歩行専門の自費リハビリ施設「アルコネクト 」

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リハビリコラム

2022-10-29 14:59:00

脳卒中患者さんの転倒回数と関係する要因とは?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは脳卒中患者さんの
転倒回数と関係する要因を
解説したいと思います。

 

 

今回はAlenazi らの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この研究では・・・
脳卒中発症後3ヶ月以上経過した
患者さん197名が参加しました。

 

 

研究期間中、

①転倒しなかったグループ

②1回以上転倒があったグループ

この2つのグループに分けられ、
転倒の回数にどのような要因(原因)が
影響しているのかを調査されました。

 

 

その結果・・・
転倒したグループと転倒しなかった
グループを比較したときに、

・6分間歩行:歩行距離
・PHQ-9:うつの程度
・Functional Reach Test:バランス能力

この3つの検査結果に違いが
あることがわかりました。


さらに、
・服薬数が多いこと
・うつ病スコアが高いこと
・FRTの到達距離が短いこと

この3つは転倒回数の増加と
関係があることがわかりました。


それぞれのカットオフ(基準値)は、
・服薬数は8.6個
・PHQ-9は2.5点
・FRTは18.15cm でした。


※カットオフ値の判断には「感度」「特異度」
など検査が正確に判定できるのかの指標に
ついても検討しなくてはなりません。

 

 

転倒の要因は様々です。
今回の研究のような調査は
どのような方が転倒しやすいのかを
知ることにつながり、その対策も
立てやすくなります!

 

 

本コラムでは、
脳卒中患者さんの転倒回数と
関係する要因を解説しました。


本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年10月29日)
(更新日:2023年2月17日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Alenazi AM, Alshehri MM, Alothman S, Rucker J,
Dunning K, D'Silva LJ, Kluding PM.
Functional Reach, Depression Scores,
and Number of Medications Are Associated With
Number of Falls in People With Chronic Stroke.
PM R. 2018 Aug;10(8):806-816. doi: 10.1016/
j.pmrj.2017.12.005. Epub 2017 Dec 26.
PMID: 29288141; PMCID: PMC7200172.

 

 

 

 

2022-10-28 22:37:00

慢性期の脳卒中患者さんの歩行能力改善に必要なこと

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (
アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは慢性期の脳卒中患者さんの
歩行能力改善に必要なことを
解説したいと思います。

 

 

そこで今回はpangらの論文を
紹介したいと思います。

 

 

この研究では・・・
発症から1年以上を経過した50歳以上の
脳卒中患者さん63名が参加しました。


そして・・・
①脚のエクササイズ
②腕のエクササイズ
この2つのグループに分けられました。


脚のエクササイズは・・・
・有酸素運動
・バランストレーニング
・筋力トレーニング


腕のエクササイズは・・・
・肩の筋力トレーニング
・腕へ体重をかけるトレーニング
・手の筋力トレーニングと
 機能的トレーニング
 (ものを掴んで移動させる)
うまく手首が動かせない患者さんには
電気刺激が併用されました。


この2つのグループは・・・
1時間/回、週3回、19週間の
リハビリを行いました。

 

 

その結果の一部を紹介したいと思います。


脚のエクササイズを行ったグループは
エクササイズの前後の比較で
歩行距離、脚の筋力(左右とも)
バランス能力の有意な改善がみられました。


腕のエクササイズを行ったグループは
エクササイズの前後の比較で
歩行距離・バランス能力の有意な
改善がみられました。


そして歩行能力に改善には
・マヒしている脚の筋力
・全身持久力
この2つによって説明されるという
ことがわかりました。

 

 

この論文を読み、実際に現場で応用していく
ときに注意が必要だなと感じた点を
紹介したいと思います。


1つ目は・・・
歩行能力改善を100%とした場合に、
「マヒしている脚の筋力」
「全身持久力」
この2つで説明できるのは
22.9
%であることです。


残りの80%近くは
この2つの要因だけでは
説明ができないということです。


つまり、歩行能力改善には
他にも要因があるのではないか
ということが言えるかと思います。


2つ目は・・・
今回は各トレーニングの変化量の
差をみているため、各トレーニングに
よる効果の差は調査されていません。


そして何より、トレーニング方法によって
効果量(効果の大きさ)の違いが
どの程度あるのか気になるところです。

 

 

腕のエクササイズを行ったグループにも
歩行能力やバランス能力が変化した点は
興味深いなと感じました。

 

 

本コラムでは、
慢性期脳卒中患者さんの歩行能力改善に
必要なことを解説しました。


この論文は2008年の報告ですし、
1つの論文のみで判断するのは
危険なので似た論文を探し、
コラムに追記していきたいと思います。


本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(更新日:20221028)
(
執筆者:市川 貴章

 

 

参考文献
1)Pang MY, Eng JJ. Determinants of improvement
in walking capacity among individuals
with chronic stroke following
a multi-dimensional exercise program.
J Rehabil Med. 2008 Apr;40(4):284-90.
doi: 10.2340/16501977-0166.
PMID: 18382824.

