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2022-11-09 09:00:00

脳卒中患者さんの脳画像~バランス能力と歩行能力~

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは脳卒中患者さんの
脳画像について解説します。
特にバランス能力と歩行能力に焦点を
当てたいと思います!

  

 

今回はHandelzaltsらの論文を
紹介します!

 

 

この研究には、脳卒中を発症されてから
3ヶ月未満の患者さん
46名が
参加しました。


そして脳画像と転倒閾値、バランス能力、
マヒ側の脚の運動機能、歩行距離との
関係性が調査されました。


※転倒閾値とは?
この論文では「反射性バランス能力」と
定義しています。
急にバランスを崩した際のバランスの
復帰を評価したものです。

 

 

その結果・・・
バランス能力、歩行能力、
マヒ側の脚の運動機能は、
皮質脊髄路に沿った被殻や白質(神経線維)が
関係することがわかりました。


※皮質脊髄路は運動に関わる神経の道です。
※被殻は運動の調整に関わる部位です。


さらに・・・
【病変が右側の場合】
転倒閾値・バランス能力・マヒ側の
脚の運動機能は内包後脚や上放線冠
関係していることがわかりました。


※内包後脚は先程の皮質脊髄路や感覚に
 関わる神経線維の通り道です。


【病変が左側の場合】
転倒閾値・歩行距離・マヒ側の
脚の運動機能は被殻や外包に関係する
ことがわかりました。

 

 

私の経験からも脳卒中患者さんの
症状は人ぞれぞれで違います。



そのため脳画像を参考にしながら、
身体の状態を検査で丁寧にみることが
大切だと感じています。


例えば・・・
一口に”バランス”と言っても
バランスを保つためには様々な
要素で成り立っています。


Horakらの報告では、
・生体力学的制約
・安定限界/垂直性
・予測姿勢調整
・姿勢反応
・感覚的方向性
・歩行の安定性


この6つを基盤としてバランスが
成り立つと説明しています。


1つの考え方でありますが、この6つの
どれがバランス能力に影響しているのか
検査を行い、その結果に応じた
リハビリが必要だと思います。

 

 

本コラムでは、脳卒中患者さんの
脳画像について、バランス能力と
歩行能力に焦点を当てて
解説しました。


本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年11月9日)
(更新日:2023年1月1日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Handelzalts S, Melzer I, Soroker N.
Analysis of Brain Lesion Impact on
Balance and Gait Following Stroke.
Front Hum Neurosci. 2019 May 14;13:149.
doi: 10.3389/fnhum.2019.00149.
PMID: 31139067; PMCID: PMC6527742.

2)Horak FB, Wrisley DM, Frank J.
The Balance Evaluation Systems Test (BESTest) to
differentiate balance deficits.
Phys Ther. 2009 May;89(5):484-98.
doi: 10.2522/ptj.20080071.
Epub 2009 Mar 27.
PMID: 19329772; PMCID: PMC2676433.

 

 

 

 

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