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リハビリコラム

2023-02-06 15:31:00

脳卒中患者さんの反張膝のリハビリとは?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

今回は脳卒中患者さんの反張膝の
リハビリについて解説したいと思います。

 

 

そもそも反張膝とは?


歩行中に膝が急激に伸展(伸びる)
する現象のことです。


その原因は?


①足関節背屈の可動域制限
②下腿三頭筋の過活動
などがあります。


Liらによれば、反張膝は膝の半月板の
容積とも関係していると言われています。
つまり膝関節に対して負担がかかっている
状態ということです。


膝関節への負担を考えると、
すぐにでも解決したいところでは
ありますが、原因は一つではないことが
多い印象があります。

 

 

では反張膝に対してどんなリハビリを
行うと良いのでしょうか?


反張膝に対するリハビリの効果を
調査したgeerarsらの論文では、
①固有受容器トレーニング
②装具療法
③電気刺激療法(FES)
この3つを挙げています。


①固有受容器トレーニング

固有受容器トレーニングには、
膝を曲げた状態でトレーニングする方法
膝が伸びすぎたときに音で知らせる方法
チューブを使って
抵抗力を与える方法
など様々な方法があります。

いずれにしても、「膝が急激に伸びすぎない」
ことが主眼におかれています。

その結果、固有受容器アプローチは
脳卒中の亜急性期における反張膝に対して
短期的な効果として期待できるとされています。

その他、装具療法やFESは効果があると
確証をもてないのが現状です。

 

 

何より大切なのは分析です。
固有受容器トレーニングが有効とされていても
その原因に合わせてリハビリを行うことが
大切と考えています。

コラム冒頭で挙げている
足関節背屈制限が反張膝の原因で
あれば、それに対するアプローチが
必要になります。

コントロール可能な膝関節の角度と
その範囲を知り、体のどの部分をサポートすると
反張膝にならずにコントロールできるのか
観察・触察が重要になります。

 

 

本コラムでは、脳卒中患者さんの
反張膝に対するリハビリを解説しました!


本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2023年2月6日)
(更新日:2023年9月1日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Li W, Li T, Xi X, Zhang R,
Sun W,Zhang D, Gong W.
Does higher knee hyperextension in patients
with hemiplegia affect lateral and medial
meniscus volume in the paretic leg?
A cross-sectional study.
BMC Sports Sci Med Rehabil. 2023
Jan 5;15(1):4. doi: 10.1186/
s13102-022-00611-1.
PMID: 36600322; PMCID: PMC9814213.

2)Geerars M, Minnaar-van der Feen N,
Huisstede BMA.
Treatment of knee hyperextension
in post-stroke gait. A systematic review.
Gait Posture. 2022 Jan;91:137-148.
doi: 10.1016/j.gaitpost.2021.08.016.
Epub 2021 Aug 24. PMID: 34695721.

 

 

 

 

2023-01-27 22:41:00

脳卒中患者さんに対する前庭リハビリテーション~Gaze Stability Exercise~

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

今回は脳卒中患者さんに対する前庭
リハビリテーションについてを
解説したいと思います。

 

 

※前庭リハビリテーションとは?

前庭とは平衡感覚を保つために
必要な器官です。


腕・脚・首・目の動きと関係があり、
姿勢を保つために働きます。


これらの調整がうまくいかなくなると
めまい、ふらつきなどが見られるように
なります。


前庭機能に対するリハビリテーションには
①適応
②慣れ
③代償


この中の「適応」に
Gaze Stability Exerciseという
方法があります。

 

 

※Gaze Stability Exerciseとは?

目の前にある文字などを見続けながら、
目だけを動かしたり、頭を動かしたり、
手を動かしたりする方法です。

 

 

Zhaoらは脳卒中患者さんに対して
Gaze Stability Exerciseを行い
その効果を検証しています。

 

 

この研究には・・・
40名の脳卒中患者さんが
参加されています。


そして、
Gaze Stability Exerciseを
 行うグループ

Gaze Stability Exerciseを
 行わないグループ


この2つのグループに分けられました。
ちなみに両グループともに、通常行われる
リハビリは実施しています。

 

 

その結果・・・
Gaze Stability Exerciseを
行ったグループは
(行わなかったグループに比べて)
バランス能力、歩行能力、
マヒ側の立脚時間、立脚時間の
非対称性が改善することが
わかりました。


※立脚時間とは?
歩行には大きく
「立脚期」「遊脚期」
この2つに分けることができます。


立脚期は脚で支えるときのことです。
立脚時間は脚で支えている時間のことです。


立脚時間の非対称性とは?
左右の立脚時間の差です。
その差が大きくなると非対称性が
増すことになります。

 

 

【注意点】
では明日から試してみようと思った方、
お待ちください!!


