リハビリコラム
脳卒中患者さんの痙縮と運動機能との関係
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!
本コラムでは脳卒中患者さんの
痙縮と運動機能との関係を
解説したいと思います。
※痙縮とは?
筋肉がこわばってしまったり、
手や脚が突っ張ってしまう症状のことです。
今回はPundikらの論文を
紹介したいと思います!
この論文では・・・
中等度~重度のマヒがある脳卒中患者さんが
128名参加され、痙縮と運動機能との関係が
調査されました。
その結果・・・
①腕や手(上肢)は、筋肉の緊張が高いと
筋力も低い傾向がありました。
※痙縮の症状の1つに筋緊張亢進
(筋肉の緊張が高まる)があります。
例えば・・・
指を曲げる筋肉の緊張が高いと、
指を伸ばす筋力が低下すると
いうことです。
②手や脚の運動は痙縮と(少なからず)
関係があることもわかりました。
Liらの報告を加えると、
痙縮は手や脚の動きに影響を及ぼし、
動作の獲得を邪魔するとも言われています。
痙縮が手や脚の運動を邪魔しているとすれば、
痙縮に対するアプローチ、例えば装具や
電気刺激療法、振動刺激療法など
適応によって実施を検討することも
必要かも知れません。
手や脚の運動機能が十分に発揮できない
原因を検査であったり、脳画像であったり
様々な視点から分析することが大切だなと
感じています。
本コラムでは、脳卒中患者さんの
痙縮と運動機能の関係を解説しました。
本コラムが皆さまの何かの
お役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2022年11月8日)
(更新日:2022年12月29日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Pundik S, McCabe J, Skelly M,Tatsuoka C,
Daly JJ.
Association of spasticity and motor dysfunction
in chronic stroke. Ann Phys Rehabil Med.
2019 Nov;62(6):397-402. doi: 10.1016/j.
rehab.2018.07.006.
Epub 2018 Aug 10. PMID: 30099149.
2)Li S, Francisco GE, Rymer WZ.
A New Definition of Poststroke Spasticity and
the Interference of Spasticity With
Motor Recovery From Acute to Chronic Stages.
Neurorehabil Neural Repair. 2021 Jul;
35(7):601-610. doi: 10.1177/15459683211011214.
Epub 2021 May 12. PMID: 33978513.