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リハビリコラム

2023-11-27 11:22:00

前庭リハビリテーションって何?~脳卒中患者さんに対する効果~

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

今回は脳卒中患者さんに対する
前庭リハビリテーションの効果を
解説したいと思います。

 

 

 

前庭リハビリテーションという言葉を
初めて聞いた方もいらっしゃるかと
思います。


実は1940年代、今から80年以上の
Cawthorne―Cooksey exerciseに
由来するリハビリです。


あまり馴染みがないのは、その重要性は
認識されながらも、日本では最近になり、
研究会の立ち上げやガイドライン作成が
行われたからかと思います。

 

前庭リハビリテーションとは?

 

前庭は平衡感覚を保つために必要です。


腕・脚・首・目の動きと関係があり、
姿勢を保つために働きます。


これらの調整がうまくいかなくなると
めまい、ふらつきなどが見られるように
なります。


前庭リハビリテーションの代表的な
エクササイズの種類には・・・


①適応
②慣れ
③代償(代用)
この3つがあります。


①適応・・・
目や頭を動かすことによって、前庭機能の
働きの改善を目指すものです。


代表的なエクササイズは、
『Gaze Stability Exercise』です。


1つの文字を見続けて、頭を動かしたり、
右(上)と左(下)に文字を配置して目だけを
動かすエクササイズなどがあります。


②慣れ・・・
めまいの起こる頭の動きや動作を
繰り返し、練習を行います。


めまいの起きる動きを繰り返すのは
正直驚きました。
めまいが強い場合やすぐにめまいが
誘発される場合は実施が難しいことが
あるのかなと思います。


③代償(代用)
低下した前庭機能を他の機能で補うために
バランス練習や歩行練習を行います。

 

 

1.前庭リハビリの効果

 

Mitsutakeらによれば・・・

脳卒中患者さんの場合、頭を能動的に
(意識をもって)
動かしているときの
立位バランスは不安定に
なりやすいと
言われています。


私の解釈になりますが、歩行しながら
横に顔を向けたり、後ろを向いたりすると
ふらつくと言えるかも知れません。



脳卒中患者さんが前庭リハビリを行うと
バランス能力や歩行能力に対する効果を
検証した研究は数多くあります。

 

 

1) Meng らによると・・・

<内容>
通常のリハビリ+前庭リハビリ


4週間以内の介入(リハビリ)によって、
バランス能力や歩行能力が向上すると
報告しています。

 

 

2)Zhaoらによると・・・

<内容>
・Gaze Stability Exercise
・通常の理学療法

<頻度・時間・期間>
週5回・30分・4週間


バランス能力・歩行能力・
マヒ側の脚の振り出し(遊脚期)や
対称性が改善したと報告しています。

 

 

3) Ghaffariらによると・・・


<内容>
・前庭リハビリ

<頻度・時間>
週3回・60分


疲労感・抑うつ・日常生活動作の
自立度の改善がみられたとしています。

 

 

4) Ekvallらによると・・・

<内容>
・前庭リハビリ
・通常のリハビリ


めまい症状のある脳卒中患者さんに
対して前庭リハビリを行うことで、
通常のリハビリのみと比較し、
自己評価による健康状態が改善した
報告しています。

 

 

5) Sanaらによると・・・

<内容>
・前庭リハビリ

<頻度・期間>
週3回・8週間


前庭リハビリを行った場合でも、
比較対象のVirtual Reality(VR)を
用いたリハビリでも歩行能力・
バランス能力・めまいの障害度合いが
改善したと報告されています。


特に前庭リハビリでは、めまい症状の改善、
VRでは、歩行能力やバランス能力の改善
役立てられたとしています。

 

 

まとめると・・・
前庭リハビリを実施すると、
バランス能力や歩行能力の改善が
得られる可能性があると言えます。


しかし・・・
実施方法やトレーニングの
組み合わせ・実施期間によっても
効果が異なるようですので、
実施内容の吟味が必要かと思います!

 

 

本コラムをお読みになり、前庭リハビリに
興味をもたれた方は、担当スタッフに
ご相談いただくのをお勧めします!

 

 

今回は脳卒中患者さんに対する
前庭リハビリテーションの効果を
解説しました。


本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2023年11月27日)
(執筆日:2024年6月6日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Mitsutake, Tsubasa et al. “The Control of Postural Stability
during Standing is Decreased in Stroke Patients during Active
Head Rotation.” Journal of physical therapy science 
vol. 26,11 (2014): 1799-801. doi:10.1589/jpts.26.1799


2)Meng, Lijiao et al. “Vestibular rehabilitation therapy
on balance and gait in patients after stroke:
a systematic review and meta-analysis.” 
BMC medicine vol. 21,1 322. 25 Aug. 2023,
doi:10.1186/s12916-023-03029-9


3)Zhao, Ruoxin et al. “Effects of Gaze Stabilization
exercises on Gait, Plantar Pressure, and Balance Function
in Post-Stroke Patients: A Randomized Controlled Trial.” 
Brain sciences vol. 12,12 1694. 9 Dec. 2022,
doi:10.3390/brainsci12121694


4)Ghaffari, Amin et al. “The Effects of Vestibular
Rehabilitation on Poststroke Fatigue: A Randomized
Controlled Trial Study.” Stroke research and treatment
 vol. 2022 3155437. 31 Aug. 2022,
doi:10.1155/2022/3155437


5)Ekvall Hansson, Eva et al. “Vestibular rehabilitation
for persons with stroke and concomitant dizziness-
a pilot study.” Pilot and feasibility studies 
vol. 6 146. 30 Sep. 2020,
doi:10.1186/s40814-020-00690-2


6)Sana, Vishal et al. “Effects of vestibular
rehabilitation therapy versus virtual reality
on balance, dizziness, and gait in patients with
subacute stroke: A
randomized controlled trial.”
 Medicine vol. 102,24 (2023): e33203.
doi:10.1097/MD.0000000000033203

 

 

 

 

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