歩行専門の自費リハビリ施設「アルコネクト 」

”歩行専門”の自費リハビリ施設 「アルコネクト」

~維持ではなく改善を目指すリハビリを追求~

営業時間:10:00~18:00

定休日:水曜日 ・ 日曜日
 03-6693-0966
お問い合わせ

リハビリコラム

2022-10-15 14:47:00

パーキンソン病患者さんに対するリズミカルな聴覚刺激の効果

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムではパーキンソン病患者さんに
対するリズミカルな聴覚刺激
の効果を
解説したいと思います。

 

 

今回はYeらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この研究では・・・軽度~中等度の
パーキンソン病患者さんに対する
聴覚刺激の効果に関して調査されました。


※リズミカルな聴覚刺激とは・・・
メトロームや音楽に合わせて
歩行練習などを行う方法です。
Rhythmic Auditory Stimulation
(RAS)と呼ばれます。

 

 

歩行能力、運動症状、生活の満足度に
どのような影響(効果)があるのかが
調査されました。

 

 

その結果・・・
①ストライド長(2歩分の歩幅)
②歩行速度
③生活の満足度
④すくみ足
⑤運動症状
⑥日常生活動作

以上の6つの項目の改善が
得られることがわかりました。

 

 

すくみ足や運動症状、日常生活動作、
生活の満足度に対する効果は幅が
大きいため、効果を推測するには
経過を追う必要があるのかも
知れません。


また聴覚刺激の種類、テンポなどを
吟味する必要があるかと思います。


私が実際にリハビリの現場で用いる
なるとこの2点は特に注意するかと
思います!

 

 

本コラムでは、
パーキンソン病患者さんに対する
リズミカルな聴覚刺激の効果を
解説しました。



本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年10月15日)
(更新日:2022年12月31日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Ye X, Li L, He R, Jia Y, Poon W.
Rhythmic auditory stimulation promotes
gait recovery in Parkinson's patients:
A systematic review and meta-analysis.
Front Neurol. 2022 Jul 28;13:940419.
doi: 10.3389/fneur.2022.940419.
PMID: 35968291; PMCID: PMC9366143.

 

 

 

 

2022-10-08 14:41:00

パーキンソン病患者さんに対する理学療法の効果

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムではパーキンソン病患者さんの
理学療法の効果を解説したいと思います。


理学療法はリハビリの中の1つです。
他には作業療法、言語聴覚療法が
あります。

 

 

今回はRadderらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この研究では・・・
パーキンソン病患者さんに対する
理学療法に関する論文が集められました。



①従来の理学療法
②トレッドミルトレーニング、
③ダンス
④ノルディック ウォーキング、
⑤全身振動
⑥マッサージ
⑦筋力トレーニング、
⑧有酸素運動
⑨バランス練習
⑩歩行練習
など実施した内容で分類され、
それぞれの効果が
調査されました。

 

 

その結果・・・

①従来の理学療法

運動症状、歩行速度、
歩行率(1分あたりの歩数)、
転倒恐怖感、すくみ足などに
改善がみられました。


②筋力トレーニング

6分間歩行(歩行可能な距離)、
生活の満足度などに改善が
みられました。


③有酸素運動

運動症状、バランス能力、
6分間歩行などに改善が
みられました。


④バランス練習と歩行練習

運動症状、バランス能力、歩行速度、
ストライド長(2歩分の歩幅)などに
改善がみられました。


つまり、行う運動によって
期待できる効果が違うということです!


言い換えると目標によって運動の方法を
変えなくてはならないということです!

 

 

本コラムでは、
パーキンソン病患者さんに対する
理学療法の効果を解説しました。



本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年10月8日)
(更新日:2022年12月23日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)DLM, Lígia Silva de Lima A,
Domingos J, Keus SHJ, van Nimwegen M,
Bloem BR, de Vries NM.
Physiotherapy in Parkinson's Disease:
A Meta-Analysis of Present Treatment Modalities.
Neurorehabil Neural Repair.
2020 Oct;34(10):871-880.
doi: 10.1177/1545968320952799.
Epub 2020 Sep 11.
PMID: 32917125; PMCID:
PMC7564288.

 

 

 

 

2022-10-01 14:55:00

軽度・中等度のパーキンソン病の患者さんが行うトレーニング~どんな効果がある?~

 

こんばんは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは軽度・中等度の
パーキンソン病患者さんの
トレーニングの効果についてを
解説したいと思います。

 

 

今回はSchenkmanらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この研究では・・・
Hoehn&Yahrステージ1~3の
パーキンソン病患者さん121名が
参加しました。


Hoehn&Yahrステージというのは
1~5までの5段階あり、症状の
重症度を評価するものです。
”ホー(エ)ン・ヤール”と読みます。


Hoehn&Yahrステージ1~3というと
軽度・中等度の症状の方が該当します。


参加された方には、

①FBFグループ
→柔軟体操・バランストレーニング

②AEグループ
→トレッドミル・自転車での有酸素運動

③自宅でのトレーニンググループ
→National Parkinson Foundation Fitness
  Countsプログラムを実施。

この3つのグループに振り分けられました。

 

 

トレーニングの効果を調査するために、

①Continuous Scale-Physical

   Functional Performance [CS-PFP]
   :全体的な身体機能

②Functional Reach Test[FRT]
   :バランス能力

③酸素摂取量:歩行の効率

④Unified Parkinson's Disease
   Rating Scale [UPDRS] の
 日常生活動作(ADL)・運動症状

⑤PDQ-39:生活の満足度

①~⑤の検査がトレーニング前後で
行われました。

 

 

その結果・・・
①FBFグループ
 ・CS-PFP(身体機能)が向上
 ・UPDRS-ADL(日常生活動作)が改善

②AEグループ➔最大酸素摂取量が向上


つまり・・・
身体機能を改善には、
柔軟体操・バランストレーニング

歩行効率を改善には、
有酸素トレーニングが有効である
可能性が高いということが言えます。


目標やお悩みに合わせたトレーニングが
必要ということですね!