他のリハビリと同じことですが、
検査や評価を行った後に行うことを
おススメします。


「めまい」には様々な原因がありますので、
前庭リハビリテーションを行うことの
リスクも検討する必要があります。


例えば、首にある動脈の血流が少なくなる
ことが原因で”めまい”などの症状が
みられることもあります。


興味をもたれた方は、現在リハビリを
行っている方でしたら専任スタッフの方に
ご相談いただくのをお勧めします!

 

 

本コラムでは、脳卒中患者さんに対する
前庭リハビリテーションを解説しました!



本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2023年1月27日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Zhao R, Lu J, Xiao Y, Liu X, Wang Y, Xu G.
Effects of Gaze Stabilization Exercises on Gait,
Plantar Pressure, and Balance Function
in Post-Stroke Patients:
A Randomized Controlled Trial. Brain Sci.
2022 Dec 9;12(12):1694. doi: 10.3390/
brainsci12121694. PMID: 36552154;
PMCID: PMC9775540.

 

 

 

 

2023-01-09 14:50:00

脳卒中患者さんのマヒした脚に対するCI療法

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

今回は脳卒中患者さんのマヒした脚に
対するCI療法を解説したいと思います。

 

 

今回はZhouらの論文を紹介したいと
思います!

 

 

※CI療法とは?

英語では、
constraint-induced movement therapy
と言われているもので、脳卒中によって
マヒした手に対するリハビリの1つです。


日常生活で使用することをマヒした手を
目標として、課題(練習)を行ったり、
その練習が日常生活に活かせるように
工夫された方法です。


マヒした手に対するリハビリとして
発展したCI療法ですが、
脚に対して行われる場合もあります。


Zhouらの論文はマヒした脚に対する
CI療法の効果を調査した研究です。

 

 

その結果・・・
マヒした脚に対するCI療法は、
(従来の理学療法と比べて)

①マヒした脚の運動機能
②バランス能力
③歩行速度
④歩行能力
⑤日常生活動作能力

①~⑤の改善が得られたと
報告しています。

 

 

【私が気になるところ】

①CI療法の方法が統一されていないこと
インソールを使用したり、
マヒしていない側の脚に添え木を使用したりと
方法が様々な点が気になりました。


②CI療法の介入時期
どのリハビリでも同じなのですが、
発症して間もないころに効果があるのか、
発症からしばらく経過が経っても効果が
あるのか気になるところです。

 

 

私としては、マヒされた脚に対して
積極的に介入することに意味が
あるのかなと思いました。


ということは・・・
通常のリハビリとの違いが
気になり始めました。


下肢のCI療法のプロトコル(手順書)が
あるようなので読んでみたいと思います!

 

 

本コラムでは、脳卒中患者さんの
マヒした脚に対するCI療法を
解説しました!



本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2023年1月9日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Zhou M, Tu Y, Cui J, Gao P, Yi T, Wang J,
Hao Q, Li H, Zhu T.
Effect of constraint-induced movement therapy
onlower extremity motor dysfunction in
post-stroke patients: A systematic review and
meta-analysis. Front Neurol. 2022 Nov 21;13
:1028206. doi: 10.3389/fneur.2022.1028206.
PMID: 36479056; PMCID: PMC9720264.

 

 

 

2022-11-28 15:54:00

脳卒中患者さんの歩行~マヒ側の推進力を向上するためには~

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
歩行時のマヒ側推進力について
解説したいと思います。

 

 

Awadらによれば、歩行距離は
マヒ側の推進力と股関節伸展角度
(TLA)によって予測されると
言われています。


そして、歩行時の推進力はTLAが
影響するとHsiaoらによって
報告されています。


つまり・・・
歩行中の推進力を得るためには
股関節伸展(脚を後ろに伸ばすこと)が
重要と言えそうです。

 

 

一方、Lewekらは脳卒中患者さんの
トレッドミル上(ランニングマシン)での
歩行中、弾性バンドを用いて後方へ
抵抗力を与えました。


すると・・・
マヒ側・非マヒ側ともに推進力が
向上した(特にマヒ側が向上)と
報告し、Hsiaoらの研究同様にTLAが
歩行中の推進力と関係があることが
わかりました。


さらに、弾性バンドによる抵抗力を
なくした後でも
推進力は向上したままで
あったと報告しています。

 

 

Lewekらの研究は、歩行中の
推進力向上のために
活用できそうだなと
個人的に感じています。


それと同時に、マヒ側の運動機能、
関節や筋肉の柔軟性、筋シナジー、
荷重量などの影響をみながら
TLAを構築するための戦略を
考えた方が良いなとも考えています。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
歩行時におけるマヒ側の推進力について
解説しました。


本コラムが皆さまの何かの
お役に
立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(更新日:2022年11月28日)
(更新日:2023年6月18日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Awad LN, Binder-Macleod SA, Pohlig RT,
Reisman DS. Paretic Propulsion and Trailing Limb
AngleAre Key Determinants of Long-Distance
Walking Function After Stroke.
Neurorehabil Neural Repair. 2015
Jul;29(6):499-508.
doi: 10.1177/1545968314554625.
Epub 2014 Nov 10.
PMID: 25385764; PMCID: PMC4426250.

