リハビリコラム
パーキンソン病の患者さんに対する有酸素運動の効果とは? その1
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)代表の
市川です。
本コラムではパーキンソン病の
患者さんに対する有酸素運動を
解説したいと思います。
パーキンソン病の患者さんが
有酸素運動を行うとどのような
効果が期待できるのでしょうか?
その疑問に答えたShuらの論文を
紹介したいと思います!
この論文では・・・
軽度・中等度の症状がある
パーキンソン病の患者さんを
対象としました。
有酸素運動の効果を検証するために
パーキンソン病の症状・バランス能力・
歩行能力にどのような影響(効果)が
あるのかを検討しています。
その結果・・・
有酸素運動を行うとパーキンソン病の
運動症状、バランス能力、歩行能力の
向上が期待できることがわかりました。
※バランス能力への効果は
振り幅が広いため、改善が
得られない可能性があるのかなと
思います。
※歩行能力への効果は、振り幅は
それほど大きくはありませんが
効果(量)が小さいことが
気になるところです。
転倒には十分に気をつけながら
歩行練習等の有酸素運動を行うことも
大切なのかも知れません。
以前、筋力トレーニングの効果を
コラムで解説しました。
まだ読まれていない方はこちらを
どうぞ!
>>パーキンソン病の患者さんに
筋力トレーニングは効果的?
筋力トレーニングと有酸素運動という
ように様々な運動を組み合わせて行う
ことも大切なのかなと私の経験としては
感じています。
ご病気によっては、トレーニングの
順序も大切なこともあります。
もしリハビリを受けている方でしたら、
スタッフにご相談いただくのも
良いかも知れません。
今回はパーキンソン病の患者さんの
有酸素運動の効果を解説しました。
本コラムが皆さまの参考に
なればとても嬉しく思います。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2022年7月18日)
(更新日:2022年12月31日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Shu HF, Yang T, Yu SX, Huang HD,
Jiang LL,Gu JW, Kuang YQ.
Aerobic exercise for Parkinson's disease:
a systematic review and meta-analysis of
randomized controlled trials. PLoS One. 2014
Jul 1;9(7):e100503. doi: 10.1371/
journal.pone.0100503.
PMID: 24983753; PMCID: PMC4077570.
パーキンソン病の患者さんが行う筋力トレーニングの効果とは?
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)代表の
市川です。
本コラムではパーキンソン病の
患者さんが行う筋力トレーニングの
効果を解説したいと思います。
今回はLiらの論文を
紹介したいと思います!
この論文では・・・
軽度・中等度の症状がある
パーキンソン病の患者さんが
対象となりました。
筋力トレーニングを行うと、
どのような影響(効果)があるのかを
調査しています。
その結果・・・
筋力トレーニングを行うと、
脚の筋力・バランス能力・歩行速度が
向上することがわかりました。
加えてすくみ足にも有効であることも
明らかになりました。
※すくみ足とは?
歩行障害の1つで一歩が出せなくなる
症状です。
【私が気になる点】
バランス能力への効果(量)は小さく、
その振り幅が広いため、解釈に
注意が必要かなと思いました。
筋力トレーニングは、
椅子に腰かけて行ったり、ベッドへ
横になって行うこともできます。
転倒に注意しながら、体の状態に合った
運動を選ぶことで自主トレーニング
としても行うことも有効かなと
思います!
もしリハビリを受けている方でしたら、
トレーニング方法を担当のスタッフの方に
ご相談いただくのも良いかもしれません!
今回はパーキンソン病の患者さんが行う
筋力トレーニングの効果を解説しました。
本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てればとても嬉しく思います。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2022年7月16日)
(更新日:2023年1月1日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Li X, He J, Yun J, Qin H.
Lower Limb Resistance Training in Individuals
With Parkinson's Disease: An Updated
Systematic Review and Meta-Analysis of
Randomized Controlled Trials.
Front Neurol. 2020 Nov 13;11:591605.
doi: 10.3389/fneur.2020.591605.
PMID: 33281732; PMCID:PMC7691593.
パーキンソン病の患者さんに対するリハビリの効果
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)代表の
市川です。
本コラムではパーキンソン病の
患者さんに対するリハビリの効果を
解説したいと思います。
パーキンソン病の患者さんには
手の震え、筋肉のこわばり、
バランスを崩しやすくなるなどの
運動面の症状だけではなく、睡眠障害や
自律神経障害がみられることがあります。
リハビリは理学療法、作業療法、
言語聴覚療法の3つがあります。
その中でもパーキンソン病の患者さんの
理学療法の効果を調査したOkadaらの
論文をご紹介したいと思います。
この論文では・・・
軽度・中等度の症状がある
パーキンソン病の患者さんを
対象としました。
6か月以上の理学療法を行うと、
運動症状、日常生活動作、
抗パーキンソン病薬の服薬量への
影響を検証しています。
その結果・・・
6ヶ月以上の長期にわたる理学療法を
行うとオフ状態での運動症状を改善でき、
さらに抗パーキンソン病薬の内服量を
少なくできることがわかりました。
※オフ状態(現象)とは?
パーキンソン病の症状が内服薬によって
抑えられていない時です。
ちなみに症状を内服薬で
抑えられている時をオン状態(現象)と
いいます。
リハビリを行うときに大切なことは
身体の状態を詳しく検査することです。
例えば・・・
関節の動き、筋力、バランス能力などの
検査を行ったりします。
パーキンソン病の患者さんの場合、
「MDS-Unified Parkinson's
Disease Rating Scale(MDS-UPDRS)」
というパーキンソン病の症状を詳しく
調べることができる検査を行うことが
あります。
目標・リハビリの検査結果を踏まえて
最適なリハビリメニューを
行うことが大切だと考えます。
お薬が効いている時間を確認し
それに合わせてリハビリを
行うことも必要になります。
今回はパーキンソン病の患者さんに対する
理学療法の効果を解説しました。
新しい知見が増えるのに合わせて
リハビリに必要な知識もどんどん
増えています。
私は新しい知見にアンテナを張り、
情報を吟味した上で、患者さんや
利用者さんに還元できたらと
常々感じています。
本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てればとても嬉しく思います。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2022年6月14日)
(更新日:2023年1月4日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Okada Y, Ohtsuka H, Kamata N, et al.
Effectiveness of Long-Term Physiotherapy
in Parkinson's Disease: A Systematic Review
and Meta-Analysis. J Parkinsons Dis.
2021;11(4):1619-1630. doi:10.3233/
JPD-212782