにミラーセラピーを実施した
いただいたときの経験なのですが、

”動
いている感覚がイメージできない”
ということがありました。

そこで、ミラーセラピー実施しながら、
電気刺激療法と振動刺激を行ったことも
あります。

ミラーセラピーに限りませんが、
患者さんの状態によって、他のリハビリを
組み合わせることも大切かなと思います。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
リハビリの1つ、ミラーセラピーを
解説しました。



本コラムが皆さまの何かの
お役に
立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年7月19日)
(更新日:2022年12月31日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Zeng W, Guo Y, Wu G, Liu X, Fang Q.
Mirror therapy for motor function of
the upper extremity in patients with stroke:
A meta-analysis. J Rehabil Med. 2018
Jan 10;50(1):8-15.
doi: 10.2340/16501977-2287.
PMID: 29077129.

 

 

 

 

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2023.12.03 Sunday