歩行専門の自費リハビリ施設「アルコネクト 」

歩行専門”の自費リハビリ施設 『アルコネクト』

▸科学的な裏付けに基づくリハビリ

▸認定理学療法士の資格保有者が対応

▸完全予約制の個別対応
 03-6693-0966
お問い合わせ

リハビリコラム

2023-02-13 14:07:00

脳卒中患者さんの両脚への電気刺激!どんな効果がある?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは脳卒中患者さんの
両脚に電気刺激を行うことで
得られる効果を解説します。

  

 

通常、マヒ側の運動機能の改善や
非マヒ側の筋力低下を予防するために
行われる電気刺激ですが、両側に電気刺激を
行うとどのような効果があるのでしょうか。

今回は
Kwongの論文を紹介したいと思います!

 

 

この研究では・・・
脳卒中患者さん80名が参加しました。

①両脚の電気刺激+課題指向型練習


②マヒ側の電気刺激+課題指向型練習

③非マヒ側の電気刺激+課題指向型練習
 
この3つのグループに分けられ
それぞれの効果が調査されました。

 

 

ここでいう電気刺激とは?

TENSとよばれる種類です。
電気が流れる感覚はあるけれど、
手や脚が電気によって動くことはない
程度の刺激で行う方法です。


課題指向型練習とは?

スクワット、かかと挙げ、段差昇降
などの練習のことです。

 

 

その結果・・・
(片脚の電気刺激と比べて)
両側の電気刺激と課題指向型練習を
行ったグループではマヒ側の足関節背屈筋力と
歩行能力の改善が得られることがわかりました。


※背屈とは?
足関節の場合は、つま先を挙げる
動きのことです。

 

 

マヒ側の手や脚に電気刺激を行うことは
昔から行われていました。


ただ今回の研究ではマヒ側だけでなく、
マヒしていない(非マヒ)側にも電気刺激を
行っている点が今までと違うところです。


非マヒ側とマヒ側を同時に電気刺激することで
改善が得られるとすれば、リハビリメニューの
選択肢の一つになりうるかも知れません。


脳卒中患者さんの非マヒ側の筋力トレーニングの
効果も検証されていることを踏まえると、
マヒ側だけでなく非マヒ側にも
注目が必要ですね!

 

 

今回は脳卒中患者さんの両脚同時に
電気刺激することで得られる効果を
解説しました。


本コラムが皆さまの何かの

お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2023年2月13日)
(更新日:2023年12月4日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Kwong PWH, Ng GYF, Chung RCK, Ng SSM.
Bilateral Transcutaneous Electrical Nerve
StimulationImproves Lower-Limb Motor
Function in SubjectsWith Chronic Stroke:
A Randomized Controlled Trial.
J Am Heart Assoc. 2018 Feb 8;7(4):e007341.
doi: 10.1161/JAHA.117.007341.
PMID: 29437598; PMCID: PMC5850185.

 

 

 

 

2023-02-11 23:35:00

脳卒中患者さんに対する非マヒ側の筋力トレーニングの効果

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは脳卒中患者さんに対する
非マヒ側の筋力トレーニングの効果を
解説したいと思います。


※非マヒ側とは?
 マヒしていない側のことです。

  

 

今回はShaoらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この研究では・・・
脳卒中患者さん139名が参加しました。

①通常のリハビリに基づく非マヒ側の
 筋力トレーニング

②通常のリハビリ
 立位でのステップ練習・体幹トレーニングなど

この2つのグループに分けられ
それぞれの効果が調査されました。

 

 

その結果・・・
バランス能力と非マヒ側の筋力は
①と②の両方のグループで
改善がみられました。


しかしながら、6分間歩行距離や
マヒ側の筋力は①のグループが
(②のグループに比べて)改善が
得られたと報告しています。

 

 

マヒ側だけでなく、非マヒ側の
トレーニングも大切ということですね!


この論文のポイントは
非マヒ側の筋力トレーニングを
立位で行ったことなのかなと
思います!

