リハビリコラム
脳卒中患者さんの歩行開始時の姿勢制御
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!
本コラムでは脳卒中患者さんの歩行開始時の
姿勢制御についてを解説したいと思います。
歩行を開始する前に、予期的(予測的)に
姿勢を安定するような働きが活性化されます。
それを予測的姿勢制御(APAs)と言います。
歩行だけでなく、動作全般にAPAsが
働くとされています。
今回はDelafontaineらの論文を
紹介したいと思います!
Delafontainereは脳卒中患者さんの
歩行開始時の姿勢制御について、
研究しました。
その結果・・・
マヒ側の脚を先に出すと・・・
マヒ側の前脛骨筋と中殿筋の働きが低下し、
足圧中心の移動と身体重心の加速が
減少することがわかりました。
またマヒ側の中殿筋が働きにくいことによって
非マヒ側の内転筋群が強く働くことも
わかりました。
一方、マヒ側の脚が後ろだと・・・
歩行開始時にバランスがとりにくくなる
しています。
つまり・・・
前に進むための力が働きにくいことが
わかります。
この論文を読んで・・・
歩行改善のため、歩容を分析するには
歩行開始時のアライメントがとれるのか、
とるためにどの部位にサポートが必要なのか
など考える必要がありそうです。
そのことを踏まえて、その他の検査・
評価と合せてリハビリのメニューを
立案する方が良いのかなと思いました。
本コラムでは脳卒中患者さんの
歩行開始時の姿勢制御についてを
解説しました。
本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2023年11月27日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Delafontaine A, Vialleron T, Hussein T,
Yiou E, Honeine JL, Colnaghi S.
Anticipatory Postural Adjustments
During Gait Initiation in Stroke Patients.
Front Neurol. 2019 Apr 17;10:352.
doi: 10.3389/fneur.2019.00352.
PMID: 31057474; PMCID: PMC6478808.