2)Hsiao H, Knarr BA, Higginson JS,

Binder-Macleod SA. The relative contribution
of ankle moment and trailing limb angle to
propulsive force during gait. Hum Mov Sci.
2015 Feb;39:212-21. doi: 10.1016/j.
humov.2014.11.008. Epub 2014 Dec 12.
PMID: 25498289; PMCID: PMC4272868.

3)Hsiao H, Knarr BA, Higginson JS,
Binder-Macleod SA.
Mechanisms to increase propulsive force for
individuals poststroke. J Neuroeng Rehabil.
2015 Apr 18;12:40. doi: 10.1186/s12984-
015-0030-8. PMID: 25898145;
PMCID: PMC4406180.

4)Lewek MD, Raiti C, Doty A.
The Presence of a Paretic Propulsion
Reserve During Gait in Individuals
Following Stroke. Neurorehabil Neural Repair.
2018 Dec;32(12):1011-1019.
doi: 10.1177/1545968318809920.
PMID: 30558525; PMCID: PMC6300055.

 

 

 

 

2022-11-18 16:19:00

脳卒中患者さんの屋外歩行~歩行速度の目安~

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

以前、脳卒中患者さんの屋外を
自由に歩けるかの予測因子

解説しました。


>>脳卒中患者さんが屋外を
  自由に歩けるかの予測因子


Bijleveld-Uitmanらによると、
屋外を歩行可能であるか
歩行速度や歩行距離によって
予測できるとされています。

 

 

では歩行速度の目安はいくつに
なるのでしょうか?

 

 

van de Portらによると、
屋外での歩行可能かどうかの
カットオフ値(基準値)は0.66m/秒
とされています。


➔0.66m/秒では・・・
陰性的中率が低い(57%)点に
注意が必要です。
屋外を歩くことが難しいと正しく
分類できる確率です。


一方、Fulkらによれば、
そのカットオフ値(基準値)は
0.49m/秒とされています。


さらに屋外を制限なく歩行可能かの
カットオフ値は、0.93m/秒としています。

 

 

様々な基準値があるのは・・・
参加された患者さんの発症からの
期間であったり、屋外歩行の基準が
異なるためです。


屋外歩行の基準は、
例えば歩数で分類したり、
範囲(自宅のみ・自宅周辺)で
分類したりと様々です。


そのため基準値がどのように
算出されているのかがとても
大切です!


ご利用者様の年齢、発症からの期間など
様々な視点からみて妥当である数値
(基準値)を目標とするのも
良いのかも知れません。

 

 

Miyataらによれば歩行能力とバランス能力は
関係性があるとされています。
このことからも歩行能力は歩行速度以外にも
歩行距離やバランス能力など様々な視点から
評価し、リハビリを行うことが大切だと
感じています。

 

 

 

本コラムでは、脳卒中患者さんの屋外歩行
~歩行速度の目安~を解説しました。


本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(更新日:2022年11月18日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

 

参考文献
1)Bijleveld-Uitman M, van de Port I, Kwakkel G.
Is gait speed or walking distance a better predictor
for community walking after stroke?
J Rehabil Med. 2013 Jun;45(6):535-40.
doi: 10.2340/16501977-1147. PMID: 23584080.

2)van de Port IG, Kwakkel G, Lindeman E.
Community ambulation in patients with
chronic stroke: how is it related to gait speed?
J Rehabil Med. 2008 Jan;40(1):23-7.
doi: 10.2340/16501977-0114. PMID: 18176733.

3)Fulk GD, He Y, Boyne P, Dunning K.
Predicting Home and Community Walking
Activity Poststroke. Stroke. 2017
Feb;48(2):406-411. doi: 10.1161/
STROKEAHA.116.015309.
Epub 2017 Jan 5. PMID: 28057807.

4
)Miyata K, Hasegawa S, Iwamoto H, Otani T,
Kaizu Y, Shinohara T, Usuda S.
Which Balance Evaluation Systems Test sections
best distinguish levels of post-stroke
functionalwalking status? J Rehabil Med. 2021
Sep 24;53(9):jrm00230. 
doi: 10.2340/16501977-2870.
PMID: 34486068; PMCID: PMC8638744.

 

 

 

 

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