リハビリコラム
パーキンソン病の運動症状に対する外来リハビリの効果
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。
本コラムではパーキンソン病の運動症状に
対する外来リハビリの効果を解説したいと
思います。
パーキンソン病の患者さんの
運動症状は、振戦・筋固縮・
無動(動作緩慢)だけではなく歩行障害、
姿勢障害などの「軸症状」が
みられることがあります。
姿勢障害とは?
・カンプトコルミア:前屈姿勢
・ピサ症候群 :左右どちらかに傾いた姿勢
・アンテロコリス:頸部の前屈
この3つがあります。
このパーキンソン病の患者さんにみられる
姿勢の崩れは、座っているときや
立っているときに見られ、あお向けに
寝た状態では姿勢の崩れが修正されます。
また姿勢障害に関係する要因として
筋緊張、固有感覚、視空間認知、
筋力低下などが考えられています。
では本題に戻りたいと思います。
運動症状に対する外来リハビリには
どのような影響があるのか?
今回はTerasawaらの研究を
紹介したいと思います。
Terasawaらの論文では・・・
運動症状をMDS-UPDRSを用いて
点数化し、32点を境として、軽度と
中等度・重度と定義しています。
※点数が低いほど軽度です。
外来リハビリでは・・・
ストレッチ・筋力増強トレーニング、
バランストレーニング、歩行練習などが
行われました。
その結果・・・
外来リハビリを行うことで、
MDS-UPDRSの運動スコア合計、
運動緩慢・軸症状それぞれの
スコアが有意に減少したと報告しています。
特に中等度、重度の方に効果が
みられたとしています。
つまり・・・
外来リハビリを行うことで、
パーキンソン病患者さんの運動症状を
改善する可能性があるということが
明らかになったということです!
この論文を読んで・・・
様々なトレーニングを行っていることが
良い結果をもたらしたかも知れません。
本コラムではパーキンソン病の
運動症状に対する外来リハビリの
効果を解説しました。
本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2023年11月13日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Ameghino L, Rossi M, Merello M.
How Do I Examine Postural Disorders
in Parkinson's Disease? Mov Disord Clin Pract.
2016 Nov 25;3(6):626. doi: 10.1002/mdc3.12457.
PMID: 30838258; PMCID: PMC6353339.
2)Terasawa Y, Ikuno K, Fujii S, Nishi Y,
Tanizawa E, Nabeshima S, Okada Y.
Unveiling the Impact of Outpatient Physiotherapy
on Specific Motor Symptoms in Parkinson’s
Disease: A Prospective Cohort Study.
Brain Neurorehabil. 2023 Oct;16:e26.