リハビリコラム
パーキンソン病患者さんにおけるピサ症候群の重症度
こんにちは!
歩行専門の自費リハビリ施設
ARUKONECT (アルコネクト)の代表
市川です!
本コラムではパーキンソン病患者さんの
姿勢崩れの1つであるピサ症候群を
解説していきたいと思います。
今回はHuhらの論文を
紹介したいと思います!
この研究では・・・
体幹傾斜が10°以上あるピサ症候群と
診断されたパーキンソン病患者さん54名が
参加しました。
【実施された検査】
・SVV(自覚的視覚性垂直位)
・BBS(バランス)
・UPDRS-Ⅲ(運動症状)
・MMSE(認知機能)
・レボドパ服薬量
・背部痛
※SVVとは?
実際の垂直位と自分自身が感じる垂直位
(客観的垂直位)のズレを計測する方法です。
検査されたデータを基に
ピサ症候群の重症度や傾く方向(左右)を
決定する要因を調査しています。
その結果・・・
①SVVが右側へ傾いている患者さんは
SVVが左側へ傾いている患者さんに
比べて体幹の傾斜が強い
②運動症状の少ない側へ傾く患者さんは
運動症状の非対称性スコアが高い
③右側に体幹傾斜がみられる患者さんは
SVVも右側へ傾斜している
④運動症状が右側に強いと左側へ傾く
この4つのことが明らかにされました。
パーキンソン病患者さんにみられる
「姿勢の崩れ」
その要因によってリハビリの内容も
変えなくてはならないということかも
知れません。
ちなみに・・・
SVVの測定方法は大掛かりな機器が
必要と思われるかも知れません。
実は「バケツ法」があり、道具を揃えれば、
現場で実践しやすい方法もあります。
本コラムでは、パーキンソン病患者さんに
おけるピサ症候群についてを解説しました。
本コラムが少しでも皆さまの
お役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
(執筆日:2022年9月13日)
(更新日:2023年2月25日)
(執筆者:市川 貴章)
参考文献
1)Huh YE, Seo DW, Kim K, Chung WH,
Kim S, Cho JW.
Factors Contributing to the Severity and
Laterality of Pisa Syndrome in
Parkinson's Disease.
Front Aging Neurosci. 2022
Jan 3;13:716990.
doi: 10.3389/fnagi.2021.716990.
PMID: 35046790; PMCID: PMC8761952.