 

 

 

 

2022-10-28 22:20:00

脳卒中患者さんのリハビリ!足関節の運動と電気刺激療法の効果

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは慢性期の脳卒中患者さんの
足関節の運動と電気刺激療法を併用した時の
効果についてを解説したいと思います。

 

 

今回はChoらの論文を
紹介したいと思います。

 

 

この研究では・・・
慢性期の脳卒中患者さん35名が参加し、
2つのグループに分けられました。

①足関節の運動と電気刺激療法:
足関節の動き(背屈・回内)に合わせて
電気刺激療法を実施するグループです。

※背屈とは、つま先をあげる動きです。
※回内とは、小指側をあげ、親指側を
      さげる足首をひねる動きです。

②電気刺激療法のみ実施するグループ


①、②のグループともに
90分/日の
標準的なリハビリテーションも
行われました。


足関節の運動は、機器を用いて受動的に
(機器に動かされて)行われました。


電気刺激療法は、
前脛骨筋・長腓骨筋など
足首をあげるときに働く筋肉に対して
実施されました。

 

 

その結果は・・・
足関節の運動と電気刺激を併用した
グループは足関節の筋力や可動域
(回内・回外)の改善が得られました。
(電気刺激療法のみと比べて)

※回内・回外ともに足首を
 ひねるような動きです。


さらにバランス能力や転倒恐怖感、
歩行速度、歩幅なども有意な改善が
得られることがわかりました。


ちなみに・・・
電気刺激のみのグループにも
バランス能力や歩幅の改善が
みられていました。

 

 

この論文では機器を用いていますが、
足関節の運動を「受動的」に行った場合でも
効果があったことは興味深いなと感じました。

 

 

本コラムでは、
慢性期脳卒中患者さんの足関節の運動と
電気刺激療法を併用した時の効果に
ついてを解説しました。


本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(更新日:2022年12月29日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Cho JE, Shin JH, Kim H.
Does electrical stimulation synchronized with
ankle movements better improve
ankle proprioception and gait kinematics
in chronic stroke? A randomized controlled study.
NeuroRehabilitation. 2022;51(2):259-269.
doi: 10.3233/NRE-220018.
PMID: 35527578; PMCID: PMC9535592.

 

 

 

 

2022-10-25 17:23:00

脳卒中の患者さんの屋外歩行練習の効果

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは脳卒中患者さんの
屋外歩行練習の効果を解説したいと
思います。

 

 

今回はKimらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この研究では・・・
発症後6ヶ月以上を経過した
脳卒中患者さん26名が参加しました。

さらに、
①標準的なリハビリ+屋外歩行練習

②標準的なリハビリのみ

この2つのグループに分けられました。


※標準的なリハビリとは?
・理学療法を30分/日×週5回×4週間
 (体幹や脚のリハビリ)

・作業療法を
30分/日×週5回×4週間
 (手や肩のリハビリ)

※屋外歩行練習とは?
・30分/日×週5回×4週間
1週間ごとに歩行練習を行う場所を
変更しています。

 

 

その結果・・・
屋外歩行練習を行ったグループは
(行わないグループに比べて
)
歩行速度や歩行距離、そして
社会参加スコアの改善が得られたと
報告しています。

 

 

【私が気になる点】

1つ目
トレーニング方法による効果量
(効果の大きさ)の違いが
どの程度あるのか気になります。


2
つ目
屋外歩行練習を行ったグループは、
30分多くリハビリを行っている点です。
もしかしたら屋外という環境要因以外にも
歩行量が影響している可能性があります。

 

 

屋外歩行は通行者とのすれ違い・坂道など
屋内ではあまり経験できないことを
練習することができます。


私の経験からも屋外歩行練習を続けて
行うことで、屋外を一人で歩けるように
なった方、自信がつき職場まで
歩けるようになった方もいらっしゃいます。


室内だけでなく屋外での歩行練習も
重要と経験的に感じています。

 

 

本コラムでは、
脳卒中患者さんが行う
屋外歩行練習の効果を
解説しました。



本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年10月25日)
(更新日:2023年12月4日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Kim M, Cho K, Lee W. Community walking
training program improves walking function
and social participation in chronic stroke patients.
Tohoku J Exp Med. 2014 Dec;234(4):281-6.
doi: 10.1620/tjem.234.281. PMID: 25483170.

 

 

 

 

2022-10-21 16:46:00

脳卒中患者さんが行う体重負荷練習の効果

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは脳卒中患者さんが行う
体重負荷練習の効果を解説したいと
思います。

 

 

今回はLiaoらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この研究では・・・
発症から6ヶ月以上を経過した
脳卒中患者さん56名が参加しました。



①バランストレーニンググループ
機器を用いたバランス練習を
行いました。

②ラテラルウェッジグループ
マヒされてない側に傾斜5°の
インソールを使用。

③通常のリハビリグループ

この3つのグループに振り分けられ、
バランス能力に対する効果が
調査されました。

 

 

その結果・・・
バランストレーニングや
ラテラルウェッジを用いることで
バランス能力が向上することが
わかりました。


※この研究ではバランス能力の検査に

 Balance Computerized Adaptive Test:
バランスCATが使用されています。

この検査を用いた理由が
気になるところです!

 

 

脳卒中発症後6ヶ月以降でも、
体重移動(負荷)練習を行うことで、
バランス能力に効果が期待できる
という
ことです。
私としては、トレーニング方法による
効果量の違いも気になるところです。

 

本コラムでは、
脳卒中患者さんが行う
体重移動(負荷)練習の効果を
解説しました。



本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年10月21日)
(更新日:2022年12月31日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Liao WC, Lai CL, Hsu PS, Chen KC, Wang CH.
Different weight shift trainings can improve
the balance performance of patients with
a chronic stroke: A randomized controlled trial.
Medicine (Baltimore). 2018 Nov;97(45):e13207.
doi: 10.1097/MD.0000000000013207.
PMID: 30407361; PMCID: PMC6250502.

 

 

 

 

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2024.04.20 Saturday