リハビリコラム
どうすれば良いの? 歩行時の骨盤後退に対するアプローチの考え方
アルコネクト代表
市川です!
脳卒中患者さんの歩行を観察していると、
マヒ側のお尻が後ろへ引ける様子が
見られることがあります。
お尻が引けることを骨盤後退と
言うことがあります。
リハビリの担当者から指摘されるけれど、
どうすれば良いのか困っている方は
多いのではないでしょうか??
本谷らの報告では、骨盤後退は
①膝が曲がること
②内側ホイップ
(つま先を中心に踵が内側へクルっと動く)
③外旋歩行
(足を出す時につま先が外を向く)
この3つが関連するとも言われています。
私の経験としては、反対に膝が伸び切って
しまう(過伸展)の方も多いのかなと
感じています。
原因がはっきりしなければ、対処療法に
留まり、なかなか改善しないこともあります。
どういうことかと言うと、
例えば骨盤後退がみられるとします。
その原因は・・・
①支える力が足りない?
②股関節が固い?
③足関節が固い?
④痛みがある?
⑤感覚障害がある?など
考えられます。
その中でもどうしてそうなっているのか、
支える力が足りないのはなぜか?
股関節が固いのはなぜか?というように
掘り下げていく必要があります。
私の肌感としては、原因は1つであることは
少ない印象です。
動画は当施設で行っているリハビリの一部です。
骨盤自体の動きを引き出しています。
ポイントは・・・
①胸郭が骨盤の動きに対して安定している
②肩甲骨の位置が適切であること
③下側の下肢に力が入りすぎていない
などです。
利用者さんによって、練習の設定を微妙に
変えています。
本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
参考文献】
1)Motoya R et al.
Classification of abnormal gait patterns of poststroke
hemiplegic patients in principal component analysis.
Jpn J Compr Rehabil Sci 2021; 12: 70‐77