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リハビリコラム

2022-11-04 09:30:00

脳卒中患者さんの歩行における非対称性の修正するには?

 

こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!

 

 

本コラムでは脳卒中患者さんの
歩行における非対称性の修正する
方法を
解説したいと思います。

  

 

今回はLewekの論文を
紹介したいと思います!


この研究は立脚時間・歩幅の
非対称性に注目しています。


※立脚時間とは?
歩行中、脚で支えている時期を
「立脚期」といい、その時間を
「立脚時間」といいます。

 ちなみに脚を前に出す時は、
 「遊脚期」といいます。

 

 

この論文では立脚時間や歩幅が
非対称である
脳卒中患者さんが集められました。


そして・・・
①立脚時間の非対称性が強い

②歩幅の非対称が強い

①もしくは②のグループに分けられました。


その2つのグループには
Ⓐエラー増強
Ⓑエラー最小
Ⓒ通常


このⒶ~Ⓒの3つの条件下で、
スプリットベルト型トレッドミルでの
トレーニングと通常の歩行練習の
2種類のリハビリを実施し、その効果が
調査されました。


※スプリットベルト型トレッドミルとは?
トレッドミルはスポーツジムにあるような
ランニングマシンのことです。

スプリット型は左右の脚をのせている
ベルトが違う速度で動かすことも
できるタイプです。


Ⓐエラー増強とは?
例えば、立脚時間が短い場合に、
立脚時間を長くするように、
ベルトの速さを調整する設定です。


Ⓑエラー最小とは?
例えば、立脚時間が短い場合に、
その状態に合わせて、ベルトの
速さを調整する設定です。


Ⓒ通常とは?
通常行われるトレッドミルでの
トレーニングです。

 

 

その結果・・・

【歩幅】
どのグループもトレーニング前後を
比較すると、歩幅の非対称性の改善を
示しました。


【立脚時間】
トレーニングによる効果や
トレーニング方法の差はみられないことを
示しました。


【歩行速度】
歩行速度はトレーニング前後で向上する
傾向があり、歩幅の非対称性の改善と
関連があることがわかりました。

 

 

Ⓐエラー増強Ⓑエラー最小Ⓒ通常

この3つのトレーニング方法には効果に
差は見られませんでした。


しかし「言葉によるフィードバック」は
3つの方法に共通しており、それが功を
奏したのではないかと著者は述べています。


歩幅の非対称性は言葉がけで幾分
修正される可能性が
あるということです。


立脚時間の非対称性は効果が
見られなかったため、立脚時間の
非対称性の改善にはまた違った視点が
必要なのかも知れません。


例えば・・・
脚の位置を変えてステップを行い、
その脚で支える力が発揮できるのかを
調べ、その結果によってリハビリの
内容を修正することも大切です。

 

 

本コラムでは、脳卒中患者さんの
歩行における非対称性の修正する
方法を解説しました。



本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

 

(執筆日:2022年11月4日)
(更新日:2023年12月4日)
(執筆者:市川 貴章) 

 

 

参考文献

1)Lewek MD, Braun CH, Wutzke C, Giuliani C.
The role of movement errors in modifying
spatiotemporal gait asymmetry post stroke:
a randomized controlled trial.
Clin Rehabil. 2018 Feb;32(2):161-172.
doi: 10.1177/0269215517723056.
Epub 2017 Jul 27.
PMID: 28750549; PMCID: PMC5748372.

 

 

 

 

2024.04.20 Saturday