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リハビリコラム

2022-11-28 15:54:00

脳卒中患者さんの歩行~マヒ側の推進力を向上するためには~

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
歩行時のマヒ側推進力について
解説したいと思います。

 

 

Awadらによれば、歩行距離は
マヒ側の推進力と股関節伸展角度
(TLA)によって予測されると
言われています。


そして、歩行時の推進力はTLAが
影響するとHsiaoらによって
報告されています。


つまり・・・
歩行中の推進力を得るためには
股関節伸展(脚を後ろに伸ばすこと)が
重要と言えそうです。

 

 

一方、Lewekらは脳卒中患者さんの
トレッドミル上(ランニングマシン)での
歩行中、弾性バンドを用いて後方へ
抵抗力を与えました。


すると・・・
マヒ側・非マヒ側ともに推進力が
向上した(特にマヒ側が向上)と
報告し、Hsiaoらの研究同様にTLAが
歩行中の推進力と関係があることが
わかりました。


さらに、弾性バンドによる抵抗力を
なくした後でも
推進力は向上したままで
あったと報告しています。

 

 

Lewekらの研究は、歩行中の
推進力向上のために
活用できそうだなと
個人的に感じています。


それと同時に、マヒ側の運動機能、
関節や筋肉の柔軟性、筋シナジー、
荷重量などの影響をみながら
TLAを構築するための戦略を
考えた方が良いなとも考えています。

 

 

本コラムでは脳卒中の患者さんの
歩行時におけるマヒ側の推進力について
解説しました。


本コラムが皆さまの何かの
お役に
立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(更新日:2022年11月28日)
(更新日:2023年6月18日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献
1)Awad LN, Binder-Macleod SA, Pohlig RT,
Reisman DS. Paretic Propulsion and Trailing Limb
AngleAre Key Determinants of Long-Distance
Walking Function After Stroke.
Neurorehabil Neural Repair. 2015
Jul;29(6):499-508.
doi: 10.1177/1545968314554625.
Epub 2014 Nov 10.
PMID: 25385764; PMCID: PMC4426250.

2)Hsiao H, Knarr BA, Higginson JS,

Binder-Macleod SA. The relative contribution
of ankle moment and trailing limb angle to
propulsive force during gait. Hum Mov Sci.
2015 Feb;39:212-21. doi: 10.1016/j.
humov.2014.11.008. Epub 2014 Dec 12.
PMID: 25498289; PMCID: PMC4272868.

3)Hsiao H, Knarr BA, Higginson JS,
Binder-Macleod SA.
Mechanisms to increase propulsive force for
individuals poststroke. J Neuroeng Rehabil.
2015 Apr 18;12:40. doi: 10.1186/s12984-
015-0030-8. PMID: 25898145;
PMCID: PMC4406180.

4)Lewek MD, Raiti C, Doty A.
The Presence of a Paretic Propulsion
Reserve During Gait in Individuals
Following Stroke. Neurorehabil Neural Repair.
2018 Dec;32(12):1011-1019.
doi: 10.1177/1545968318809920.
PMID: 30558525; PMCID: PMC6300055.

 

 

 

 

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