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リハビリコラム

2023-11-17 21:09:00

パーキンソン病の運動症状の進行に対する高負荷トレーニング

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムではパーキンソン病の運動症状の進行に
対するトレーニングについてを解説したいと
思います。

 

 

パーキンソン病患者さんの運動症状には、
振戦、固縮、姿勢反射障害だけでなく
歩行障害や姿勢障害などの軸症状が
みられます。


その運動症状に対して運動療法を行うことで
改善が得られたとRadderらやTerasawaらに
よって報告されています。


今回は、運動症状の進行に対する高負荷
トレーニングの効果を
検証したSenaらの
論文を紹介したいと思います。

 

 

Senaの論文では・・・
予測最大心拍数の70%以上の負荷を
かけるトレーニングを「高負荷」として
定義しています。


トレーニング方法としては自転車トレーニング、
固定式リカンベントバイク、ウォーキング、
ジョギング、トレッドミルなどが行われていました。



予測最大心拍数とは・・・
・207-年齢):高齢者の場合
・220-年齢で計算することができます。

例えば40歳の方に70%の負荷を
かけるときを考えます。

(220-年齢)×0.7=126
これが目標とする心拍数です。

運動負荷量を決めるときには
他にもボルグスケールを使います。
どのぐらい「きつさ」を感じているのかを
伺って、負荷量を推定します。

 

 

その結果・・・
高負荷トレーニングによって
運動症状の改善が得られることが
わかりました。


また中等度の運動負荷よりも
高い運動負荷の方がより運動症状の
進行に対して効果的であったとしています。

 

 

この論文を読んで・・・
負荷が高い方がより効果があるとの結果でした。
しかし、既往歴(いままで心臓の病気をしたことが
あるなど)や飲んでいる薬の影響で高負荷が
かけられないことも想定されます。


闇雲に高い運動負荷をかけるのではなく、
リスク管理を徹底した中で、負荷を適切に
かけた方がと良いのかなと思っています。

 

 

本コラムではパーキンソン病の運動症状の
進行に対する(高負荷)トレーニングに

ついてを
解説しました。


本コラムが少しでも皆さまの
お役に
立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2023年11月17日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)DLM, Lígia Silva de Lima A,
Domingos J, Keus SHJ, van Nimwegen M,
Bloem BR, de Vries NM.
Physiotherapy in Parkinson's Disease:
A Meta-Analysis of Present Treatment Modalities.
Neurorehabil Neural Repair.
2020 Oct;34(10):871-880.
doi: 10.1177/1545968320952799.
Epub 2020 Sep 11.
PMID: 32917125; PMCID:
PMC7564288.

2
)Terasawa Y, Ikuno K, Fujii S, Nishi Y,
Sena IG, Costa AVD, Santos IKD, Araújo DP,
Gomes FTDS, Cavalcanti JRLP, Knackfuss MI,
Andrade MF, Melo PKM, Fonseca IAT.
Feasibility and effect of high-intensity training
on the progression of motor symptoms in adult
individuals with Parkinson's disease:
A systematic review and meta-analysis.
PLoS One. 2023 Nov 10;18(11):e0293357.
doi: 10.1371/journal.pone.0293357.
PMID: 37948405; PMCID: PMC10637666.

 

 

 

 

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