 

 

本コラムでは、脳卒中患者さんの
非マヒ側の筋力トレーニングの効果を
解説しました。


本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2023年2月11日)
(執筆日:2023年2月17日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Shao C, Wang Y, Gou H, Xiao H, Chen T.
Strength Training of the Nonhemiplegic Side
Promotes Motor Function Recovery i
n Patients With Stroke:
A Randomized Controlled Trial.
Arch Phys Med Rehabil. 2023 Feb;104(2):
188-194. doi: 10.1016/j.apmr.2022.09.012.
Epub 2022 Oct 17. PMID: 36261056.

 

 

 

 

2023-02-06 15:31:00

脳卒中患者さんの反張膝のリハビリとは?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

今回は脳卒中患者さんの反張膝の
リハビリについて解説したいと思います。

 

 

そもそも反張膝とは?


歩行中に膝が急激に伸展(伸びる)
する現象のことです。


その原因は?


①足関節背屈の可動域制限
②下腿三頭筋の過活動
などがあります。


Liらによれば、反張膝は膝の半月板の
容積とも関係していると言われています。
つまり膝関節に対して負担がかかっている
状態ということです。


膝関節への負担を考えると、
すぐにでも解決したいところでは
ありますが、原因は一つではないことが
多い印象があります。

 

 

では反張膝に対してどんなリハビリを
行うと良いのでしょうか?


反張膝に対するリハビリの効果を
調査したgeerarsらの論文では、
①固有受容器トレーニング
②装具療法
③電気刺激療法(FES)
この3つを挙げています。


①固有受容器トレーニング

固有受容器トレーニングには、
膝を曲げた状態でトレーニングする方法
膝が伸びすぎたときに音で知らせる方法
チューブを使って
抵抗力を与える方法
など様々な方法があります。

いずれにしても、「膝が急激に伸びすぎない」
ことが主眼におかれています。

その結果、固有受容器アプローチは
脳卒中の亜急性期における反張膝に対して
短期的な効果として期待できるとされています。

その他、装具療法やFESは効果があると
確証をもてないのが現状です。

 

 

何より大切なのは分析です。
固有受容器トレーニングが有効とされていても
その原因に合わせてリハビリを行うことが
大切と考えています。

コラム冒頭で挙げている
足関節背屈制限が反張膝の原因で
あれば、それに対するアプローチが
必要になります。

コントロール可能な膝関節の角度と
その範囲を知り、体のどの部分をサポートすると
反張膝にならずにコントロールできるのか
観察・触察が重要になります。

 

 

本コラムでは、脳卒中患者さんの
反張膝に対するリハビリを解説しました!


本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2023年2月6日)
(更新日:2023年9月1日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Li W, Li T, Xi X, Zhang R,
Sun W,Zhang D, Gong W.
Does higher knee hyperextension in patients
with hemiplegia affect lateral and medial
meniscus volume in the paretic leg?
A cross-sectional study.
BMC Sports Sci Med Rehabil. 2023
Jan 5;15(1):4. doi: 10.1186/
s13102-022-00611-1.
PMID: 36600322; PMCID: PMC9814213.

2)Geerars M, Minnaar-van der Feen N,
Huisstede BMA.
Treatment of knee hyperextension
in post-stroke gait. A systematic review.
Gait Posture. 2022 Jan;91:137-148.
doi: 10.1016/j.gaitpost.2021.08.016.
Epub 2021 Aug 24. PMID: 34695721.

 

 

 

 

2023-01-27 22:41:00

脳卒中患者さんに対する前庭リハビリテーション~Gaze Stability Exercise~

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

今回は脳卒中患者さんに対する前庭
リハビリテーションについてを
解説したいと思います。


最新版はこちらです。

前庭リハビリテーションって何?~脳卒中患者さんに対する効果~

 

 

※前庭リハビリテーションとは?

前庭とは平衡感覚を保つために
必要な器官です。


腕・脚・首・目の動きと関係があり、
姿勢を保つために働きます。


これらの調整がうまくいかなくなると
めまい、ふらつきなどが見られるように
なります。


前庭機能に対するリハビリテーションには
①適応
②慣れ
③代償


この中の「適応」に
Gaze Stability Exerciseという
方法があります。

 

 

※Gaze Stability Exerciseとは?