 

 

今回は紹介していないのですが、
理学療法の効果を検証した論文もあります。
どのようなトレーニングを行うと
どのような効果が期待できるのかが
より詳細にまとめられています!
(今度、紹介させていただきますね!)

 

 

本コラムでは、
軽度・中等度のパーキンソン病患者さんの
トレーニングの効果を解説しました。



本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年10月1日)
(更新日:2023年12月4日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Schenkman M, Hall DA, Barón AE,
Schwartz RS,Mettler P, Kohrt WM.
Exercise for people in early- or
mid-stage Parkinson disease:
a 16-month randomized controlled trial.
Phys Ther. 2012 Nov;92(11):1395-410.
doi: 10.2522/ptj.20110472. Epub 2012 Jul 19.
PMID: 22822237; PMCID: PMC3488266.

 

 

 

 

2022-09-30 16:15:00

パーキンソン病の重症度と移動能力との関係性

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムではパーキンソン病患者さんの
重症度と移動能力との関係性を
解説したいと思います。

 

 

今回はMollàらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この研究では・・・
パーキンソン病患者さんを対象として、
重症度(Hoehn&Yahrステージ)、
移動能力が検査され、スマートフォン
搭載のセンサーが腰に装着されました。


※Hoehn&Yahrステージとは?
1~5までの5段階あり、症状の
重症度を評価するものです。
改良された修正版も開発されています。
ちなみに”ホー(エ)ン・ヤール”と
読みます。
この研究にはステージ1~3の患者さんが
(軽度〜中等度)参加しています。


※移動能力の検査とは?
①腕は体の横につけ、30 秒間静止
②音が鳴ったらで 3 m 離れた椅子に向かい
 できるだけ速く真っ直ぐ歩く
向きを変えてイスに座る
④イスから立ち上がる
⑤できるだけ速くスタート地点まで戻る

この①~⑤の手順を行い測定されています。

移動能力の検査時に
・姿勢制御(バランスのとり方)
・座ったとき・立ち上がるときの力
・時間(所要時間・反応時間)が
センサーで測定されました。

 

 

その結果・・・
重症度によって、バランスのとり方、
座ったとき・立ち上がる時の力、
所要時間・反応時間に違いが見られる
ことがわかりました。

 

 

Hoehn&Yahrステージは
重症度をみるものですが、
パーキンソン病の症状は
多岐にわたります。


重症度を分類するだけでは、
現在どのような状態なのか詳しいことは
分かりません。
しかし重症度に応じた移動能力の関係性が
わかることでリハビリの戦略も
立てやすいなと感じました。

 

本コラムでは
パーキンソン病患者さんの重症度と
移動能力との関係性を解説しました。



本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年9月30日)
(更新日:2023年6月18日)

(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Mollà-Casanova S, Pedrero-Sánchez J,
Inglés M, López-Pascual J, Muñoz-Gómez E,
Aguilar-Rodríguez M,
Sempere-Rubio N, Serra-Añó P. Impact of
Parkinson's Disease on Functional Mobility
at Different Stages.
Front Aging Neurosci. 2022 Jun
15;14:935841. doi:

 

 

 

 

2022-09-29 16:51:00

パーキンソン病患者さんのサルコペニアと転倒との関係

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムではパーキンソン病患者さんの
サルコペニアと転倒との関係性を
解説したいと思います。

 

 

今回はLimaらの論文を
紹介したいと思います!

 

 

この研究では・・・
パーキンソン病患者さん218名が
参加しました。


※サルコペニアとは?
加齢や栄養不足などによって
筋肉量が減少することです。


サルコペニアを評価する方法の1つに
「SARC-F」があります。


そのSARC-Rを研究参加者の半数以上の
121名がサルコペニア(疑い)陽性と
判定されました。


さらに、
転倒はSARC-F・パーキンソン病の
発症からの期間が関係することが
わかりました。

 

 

今回、オッズ比(OR)を用いて
影響の大きさをみているのですが、

①SARC-F:
OR1.87(1.02–3.41)

②発症からの期間:OR1.10(
1.05–1.15)


※( )の中の数字は95%信頼区間であり、
オッズ比の場合、1をまたぐか否かが
大切な判断基準になります。
(またぐ場合は影響があると言えない)


SARC-Fはサルコペニアのスクリーニングの
(ふるい分け)検査です。
診断を確定するためには握力・歩行速度など
検査の追加が必要です。

 

 

今回の論文ではサルコペニアを
改善することで転倒を減らせるか
どうかまではわかりません。
また転倒の原因はサルコペニア以外にも
あります。


それでもパーキンソン病患者さんの
転倒予防を考える上で参考になるのでは
ないかと思っています。

 

 

本コラムでは
パーキンソン病患者さんのサルコペニアと
転倒との関係を解説しました。



本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年9月29日)
(更新日:2022年12月31日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Lima DP, de Almeida SB, Bonfadini JC,
de Luna JRG, de Alencar MS, Pinheiro-Neto EB,
Viana-Júnior AB, Veras SRO, Sobreira-Neto MA,
Roriz-Filho JS, Braga-Neto P.
Clinical correlates of sarcopenia and falls
in Parkinson's disease.
PLoS One. 2020 Mar 19;15(3):e0227238. doi:
10.1371/journal.pone.0227238.
PMID: 32191713; PMCID: PMC7082018.

 

 

 

 

1 2 3 4 5 6
2024.03.29 Friday