リハビリコラム
知っておきたい!脳卒中の患者さんが使用する短下肢装具の効果
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です。
今回は脳卒中の患者さんが使用する
短下肢装具の効果を解説したいと思います!
※短下肢装具とは?
足に装着する装具のことです。
「装具を作製したけれど、
どんな効果があるのだろう?」と
疑問に思ったことはありませんか?
この疑問に答えたChooらの
論文を紹介したいと思います!
この論文では・・・
短下肢装具を装着することによって
歩行速度、歩幅、バランスを含む
歩行能力、歩行時の足関節、膝関節、
股関節の角度にどのような影響が
あるのかを調査しています。
その結果・・・
短下肢装具を使用することで
歩行速度、バランスを含む歩行能力が
向上し、歩幅も拡大、歩行時の足首や
膝関節の角度が大きくなることが
わかりました。
つまり・・・
足の装具を使用することで、
歩行能力が向上することがわかりました。
短下肢装具には、
プラスチック製、金属製、
カーボン製などの材質があります。
継手(足首の関節に相当する部分)が
あるもの、ないものもあり、ベルトの
本数、装具の長さ、形も様々です。
中にはお風呂専用の装具もあります。
歩行能力向上のためだけでなく、
拘縮の予防、歩行時のつま先の
ひっかかりを防止するためなどを
目的として作製されることもあります。
痙縮、感覚障害、つま先を上に挙げる力
(背屈といいます)、足首の関節の柔らかさ、
むくみの状態などや生活状況、想定される
使用環境を踏まえて作製することが
大切だなと感じています。
※拘縮とは?
関節や筋肉が固くなってしまうことです。
※痙縮とは?
手や足が突っ張ってしまったり、
筋肉がこわばってしまう症状です。
私が病院に勤めていた頃、
退院した患者さんから装具の相談を
受けることがとても多くありました。
そのため、退院後の装具の悩みを
解決できるような体制を医師や
義肢装具士の方と相談し
立ち上げた経験もあります。
リハビリ専門職として、
装具を作製したら終わりではなく、
他の職種と連携しその後のフォローも
必要と考えています。
本コラムでは脳卒中の患者さんの
短下肢装具の効果を解説しました。
皆さまの少しでもお役に立てましたら
とても嬉しいです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2022年6月20日)
(更新日:2023年1月1日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Choo YJ, Chang MC. Effectiveness of an
ankle-foot orthosis on walking in patients
with stroke: a systematic review and
meta-analysis. Sci Rep. 2021 Aug 5;11(1):
15879. doi: 10.1038/s41598-021-95449-x.
PMID: 34354172; PMCID: PMC8342539.