目の前にある文字などを見続けながら、
目だけを動かしたり、頭を動かしたり、
手を動かしたりする方法です。

 

 

Zhaoらは脳卒中患者さんに対して
Gaze Stability Exerciseを行い
その効果を検証しています。

 

 

この研究には・・・
40名の脳卒中患者さんが
参加されています。


そして、
Gaze Stability Exerciseを
 行うグループ

Gaze Stability Exerciseを
 行わないグループ


この2つのグループに分けられました。
ちなみに両グループともに、通常行われる
リハビリは実施しています。

 

 

その結果・・・
Gaze Stability Exerciseを
行ったグループは
(行わなかったグループに比べて)
バランス能力、歩行能力、
マヒ側の立脚時間、立脚時間の
非対称性が改善することが
わかりました。


※立脚時間とは?
歩行には大きく
「立脚期」「遊脚期」
この2つに分けることができます。


立脚期は脚で支えるときのことです。
立脚時間は脚で支えている時間のことです。


立脚時間の非対称性とは?
左右の立脚時間の差です。
その差が大きくなると非対称性が
増すことになります。

 

 

【注意点】
では明日から試してみようと思った方、
お待ちください!!


他のリハビリと同じことですが、
検査や評価を行った後に行うことを
おススメします。


「めまい」には様々な原因がありますので、
前庭リハビリテーションを行うことの
リスクも検討する必要があります。


例えば、首にある動脈の血流が少なくなる
ことが原因で”めまい”などの症状が
みられることもあります。


興味をもたれた方は、現在リハビリを
行っている方でしたら専任スタッフの方に
ご相談いただくのをお勧めします!

 

 

本コラムでは、脳卒中患者さんに対する
前庭リハビリテーションを解説しました!



本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2023年1月27日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Zhao R, Lu J, Xiao Y, Liu X, Wang Y, Xu G.
Effects of Gaze Stabilization Exercises on Gait,
Plantar Pressure, and Balance Function
in Post-Stroke Patients:
A Randomized Controlled Trial. Brain Sci.
2022 Dec 9;12(12):1694. doi: 10.3390/
brainsci12121694. PMID: 36552154;
PMCID: PMC9775540.

 

 

 

 

2023-01-09 14:50:00

脳卒中患者さんのマヒした脚に対するCI療法

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

今回は脳卒中患者さんのマヒした脚に
対するCI療法を解説したいと思います。

 

 

今回はZhouらの論文を紹介したいと
思います!

 

 

※CI療法とは?

英語では、
constraint-induced movement therapy
と言われているもので、脳卒中によって
マヒした手に対するリハビリの1つです。


日常生活で使用することをマヒした手を
目標として、課題(練習)を行ったり、
その練習が日常生活に活かせるように
工夫された方法です。


マヒした手に対するリハビリとして
発展したCI療法ですが、
脚に対して行われる場合もあります。


Zhouらの論文はマヒした脚に対する
CI療法の効果を調査した研究です。

 

 

その結果・・・
マヒした脚に対するCI療法は、
(従来の理学療法と比べて)

①マヒした脚の運動機能
②バランス能力
③歩行速度
④歩行能力
⑤日常生活動作能力

①~⑤の改善が得られたと
報告しています。

 

 

【私が気になるところ】

①CI療法の方法が統一されていないこと
インソールを使用したり、
マヒしていない側の脚に添え木を使用したりと
方法が様々な点が気になりました。


②CI療法の介入時期
どのリハビリでも同じなのですが、
発症して間もないころに効果があるのか、
発症からしばらく経過が経っても効果が
あるのか気になるところです。

 

 

私としては、マヒされた脚に対して
積極的に介入することに意味が
あるのかなと思いました。


ということは・・・
通常のリハビリとの違いが
気になり始めました。


下肢のCI療法のプロトコル(手順書)が
あるようなので読んでみたいと思います!

 

 

本コラムでは、脳卒中患者さんの
マヒした脚に対するCI療法を
解説しました!



本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2023年1月9日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Zhou M, Tu Y, Cui J, Gao P, Yi T, Wang J,
Hao Q, Li H, Zhu T.
Effect of constraint-induced movement therapy
onlower extremity motor dysfunction in
post-stroke patients: A systematic review and
meta-analysis. Front Neurol. 2022 Nov 21;13
:1028206. doi: 10.3389/fneur.2022.1028206.
PMID: 36479056; PMCID: PMC9720264.

 

 

 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ...
2024.09.12 Thursday