リハビリコラム
パーキンソン病のバランス障害に対する体幹トレーニング
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。
本コラムではパーキンソン病のバランス障害に
対する体幹トレーニングの効果を解説したいと
思います。
パーキンソン病患者さんにはバランス障害が
見られることがあります。
バランス障害は歩行障害とも強く関連し、
バランスの改善が歩行能力の改善に
重要であるとされています。
バランス障害に対するリハビリには
バランストレーニング、有酸素運動などが
挙げられます。また体幹トレーニングによる
効果を検証した研究も報告されています。
そこで、バランス障害に対する
体幹トレーニングに関する論文を集め
検討したLópez-Liriaらの報告を
紹介したいと思います。
López-Liriaらの論文では
体幹トレーニングを
・体幹の筋力増強
・体幹の可動性(動き)を改善などに
重きをおいたトレーニングと
定義されています。
またバランスを「静的」「動的」と
分けて検討しています。
静的:座っているときや立っている時に
じっと姿勢を保つこと。
動的:体を動かしながら姿勢を
保つこと。
「じっとしている」「動いている」
この2つに違いがあります。
その結果・・・
体幹トレーニングによって、
静的バランス能力の一部分は
改善する可能性が期待できることが
明らかになりました。
この論文を読んで・・・
体幹トレーニングのみならず、他の
トレーニングと組み合わせることが
大切なのかも知れません。
これはリハビリ全般に言えることなのですが、
体幹の働きが動作や症状に影響を
及ぼしているのか、詳細に検査、
評価を行った上で、介入手段を
検討した方が良さそうです。
本コラムではパーキンソン病の
バランス障害に対する体幹トレーニングに
ついてを解説しました。
本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2023年11月14日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)López-Liria R, Vega-Tirado S,
Valverde-Martínez MÁ, Calvache-Mateo A,
Martínez-Martínez AM, Rocamora-Pérez P.
Efficacy of Specific Trunk Exercises in the Balance
Dysfunction of Patients with Parkinson's Disease:
A Systematic Review and Meta-Analysis.
Sensors (Basel). 2023 Feb 6;23(4):1817.
doi: 10.3390/s23041817.
PMID: 36850413; PMCID: PMC9959840.