歩行専門の自費リハビリ施設「アルコネクト 」

歩行専門”の自費リハビリ施設 『アルコネクト』

▸科学的な裏付けに基づくリハビリ

▸認定理学療法士の資格保有者が対応

▸完全予約制の個別対応
 03-6693-0966
お問い合わせ

リハビリコラム

2023-03-25 17:16:00

パーキンソン病患者さんのすくみ足に対して効果的なリハビリとは?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムではパーキンソン病患者さんの
すくみ足に効果的なリハビリを
解説したいと思います。

 

 

1.すくみ足とは?

すくみ足とは、
”足がすくみ歩き始めの1歩目が
前に出せないこと”を言います。


zhangらによれば、すくみ足は
Hoehn&Yahrの重症度分類や
固縮、UPDRSパート2・パート3の
得点と関係すると言われています。


※Hoehn&Yahrの重症度分類
 パーキンソン病の進行度合いを
 表すものです。


※固縮
 筋肉のこわばりのことです。 
 例えば肘を伸ばそうとすると、
 全可動域を通じて抵抗感が
 感じられます。


※UPDRS
 (Unified Parkinson‘s Disease Rating Scale)

 パーキンソン病の症状を詳しく調べる検査です。
 全4パートから構成されます。 
 パート2は日常生活動作、パート3は
 運動症状を調べるものです。

 

 

2.リハビリの方法

アメリカ理学療法士協会のガイドラインや
Millerら、Tomilisonらのメタアナリシス・
システマティックレビューでは、


①視覚・聴覚のキューイング
②バランストレーニング
③歩行練習

主にこの3つの方法が推奨または、
効果があると報告されています。


メタアナリシスとは、
統計学的手法を
用いて、同じような研究の結果を
まとめる分析方法です。


このメタアナリシスの結果をみると、
統合した結果は効果があると
していますが、個々の結果をみると
効果があるとは言えない研究が
含まれています。


つまり、理学療法はすくみ足に
効果があるとされながらも、
理学療法の中身をみると、
効果があると言えないものも
あるということになります。

 

 

3.介入のポイント

Ehgoetzらによれば、すくみ足には
サブタイプ(分類)
があると言われています。


①運動
②不安
③注意


この3つのサブタイプに分けることができる
ため、病態に基づき、介入方法を変える
必要があると考えられます。


つまり、運動だけで効果が得られない
可能性があるということです。

 

 

本コラムでは、パーキンソン病患者さんの
すくみ足に対する効果的なリハビリ

解説しました。


本コラムが少しでも皆さまの
お役に
立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2023年3月25日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Zhang F, Shi J, Duan Y, Cheng J, Li H,
Xuan T,Lv Y, Wang P, Li H. 
Clinical features and related factors of
freezing of gait in patients withParkinson's disease.
Brain Behav. 2021 Nov;11(11):e2359. 
doi: 10.1002/brb3.2359. Epub 2021 Sep 22. 
PMID: 34551452; PMCID: PMC8613420.

2) Osborne JA, Botkin R, Colon-Semenza C,
DeAngelis TR,Gallardo OG,
Kosakowski H, Martello J,
Pradhan S, Rafferty M,
Readinger JL, Whitt AL, Ellis TD.
Physical Therapist Management of Parkinson Disease:
A Clinical Practice Guideline From the American
Physical Therapy Association.
Phys
Ther. 2022 Apr 1;102(4):pzab302.
doi: 10.1093/ptj/pzab302. Erratum in:
Phys
Ther. 2022 Aug 1;102(8):
PMID: 34963139; PMCID: PMC9046970
.

3) Miller KJ, Suárez-Iglesias D, Seijo-Martínez M, Ayán C.
Physiotherapy for freezing of gait in Parkinson's disease
: a systematic review and meta-analysis.
Rev Neurol. 2020 Mar 1;70(5):161-170. Spanish,
English.
doi
: 10.33588/rn.7005.2019417. PMID: 32100276.

4)Tomlinson CL, Patel S, Meek C, Clarke CE, Stowe R,
Shah L,
Sackley
CM, Deane KH, Herd CP,
Wheatley K, Ives N.

Physiotherapy versus placebo or no intervention
in Parkinson's disease. Cochrane Database Syst Rev.
2012 Jul 11;(7):CD002817.doi:10.1002/14651858.
CD002817.pub2. Update in: Cochrane Database
Syst Rev. 2012;(8):CD002817. PMID: 22786482.


5) Ehgoetz Martens KA, Shine JM, Walton CC,
Georgiades MJ,
Gilat M,
Hall JM, Muller AJ, Szeto JYY, Lewis SJG.
Evidence for subtypes of freezing of gait
in Parkinson's disease.
Mov Disord. 2018 Jul;33(7):1174-1178.
doi: 10.1002/mds.27417. PMID: 30153383.

 

 

 

 

2024.12.06 Friday