リハビリコラム
慢性的な腰痛に対するコルセットの効果
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。
本コラムでは、腰痛に対する
コルセットの効果を解説したいと
思います。
コルセットは腰痛の保存的な治療として
使われることがあります。
※脊椎の手術や骨折の場合は、
その場所を保護するためにコルセットが
処方されることがあります。
処方された場合は、医師の指示に
基づいて外す・外さないの判断が
なされます。
今回はSatoらの論文を紹介します!
Satoらの研究では・・・
慢性的な(3ヶ月以上)続く患者さんの
コルセットの効果を検証しています。
もっと詳しく・・・
感染症、⾻粗鬆症、悪性腫瘍の⾻転移などに
よる腰痛や神経障害が認められた方の場合は
研究に参加しておりません。
①コルセットを着用するグループ
②コルセットを着用しないグループ
この2つのグループに分けられて
効果が検討されました。
その結果・・・
①コルセットを着用したグループには
着用1ヶ月後に腰痛の重症度の
改善がみられた。
②脊柱起立筋などの筋疲労に関しては、
コルセット着用してもしない場合でも
差があるとは言えなかったとしています。
腰痛は様々な要因で生じますが、
場合によってはコルセットが効果的とも
言えそうです。
私が新人の頃は、コルセットを着用すると
筋肉が衰えてしまうと言われていました。
しかし・・・
Satoらの研究では、筋持久力が大きく
変わらなかった点が興味深いなと
感じました。
腰痛だからコルセットではなく、
リハビリ専門職は、腰痛の症状・
症状に基づいてリハビリの内容を
変える必要があるなと考えます。
(診断はできませんが・・・)
※また冒頭でもお話しましたが、
手術後や骨折後はコルセットが
必要な場合があります。
本コラムでは、慢性的な腰痛に対する
コルセットの効果を解説しました。
本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2023年11月24日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Sato N, Sekiguchi M, Kikuchi S, Shishido H,
Sato K,Konno S.
Effects of long-term corset wearing on
chronic low back pain. Fukushima J Med Sci.
2012;58(1):60-5. doi: 10.5387/fms.58.60.
PMID: 22790893.